谷 好通コラム

2017年09月07日(木曜日)

9.07.散漫たる内部崩壊

会社がだんだん大きくなって、
社会一般から「大きな会社」扱いされるようになると、
その会社の社員一人一人が変に自意識を持つようになって、
「・・・らしく」なろうとするし、・・らしいことをしようとします。
一つの物事に対して客観的な判断と、
一人の社会人としての価値観で判断し行動するのではなく、
「・・らしい判断」をして「・・らしい行動」をするようになるのです。
その会社の価値をまだ身に着けていない新しく加わった者は余計にそうです。

 

すると、
それまで会社が大きくなってきた過程において積み上げてきたノウハウや、
組織の文化とも言える具体的な能力が、
「・・・らしい」に変わり、
似て非なるものに変質して、
特に新しく加わったメンバーによって
その会社の持つ本質が散漫となって、質的に崩壊してしまうことがあります。
言い方を変えると
長い時間かけて培ってきた実物が、・・らしい物にボケてしまうのです。

 

お題目だけが空回りして、
内実が伴わない仕事が独り歩きし、
仕事をしていること自体が目的の仕事まがいが横行し始めると、
目的を持った仕事がなくなってきて、
当然、仕事の結果も出ず、
急速に会社の価値がなくなって来て、会社としての体力もなくなってきます。

 

その会社の持っている本質を見失い、価値を失って、
“らしい”だけの役員、らしいだけの部長、課長、店長、スタッフになり
“らしい”だけの店舗と、らしいだけの提供価値になって、
会社として存在する意味が無くなってきて、自然に消滅していくような
散漫とした内部崩壊が、実際にあるのだということに気が付いて、
この会社は間違っても「らしいだけのボケた大きな会社」にならないように、
いつまでも、いつまでも、しょぼい貧乏会社のままでいなければと、
改めてしみじみと思いました。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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