2001年04月22日(日曜日)
第92話 実践の強み
昨日の技術マニュアル検討会
全国の部課長が集まって行われた
議題は、キーパー、洗車、室内清掃などの
具体的技術マニュアルについて
こういう形で行うのは、今回が初めて事で大変盛り上がった
キーパーシステムはその原型を
かつてのクリーンベースWithで、私と谷常務が作った
それから膨大な経験を重ねていく中で
改良と修正を加え、今の形になった
そして
それを教えていく人間、インストラクターの人数が増えていく中で
それぞれの“工夫”が施され
それによって微妙な食い違いが発生して来た
たとえば北海道と九州では気温も相当違うし、雪が有る無しという事で
技術的に全く同じという訳にはいかない
しかし、そうした必然以外の部分でも
それぞれが良かれと思って作った“工夫”があり
必ずしも“同じ”とは言えない
もちろん、それぞれのインストラクターとの技術検討は行ってきたので
基本的に、その技術から得られる結果が間違っている事はない
また、毎月の会議において新技術・ノウハウ・情報の伝達もリアルタイムに行ってきた
そういう意味では心配はない
しかし
特に、全国レベルでの会社の店に対してレクチャーを行う場合
その整合性を求められる
そういうことで
責任者全員集まって、細かい部分までの擦り合わせをする事になったのだ
会議が始まったら
キーパーの技術の部分だけでもゆうに半日以上かかった
議論百出
現状行っているインストラクションの擦り合わせだけでなく
ああした方がいい、こうした方がいい
実にみんな良く語る
山ほどの改善提案を出してきた、無駄だと思われるものはほとんど皆無
次から次へと
有益な提案がなされた
しかも
お互いよく解っていることなので、議論はダラダラしない
どんどん既存のマニュアルに赤字で添削が入れられていく
技術の変更ではなく、洗練されたものに進化して行くという類のものばかりだ
だから
新しくなったマニュアルを
現在キーパーを実施しているガソリンスタンドの人にお見せしても
きっと違和感は感じられないだろう。なるほどと言っていただける自信がある
ただひとつ
快洗Jrを使用しての手洗い洗車の時と
キーパーを掛けていく時
車のどこから始めて、どういう順番で作業して行き
どこでフィニッシュするのか
“作業の進行の順番”が大幅に変えられた
議論の過程が良かった
まず、キーパーの作業順について
色々な意見が出て中々まとまらなかったのだが
途中参加の課長が、あるガソリンスタンドの実践から出たノウハウを発表
実に的を得ていて、そうしなければならない理由がキチンとあり
作業の効率も実に良さそうだ
誰も異論をはさむ余地がなかった
イッペンにその方向でまとまってしまった
手洗い洗車の作業順について
ここでもかなり議論が出されたが
参考として出席していた刈谷快洗隊パイロットショップのスタッフ
昨年高校を卒業して、新卒で入社した19歳の若い子
このスタッフに発言を求めた
「僕はいつも、決められたマニュアル通りにやっていますが、それとは別に自分で考えていた方法を言っていいですか」
もちろんOK!
彼は、自分で考えていたという作業の順番を、何故そうなのかの理由を話しながら図に書いて説明して行った
説明が終わったとき
一同しばらく沈黙
全く異論をはさむ余地がないほど
実に理にかなっている
全員一致で
全面的に19歳の子が提案したその手順で行こうということになった
実践から出てきたものは強い!
この若いスタッフは、色々考えながら仕事をしてきたのであろう
刈谷快洗隊は、かなりきつい仕事であるので
何も考えずに“やらされている”だけだと、ナンでこんな事しなくてはいけないのかと思ってしまう場合もあるのだが
この子は、自分自身に考えを持ちながら仕事をしていたようだ
すごい!と思った
自分も見習わなくてはイカンなーッと思った
きっと、この子だけでなく、快洗隊のスタッフ全員が考えたことなんだろう
全員、誇りをもって仕事をしている事は確信していたが
それにしても、大したものだ
私達のインストラクターは、ほぼ全員実践をたくさん経験して来ている
その自分の経験に裏付けられた技術とノウハウだから強い、と自負して来た
しかし、
インストラクターになってしまってから、チョット実践を忘れていたのかもしれない
19歳の子の発言が
大のオトナ
しかも日本の洗車をしょって立っているなどと
満々のプライドを持っている精鋭を黙らせてしまった
※彼の頭は「寝グセ」かと思ったら、そうではないと言う
休みの所を引っ張り出されたので、プライベートの時のオシャレだと言う ヨ~わからん
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