2026年04月10日(金曜日)
04.10. サービス業において安売りセールが成り立たない訳。
昔、私がガソリンスタンドで起業した時、
周辺のガソリンスタンドが販売していたガソリンの値段より
常時3円/㍑ぐらい安い値段を看板で提示して、
売上げを、それまでの100キロ㍑を、40%上げて140キロ㍑にした事がある。
毎日、周りのガソリンスタンドが出す値段を注意深く調べて、
常に3円/㍑安くした。
当時の口銭(㍑当たりの粗利益)が、普通に売っていて12円/㍑程度だったので、
12円/㍑✖100,000㍑=1,200,000円だったが、
9円/㍑✖140,000㍑=1,260,000円で、
40%余分に売っても、
人手を40%余分に使っても、
利益は5%程度しか上がらず、
その様子を「くたびれ損の骨折り儲け」と、ことわざで言った。
このことわざの意味は、
Wikipediaによると
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このことわざは、一生懸命努力したにもかかわらず、期待した成果や利益が得られず、疲労や疲弊感だけが残る残念な状況を表します。「骨折り」は努力や苦労を意味し、「損」はその努力が無駄になることを示します。「くたびれ儲け」は、通常プラスの意味である「儲け」を皮肉的に使い、疲れだけが残った自嘲的な状況を表現しています。
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これは、利益を12円/㍑から、9円/㍑に25%落として、
販売数量を100キロ㍑から140キロ㍑に、
40%の数量とスタッフの手間(人件費)を上げても、
粗利益は約5%しか上がらない。
労働量を40%上げているので、粗利益が5%しか上がらないのを
「くたびれ損の骨折り儲け」と言う。
しかし、労働量40%upを同額の人件費で済ませられれば、
5%の粗利益がそのまま営業利益につながるが、
労働量40%upは、少なくとも10~20%程度の人件費アップにつながる。
とすると、多くの場合は
「くたびれ損の骨折り儲け」にもならず、
「くたびれ損の骨折り損」で、出荷量が40%増えただけで、
3円/㍑値引き販売は疲労度が増えて、利益も減る。単に損しただけになる。
ただこれには「油外収益」というマジックがあって、
エンジンオイルとか、タイヤとか、添加剤ケミカルとか、
燃料油と同時に、油外収益を10円/㍑上げる事を奨励された。
すると、通常価格で販売したとして
100キロ㍑✖(12円+10円)=2,200,000円であるものが、
3円/㍑安売りしても
140キロ㍑✖(9円+10円)=2,660,000円となり、
約20%利益が上がることになる。
油外収益が10円/㍑あれば、
ギリギリ人件費のup分だけ粗利益も増えるので、
「くたびれ損の骨折らず」なんて言葉があるかどうか知らないが。
燃料販売の世界で安売りをするならば、
販売量を200%とか300%に販売数量を増やさなくては、
営業利益、経常利益のupには繋がらない。
いわゆる「薄利多売」という奴だ。
これは昔は仕入れを系列外からの現金仕入れで、
仕入れ自体の価格を下げて、粗利益をそれ程下げずに多売をすれば、
それなりに成り立ってきたが、
系列外からの現金仕入れが安定的に出来た時代、昔はまだ良かったが、
こんにちのように、イランとアメリカの戦争で供給が不安定なると、
系列外の品物が必ずしも安く買えるとは限らないので、不安定極まりない。
これがサービス業になると、事情は全く変わる。
私達がやっているKeePerコーティングの販売もサービス業の1つの典型で、
そのサービスの質によって、お客様の評価=価値がまったく変わる。
だから当然、販売価格も、
その質が低ければ安いものしか売れないし、
同じ値段のサービス製品でも、安く割り引かなくては売れない。
だから、施工技術を上げて、
KeePerコーティングの仕上がり価値を上げ、
高い種類の商品を、定価に近い値段で多く売れるようになる。
だから、その質の高い技術者には、当然、高い給与を提供する事になる。
それが出来るから、人も集まる。
それが逆に
せっかく高い技術を獲得している技術者がいるのに、
最初から20%引きなどの安売りに加えて、
客数を上げる為に20%引きに匹敵するような販促費をかけて、
とにかく数を集めて、高い技術を持った技術者に沢山作業をさせる。
だから、それで140%の増版になっても、
60%✖140%=84%にしかならず、
170%の増版になって
60%✖170=102%で、やっと同じくらいの打上げ、
しかも、
それが20%程度の仕入れを伴うものならば、
60%✖80%≒50%にしかならないので、
200%の増客にならなくては値引き販促は、しないのと同じ利益にならない。
それでも200%の客数に対して、
質の高い技術者が、2倍の労働量を働いて、同じ利益を得るだけなので、
その質の高い技術者の給与は、2倍の労働量に対してきっと同じ給与だろう。
折角、頑張って得た高い技術力を活かした高い質のサービスを安売りされて。
同じ給料で2倍の仕事量をさせられる。これはなかなか続くものでは無い。
安売りが薄利多売で多少なりとも通用するのは、
商品の質、価値が工場で均質に作られた「物販」の世界でだけ。
技術者の技術の質に大きく差があるサービス業においては、
技術の高い人が造る高い質の商品を安売りすると、
せっかく高い技術を身に着けた人が造った高い質の商品を、
安売りすると、
高い技術の人を二倍の働かせた上に、同じ給料しか払えない。
そんな職場に高い技術を持った人が長く続く訳もなく、
その職場が衰退するのもきっと早い。
昔の事を思い出して、こんなことを考えました。
今、世に提案しているモビリティベースの一つのパターン。
年内にはぜひ実現してみたい。
今夜は、いつになく霧が濃い。






