2001年04月02日(月曜日)
第72話 キジが“いた”
熱力学の第2法則、エントロピーの法則によって
この世の過去が無限ではないことが明確に証明されているように
この世のありとあらゆる形あるものに無限の存在は許されていない
宇宙の始まりの前に時間は無かった
あらゆる物が必然として存在し、定理としての渾沌の中にまぎれていく
この世そのものが有限の時間の中に存在しているから
限られた時間も無に帰しない
1/∞=0からの解放
自らの存在と
意志の存在の事実
あらゆるパラドックスを超越して自ら存在していることを認めざるを得ない
それは喜び
存在以上でもなければ、それ以下でも絶対にあり得ない
“安息”
存在は渾沌の中に消えていくことによって見事に無に帰していく
それ自体は、悲劇でも、苦しみでも、恐怖でもない
自らの存在が、意志として存在している事実であるように
私は宇宙とか、相対性理論がどうしたこうした、というような本が大好きで
よく読む
訳のわからん言葉ばかり並べてひんしゅくを買うかも知れない
「知ったかぶりをして」と思われるのがイヤだから
普段はあまり、こんな言葉を口にはしないが
でも今日は
言葉にして見たくなってしまった
素直な気持ちで
昨日三ノ宮に駅で、オジサンの望遠鏡で“土星”を見たからか
近くの病院の土手で、“キジ”を見た
多くの葛藤が渦巻いている人間の建物のすぐ近くで
野生のキジが
何のためらいもなく
凛として“いた”
なぜか感動した
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