谷 好通コラム

2017年04月12日(水曜日)

4.12.私の部屋から「紫電改」が嫁入りして行きました。

「紫電改」とは太平洋戦争の後期に活躍した大日本帝国陸軍の飛行機です。
大出力のエンジンと、
20mm機関砲を4門備えている名機です。
この精密模型を私は持っていました。
10年以上前に東京の青山にあるWingクラブという模型屋で
製作されて出来上がっている形で買い、
私の部屋のガラスケースを買って中に飾っていました。
最初に「紫電改」を買って、
それから大小交えて何機かを買い、
戦艦の模型も買ったりして、ガラスケースの中はいっぱいになって、
5年くらい前からブラ模型を買うのをやめていました。
というよりも、置く所がなくて買えなかったのです。

 

だから、私の会社の部屋には、
5年以上同じ模型が入ったままのガラスケースがあり続けたのです。
新しいのが欲しいと思っても、今ある模型を捨てる気には全くなりません。
とてもそんなことは出来ません。
だから、ずっと同じです。

 

そこへ、変な手紙が舞い込みました。
紫電改の精密模型が欲しくて探しているのだけど、
東京のWingクラブに頼むと1年半以上かかるそうで、
しかもずいぶん高い値段を言われて困っている。
そこで、インターネット検索で探したら、
谷好通のブログが紫電改にヒットした。
だから、出来たら譲ってもらえないだろうか。という手紙でした。

 

私は紫電改が要らなかった訳ではありませんが、
望まれて、この紫電改を大切にしてくれるであろう人に貰われて行ったら、
それはそれでいいのかもしれないと思って、お譲りすることにしたのです。
今日、その人が、紫電改を受け取りに来ました。
静岡県の清水の人だそうです。

 

約束をしたものの、いざその時になると、
譲りたくなくなるもので、正直、迷い始めたのです、
しかし約束は守らなくてはなりません。
それが結果的に損につながるものでも、約束は守るものです。
約束しておいて、その後、約束を破ると自分の利益になることが解ったら、
勝手な口実をこじつけて、平然と約束を破る自分を正当化する人は悪人です。
損得で約束を破るのは人間ではなく、畜生のやることだと言い聞かせ、
そこはぐっと唾を飲み込んで、さっさと持って行ってもらいました。
その間約10分。

 

紫電改が欲しいと思って、
きっと大切にしてくれるであろう人の元に行けば、
それはそれでいいだろうと言いながら、
本当はしばらくぶり新しい飛行機の精密模型が欲しくて、
紫電改を譲ってしまったのは、たぶんアホです。
でも、しっかりと後悔しながら、
今度は「雷電」にしようか「月光」にしようかもう迷っているのですから、
私はアホどころか、本物のパーなのでしょう。
いやんなっちゃいます。

 

そんなどうでもいい事はそっちのけで、
今日も一階の中央トレセンでは、
長野県チャンピオン選出のコンテストが真剣に行われていました。
私もしばらく一緒に応援していましたが、
すぐに次の用件の約束の時間がやって来て、
またいつものようにバタバタの一日でした。
しかし今晩は、紫電改が夢に出てきそうです。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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