谷 好通コラム

2002年03月25日(月曜日)

381話 イライラの日

会社にパソコンを忘れてきてしまった
だから、仕方なく人のパソコンを借りてこれを書いている
貸してくれた人には悪いが、ものすごく書きづらい
やはりパソコンは“道具”である、道具は使い慣れたものが一番いい

 

今日は、イライラし通しだった
任せるなら、任せる
中途半端に首を突っ込むから、状況が見えずにイライラする
分かっちゃいるけどやめられない

 

私たちのように“洗車”を、主な仕事にしていると
季節によって、売上にものすごく上下がある

 

一番売上げ上がるのは、もちろん12月で
最低なのが1月と2月
平月の半分ほどしかない
3月になると平月の75%ほどまで回復し、4月から平均の売上になる
しかし、今年は3月に猛烈な黄砂が来て
そのせいで、車という車が黄土色のホコリまみれになっている
どこのスタンドを見ても洗車の行列が出来ている
おかげで(ドライバーの方には申し訳ないが)
今日現在すでに、前年の実績をクリアした

 

こんな年は、たまたま助かるが
いつも
1・2月の、洗車が最低の月は、応える
ズシーンと応える
2ヶ月で、1か月分の売上しかないのだ
月末の通帳の残高が、ふた月連続、何○万単位で減っていく

 

しかも、しかもだ
この暇な時期に、今年の新しい企画をデビューさせないといけない
時機を逸すると、今年一年を平坦なものにしてしまう
4月とか5月からの準備では、まったく遅すぎるのだ
新しい企画の準備とは
その時点では、まったく成果になって来ない完全な先行投資
そして、デビューさせるのにはもっと資金がかかる
今年は特に、大きなショーに出品するという方法を選択したので
かなり強烈であった

 

資金が落ち込むときに、先行投資を積極的にせねばなせない
これは、なかなか苦しく、きびしいことだ

 

経営者の一番重要な仕事の一つに、資金繰りがある
自分で言うのはイカンが、私は、数字に異様に強い
2ヶ月先までなら
10%以内の誤差で月末残高を頭の中で予想できる
経理担当の人の、綿密に計算して資金の流れを立ててくれている数字より
私の予想の方が、正確である場合もある
(もちろん、経理の立場で立てる数字も、色々な意味で重要である)

 

6ヶ月先の資金繰りまで、おおよそのイメージとして、いつも頭にある
だから何ヶ月先に資金的につらくなるか
大体予想が立つので
その4ヶ月から5ヶ月前の時点で、資金調達のシナリオを立て
遅くとも、2ヶ月前にはその準備が終わっている
独立してから18年
そういうことが、まるで本能のように出来るようになってしまった

 

そんな色々な事を、平気でやれるようになってきた

 

それでも、新しい事を始めると決めて
ことを進めて行って
いざ、ゴーというその前夜などは
「あれは大丈夫だろうか、これは出来ているだろうか」と
いつもイライラする

 

その企画が、あるいは事業がうまく行くかどうかで
その先の経営状況がガラっと変わってしまう事があるのだ
もちろん、うまく行かなければ、勇気ある撤退を実行すれば良いし
それが致命的になってしまうようなことは決してない
それぐらいの準備はしている
それでも
大きな傷を負うことは間違いないし
その事で、将来に大きくブレーキがかかってしまう事は、あり得るのだ

 

滅多なことで、失敗する事は出来ない

 

準備が重要である
しかし、スタートの直前まで、状況は変わるし
判断に迷う事ある
直前まで、一生懸命考える
あえて視点を変えるために、忘れる事をしたり、色々な感性を探すことをしたりする

 

そして、最も重要なのが「スタート」
いざスタートすると、事前に予想していた事とはまったく違う反応を示す事が多い
この時に、この誤差に俊敏に反応して、ためらうことなく修正する

 

新しい事を成功させられるかどうかは
「その店を利用していただく“ユーザーの反応”が全てである」

 

新しい事を始めるに当たって、一番重要なのは
準備を、こなす事ではなくて
自らの感性を研ぎ澄ます事である
その上で、行動する事

 

明日から、刈谷快洗隊の改修工事が始まる
この会社の新しい事の一つである
工事は、建物に手を加えるわけではなく、設備の変更だが
店の性格を変えるほどの変更である

 

自信をもって
確信をもって世に出した
まったく新しい機械「快洗Boss」を軸とした店にするのだ
この店の将来だけではなく、「快洗Boss」の将来を担うかもしれない
大きなスタートである

 

スタートの時点で、ユーザーがどう反応するのか
今しばらく、神経をとがらして行かねば

 

「まったく受け入れないネガティブな反応をしたら、どうしよう」そう思ってしまうと
脳みその表面に、思わず恐怖が走る
その恐怖を跳ね返すには
一所懸命考え、どうすべきなのかを可能な限り頭の中で探っていくしかない

 

日常の山ほどの仕事をこなしながら
毎日のように舞い込んでくる用件に、真剣に対応しながら
それでも、もっと新しい事も考えながら
そして、ずぶとく、遊ぶ事も決しておざなりにはせず

 

一つの新しいスタートを控え
今日は、やっぱりイライラするのでした

 

一息ついたら
そろそろ遊ぶか?

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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