2002年06月11日(火曜日)
440話 社内旅行の巻
今日から当社の社内旅行
私は、その第一班で
行き先はグァム
海外旅行なんて豪華版だね、と言われることもあるが
そうでもないのだ
パックツアーで、何社から合い見積もりを取って
安くしてもらい
往復の航空料金と、3泊のホテル代の合計で6万円~7万円ぐらい
社員積み立てで一人当たりの平均で1万5千円ぐらい自己負担
向うに行ってからはオール自由行動
だから、一人5万円ぐらいの出費
国内旅行で行こうと思うと
5万円の旅費では、かえって無理である
とにかく国内旅行は、異常なくらい高い
てな訳で、ここ何年かグァムとかに行っているのだが
「温泉がいい」
「遠いところじゃなくてもいいから
それぞれ自分の車で行って
現地集合
あとは、2日ぐらいゆっくりと温泉三昧
そんな旅行にしましょうよ」
という声も聞こえ始めた
年配の社員からだけでなく、若いスタッフまで言っていたのには驚いた
しかも、宴会がやってみたいと言う
娘が会社勤めしていた頃に聞いた話では
「年取った社員は、とにかく宴会をやりたがり
若い社員、とりわけ女性社員は、その宴会が大ッ嫌い
だから社内旅行は、
所属の課単位でバラバラに行くことになっていて
“温泉旅館で会社全体”の、“大宴会”は、“やらない”
それが当たり前になっている」
そんな風に聞いた
だから、宴会付きの温泉旅行なんて、誰も行きたがっていないと思っていたのだ
実は、この会社でも何年か前
たしか7年か、8年ぐらい前の社内旅行だと思うが
宴会付きの温泉旅行をやったことがある
北陸の「山中温泉」に行ったのだ
山中温泉とは、ひなびた温泉の正反対
温泉芸者さんが闊歩する花街風の温泉だ
宴会とは!
“普通”の場合
上座(カミザ)下座(シモザ)があり
地位の高いものが
床の間側に近いカミザに座って
それから地位の順にシモザに下がっていく
そして、宴会が始まれば
地位の低いものから、カミザにお酌をして回る
無礼講と称して羽目をはずし
女性社員は、にわかホステスのように、愛想を振りまかなければならない
宴会とは、そういうものだと思っていた
そして、私は
そういうものが好きではなかった
しかし
会社も少しは大きくなってきたのだから
一度ぐらいは
温泉旅館で、本格的な宴会もやって見なくてはイカンよな~
それぐらいやれなくてはイッチョ前じゃないよな
そう思って、当社始まって以来始めての宴会
そして最後の本格的な宴会をやったのだ
いざ、宴会の本番
二十畳ぐらいの狭い目の広間に、十五人ほど
みんなが集まった頃合を見計らって、私も宴会会場に出向いた
全員集まってはいたが
宴会などあまりやったことのない連中ばかり
いわゆる“カミザ”には、役職者どころか
女性事務員さん達が、ズラッと陣取っていた
カミだとか、シモだとか、席順などまったく関係なし
もうゴチャゴチャ、好き勝手に座っている
私が入って行くと
みんなニコニコして、もう、話だけで盛り上がっている
私はそれを見て、うれしくなってしまった
あとは、おいしい料理を食べながら、おいしい酒を飲みながら
みんなでお互い、いっぱい話をした
そして、いっぱいみんな笑った
そしてなんと
この宴会では、芸者さんも呼んだのだ
芸者さんの踊りを見て、うっとりとして
また、みんなで喋って、笑って、芸者さんも一緒になっていっぱい話をして笑った
唄を歌ったり踊りだすものはいなかった
自分を見失って、クダを巻くものもいなかった
(芸者さんは、「変わった宴会だね~」と言っていたが)
みんな腹いっぱい食べて、飲んで、話して、笑って
若い女性達は、みんなに一番良く見えるカミザに座って花になってくれた
あんな素敵な宴会は、きっと二度と出来ない
名古屋から、グァムまで
飛行機に乗って3時間半ほどで着いてしまう
コンチネンタル航空のB-737
これを書いているのは、その飛行機の中
ふと、昔のことを思い出した
・・・・
※ようやくホテルに到着
只今現地時間で深夜2時
さすがに、皆さんお疲れ気味
Posted パーマリンク