谷 好通コラム

2001年11月09日(金曜日)

272話 新たなるもの

世の中にまだ無いもの
あるいは
いまだ知らないもの

 

新たなるもの

 

それが、世の求めに従い
あるいは
出現すべくして、出現するものであっても
それが、人々の知らないものであった場合
好奇の目にさらされると同時に
多くの場合
いまだ知らないがゆえに
旧たるものには
恐怖の対象となる

 

恐怖に駆られたとき
人々は、それを条件反射的に、“敵”であるのではないかと
反応する

 

自らの経験歴の中で
それが、敵である所以を探し出し
過剰に反応する

 

なぜか?
人々は
その経験において、自らの怒りとか屈辱の感情が、消去法的に残存し
傷跡として残る
そして
その傷の痛みが記憶に残る

 

その怒りとか屈辱が、何によって引き起こされ
何を学習すべきであったのか、という理性に基づく部分は
その刻みは浅いものであり
多くの人々の、ざわめきの中では
その痛みが消去法的に残存する
多くの場合
ひどい目にあったという被害感情が、最大公約数として一人歩きする

 

だから
まだ見たことのない、新たなるものを見るとき
人々は
恐怖の念を持って
自らの経験歴に残存する被害感情の痕跡に照らし合わせて
その新たなるものを“見”
敵である事を確認しようとする

 

たとえば
ある車検のチェーン店を主催する会社から
「昔、車検の価格を看板で提示したら、
同業者から凄まじいばかりのバッシングを受けました。」
という話を聞いた
昔、車検は、ある特定の業者の既得権
料金は不透明にしておいた方が、業界全体の利益になる
それを白日のもとにさらす事は、裏切り行為だ。ということらしい

 

よく似たような事が、昔、石油業界にもあったと思う

 

それが今は
価格の提示は当然のこととなり
価格の不明朗な店は、ユーザーから見向きもされないようになりつつある

 

業界内
つまり、ある利益を独占している特定の既得権者から見ると
新規参入者は全て“敵”
既得権を何らかの目的で保証していた過渡的な縛りが、無くなり
世の求めに従って新規参入してきたものであっても、“敵”

 

そんなことが色々なことに言えると思う

 

世の中が
今までの殻から脱出しないと、存続できないような時代になり
新たなるものを求め
新規参入者を歓迎する事は、自然の求める事

 

新しい時代に、抵抗するより
自らの変革を進める事の方が、あるいは進化を進める事の方が
自らの存続を確かなものに出来る事なのに・・
むしろ、それしか方法が無いのに

 

世の中の新しい欲求を
嘆く立場より
チャンスと考えた方が
絶対に強い
そんな事を考えた一日でした

 

※新しい映画の見方・イオンシネマ
最近私は、毎月の様に映画を見に行くようになった

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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