2001年08月24日(金曜日)
205話 ジッとしていたい
ジッとしている事が苦手
いつも何かをしていないと、いられない
これは私の基本形
前に前に向かって進んでいたい
これも私の基本形
でも、ジッとしていたい時もあるのです
いつもはジッとなんかしていない
レースカーでサーキットを走っている時が最高
頭の中が真っ白になる
自分のイメージどおりに減速し
コーナーを駆け抜けて
立ち上がりで、イメージどおりの加速をする
そんなことに集中していると
見事に頭の中が真っ白になる
だから
ストレスの解消に、最高なのです
だから私にとっては、この上ない元気の素なのです
だけどホンとは
「ジッとしていたいなぁ~」
と、思うこともあるのです
実は
涙が出そうになるぐらい、そう思うこともあるのです
もう一つ
別の自分
何かに包まれて
誰も、私に何も求めてこない安全なところで
ジッとして
ウトッウトッとして
周りの空気すらも感じず
頭の中を真っ白にして
ジッとしていたいと思うときがあるのです
昔々
私の娘が小学校に上がるちょっと前の頃
近くの路地で
“アリ”の行列を、娘が
何時間もじっと眺めていたことがあった
お菓子をつぶした粉を
少しずつ、アリに運ばせて
それを、何時間も何時間も
ジッと眺めていたことがあった
私はそれをすごくうらやましいと思った
きっとその時、娘は
アリになっていたのだろう
アリと一緒の時間を過ごしていたのだろう
甘いおいしい食べ物をいっぱい見つけた“幸せなアリ”になり切っていたのだろう
アリと、一体になっていたことによって
自然と
宇宙と
一体になっていたのだろうと感じた
娘はその時
自然の一部になりきっていた
私もそんな時間が持てたら、どんなに幸せだろう、と思う
私もジッとしていたいと想う時がある
自然の中の一部でしかない、ちっぽけな自分を
心の底から受け入れて
ジッとしていたいと想う時がある
いつか私も死を迎える時は、そんな気持ちになれるのかな
自然は神々しくも美しい
Posted パーマリンク