2020年10月28日(水曜日)
10.28.ミネラルオフの独創的発想と限界
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「ミネラルオフ」の独創的効果と不思議
KeePerの「ミネラルオフ」というケミカル製品を使って、
手洗い洗車の中でも最もきれいになる洗車=「Cコース・純水手洗い洗車(ミネ
ラルオフ)」というコースがあります。
これは洗車にかかる時間プラス15分程で、車が見違えるほどキレイになり、
お値段もMサイズ(プリウスなど)で9,070円/台とお手頃であり、
手洗い洗車をご注文のお客様に
「ミネラルオフは一番キレイになる洗車で、ものすごくキレイになります。」
などと、ご案内すると、よく受注する人気サービスです。
しかしこのミネラルオフは、よくあるWAXやコーティングの類ではなく、
かなり独創的な発想で造られているので、
その意味と限界を、一度、書いてみようと思います。
「高いコーティングしたのに、保証期限前に効かなくなってしまった?」
カーコーティングとは車の塗装の表面を覆う「被膜」が分子的に結合し
連続的な膜になっていて、その保護効果は長期間にわたります。
カーコーティングの表面には水を弾く成分(撥水基)が敷き詰められていて、
雨などをよく弾きます。
しかし、多くのコーティングがうたっているような5年間の光沢保証と共に
撥水が5年間も続くことはありません。
光沢や美観についてもコーティングしたばかりのような光沢は続きません。
それを見て「コーティングが取れてしまった。」と多くの人が思いますが、
実はそうではない場合がほとんどなのです。
「水弾きを邪魔して、ツヤも落とすミネラルの薄い膜(撥水阻害被膜)」
水が弾かなくなったり、ツヤがくすんできた時の多くは、
環境に存在する「ミネラル」がコーティング表面に付いて膜になったからです。
それはナトリウム・カルシウム・マグネシウム・カリウム・ケイ素などで、
主に水道水に交じっていて洗車をした時に付着したり、
降雪地帯では、塩化カルシウムである融雪剤が、直接、ボディに付着します。
ミネラルは無機質であり親水性で水はじきを邪魔します。
ボディに付着したミネラルは薄い膜になり、
その表面が凸凹しているので、ツヤもなくなります。
(この薄いミネラル膜のことを私たちは「撥水阻害被膜」と呼んでいる。)
多くのボディガラスコーティングは、ミネラル膜が付きやすい。
昔はカーコーティングと言えば、
高分子重合体で出来たいわゆるポリマーコーティングが主流であったが、
被膜のタフさから、ポリシラザン(水ガラス)を塗装に貼るボディ”ガラス”コー
ティングが主流となりました。
ボディガラスコーティングは被膜の硬度もあって生活傷からの防護にもなり、
被膜の寿命も長く、長持ちするのでカーコーティングの主流になっています。
しかし、その被膜表面はガラス質になっているので、
基本的にミネラルと親和性が良く、特にミネラルの一種のケイ酸塩は、
ガラス質表面に良くくっつき、
ひどくなると被膜上にミネラルの輪状の固着物が出来ます。
(これを「水シミ」(又は水垢、ウロコ、ウォータースポットなど呼んでいる。)
このような水シミは非常に頑固で、
しかも無機質の固着物なので洗剤類が全く歯が立たず、
高コストのポリッシャー研磨で物理的に削り取るしか方法がありませんでした。
「クリスタルキーパー、ダイヤモンドキーパーは、根本的に解決(特許)」
15年以上前、世の中のコーティング業界では、
ポリシラザンを使ったボディガラスコーティングが大流行でしたが、
KeePerはこの水シミ問題を重視して、
ボディガラスコーティングを出さずポリマーコートだけで頑張っていました。
しかし、SONAXからの提案で実用化していた
ポリシラザンではないアルコキシオリゴマーの独自の厚いガラス被膜の上に、
水シミが付かないレジン被膜を乗せることを考え出して、
ガラス被膜の密着性に注意しながら作ったのが「ハイブリッドレジン」でした。
この試みは非常にうまく行って、
「水シミ」がほぼ完璧に付かない二層式の
クリスタルキーパーとダイヤモンドキーパーが完成したのです。
これは特許に登録されています。
後に、使用感を大幅に改善した「レジン2」に進化して、
水シミのクレームがほぼ完璧に無いガラスコーティングとして今に至っています。
他のボディガラスコーティング、ミネラル膜を取ったらいいのに。
KeePerのボディガラスコーティングは、水シミから解放されたが、
他のメーカーのボディガラスコーティングは、
相変わらずポリシラザンを使ったガラス被膜を表面に出したままで、
ひどい水シミまみれになっている。
あるいはユーザーが気を付けて水シミが付かないように、
洗車後の拭き上げなどを注意深く行ったりしていても、
薄いミネラル膜の付着までは防げず、
撥水が無くなったり、ツヤが何となくボケたりしている。
しかも
そのコーティングのメーカーさん達は、
普通のクリーナーWAXなどをメンテナンス剤として、
せっかくコーティングをただのWAXの表面にしてしまい、
何のためのコーティングであるのか分からなくしてしまっている。
原因はミネラル膜なので、その薄膜を取ってやればいいだけなのに、
。他のメーカーのことなので放って置けばいいのかもしれないが、
見かねて、撥水阻害の元凶のミネラルの薄膜を取るケミカルを造ってしまった。
しかも、単にミネラル薄膜を取るだけではなく、
その下にあるガラス被膜を全く傷めない特殊なクリーナーだ。
コーティング被膜ををそのままにミネラル被膜だけを取り去る。
別の目的で造ったものが、たまたまそんな特殊な働きをした偶然の産物だ。
この特殊なクリーナーの成分は、絶対に秘密なので、
特許も取っていない。
特許を取ると、ある程度の秘密を文字にして公開することになるので、
絶対に秘密にしたいことは、あえて、特許にしないことがある。
(爆白や爆ツヤもあえて特許にしていない。)
ミネラルオフは劇的に効果があるが、コーティグ剤ではない。
撥水阻害被膜である「ミネラル膜」が付いているボディガラスコーティングは、
撥水しなくなっていて、ツヤも落ちている。
しかも、その上にメンテナンス剤と称するアミノシリコンなどの「撥水剤」を
スプレーなど振りかけられて、鈍い撥水が出ているだけで、
ツヤはますます鈍くなっている。
そんな状態のボディガラスコーティングも、
ミネラル膜をパリパリっと取ってやると、嘘のように撥水とツヤが復活する。
元のガラスコーティングが表面に出るのだから、当然だ。
しかし、ガラス被膜がふたたび表面に出たのだから、
またミネラル膜が付きやすい表面になっていることも事実でるので、
クリスタルとダイヤモンドキーパーで得た特殊なレジンの技術を活かして、
ミネラル膜を取り去ると同時に薄くレジン被膜で覆うようにした。
すぐにミネラル膜が再付着させないことが目的だ。
しかし、
元々あるガラスコーティングの効果を復活させることが目的であり、
その上に強いレジン被膜を強く乗せてしまっては元も子もない。
ユーザーが高いお金を払って施工した
そのボディガラスコーティングを復活させることを目的としている。
しかも、洗車プラス15分で出来る作業性もテーマ。
そこで、レジンは塗る前にすでに架橋反応が終わっていて、
塗ってから分子的な結合が起きないようなものにして、
時間が経てば流れるようにして、コーティングではない状態にしたのです。
そのバランスが絶妙であって、
一時は「艶パック」の名前でデビューしたケミカルですが、
そこから改良を繰り返して、
今の「ミネラルオフ」の形に落ち着いたものです。
これは実に、
何十台ものテストを繰り返して造り上げたKeePerの開発陣の賜物なのです。
だから、ミネラルオフはコーティングではなく洗車の1つとしたのです。
それも一番キレイになる洗車。
これ以降、いよいよ話の本題に入って行きますが、
もう遅くなったので明日また続きを書きます。