谷 好通コラム

2018年08月04日(土曜日)

8.04.相手が解りにくいことを期待して

昔から、今でもそうだが、
契約書とか、保険の証書とか、公式のような書類には、
読んでいるとムカムカしてくるような
口に出しての言葉では、とても言えないような、
独特の言い回しの言葉、文語体の言葉で書いてある。
これは決して相手に解り易くするためにそうしている訳ではない。
解り易くとするならば
普段の口語体の言葉、つまり新聞や雑誌・本に書いてあるような
普通の言葉で書くはずだ。
論文が口語体で書かれているように、口語体でも十分に正確に書ける。

 

しかし公式な書類には
たとえば、本当の契約書の一部、
「自己に課された秘密保持義務と同等の義務を課すことを条件として、
当該秘密情報を開示することができる。」なんて書き方をわざわざする。
このような書き方で造られた文章は非日常的であり、
このような文章を普段から読み慣れている特殊な職業の人でなければ、
とてもスラスラとは読めないし、理解できる人は少ないだろう。
公の文章なのだから、
誰に見られてもいいようにしなければならない。
だったら、誰にでも解りやすい言葉で書くべきだろうが、
なぜ公式な文章には、こんな解かり難い言語がわざわざ使われるのだろう。
こういう文章を書く立場の人は、何を考えて、
こんな解りにくい言葉の文章で書くのでしょうか。

 

解りにくい文章をわざわざ使うのですから、
ひょっとして、相手が解らないことを期待しているのではないでしょうか。
わざわざ相手が解りにくい言葉を選んで使うのは、
相手が解らないことを期待して、自分に都合の良い内容にし
意味が解らないまま相手に「まっ、いいか」と署名捺印させて、
自分が不当に有利になる為でしょうか。
権力者、権威者がよく使う手です。

 

しかし現実は、
相手を不利に陥れようとしなくても、
公式な文章を書く場合、
相手がかえって解りにくいことが分っていても、
このような文章で書くことが通例として求められているのです。
だから、悪意のない人も、こんな文章が解りにくいと分っていても
こんな文章で書くしかないのです。

 

現実には、仕方がないのです。頑張って読み砕くしかないのです。

 

 

今日は、夕方から富士スピードウェーに来ました。
明日、富士500”マイル”レースという800kmの超長距離レースがあります。
我らが #1 KeePer TOM’S LC500 は、予選7でした。僚友#36は3位です。

 

PHOTO by Yoshifumi Nakamura

 

夜、近くのイタリアンレストランで「前夜祭」の意味で食事会があって、
関谷監督と平川亮選手、ニックキャシディ選手と記念写真を撮りました。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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