2002年06月22日(土曜日)

450話 もはやこれまでか

昨夜からMINEに来ている
明日23日の「MINEツーリングレース」のためだ

 

今回は、ここへ来るまで気が乗らなかった
へな?の吉田君に、真剣に、代わって欲しいと頼んだぐらいだ
右指の腱鞘炎が、良くなりかけたり、また悪くなったりで
一進一退
握力が、正常ではない

 

しかし
へな?は、すげなく断わっちまってくれるし
師匠?の清水さんは、出場するのが当然、という感じで事を進めてくれるし
ということで
とりあえず、MINEまで来た

 

昨日の夕方、一人で、飛行機で福岡まで飛んで
それから新幹線で、小郡まで来て泊まった

 

普通は小郡には泊まらないのだが
明日の帰りの飛行機が満員だったので、小郡に泊まることになったのだ
(なぜ、飛行機が満員だと小郡なのかは、話が長くなるので省略)

 

今は、レース前の練習が終わってから、その小郡のホテルに戻ってきたところ

 

今日の練習はつらかった
タイムがまったく上がらない
1分48秒台、それも限りなく後半
46秒台のラップを出したことのある私としては、がっくり

 

2ヶ月以上走っていないので
1本目は、仕方ないにしても
2本目も、3本目も、やはり同じようなタイム

 

走っても、走っても、タイムが上がらないので
心乱れてか、だんだんコース取りもバラバラになってくる
コーナーで、まともにインにつけないのだ

 

コーナリングとは
コーナー手前でフレーキングをして
減速し終わった頃
ちょっとだけブレーキに足を乗せ、荷重を前に置いておいて
とーんと、ステアリングをコーナーに入れる
荷重が前に来ている車は、アウト側からスッと頭が中に入る
これをターンインという

 

そして
クリッピングポイントというコーナーの内側に、車をつけ
縁石に派手にタイヤを乗せて
思い切ってアクセルを開き、コーナーをすばやく抜けていく

 

アウトインアウトであり、スローインファストアウトの基本だ

 

今日は、そのコーナリングの一番最初のきっかけ「ターンイン」が
まったく出来なくなってしまったのだ

 

だから
クリッピングポイントにつけない

 

「右指が痛い、握力がない、腕も重い」
だから
ステアリングの切り込みのタイミングが遅れ
しかも、切り込みのスピード自体も遅くなってしまっているのか

 

「やっぱり来るんじゃなかったか」

1本目が終わり、2本目が終わっても解決しない

 

清水さんが、思い切ったセッティングの変更をしようと言い出した
しかし、私は、「もう一本だけ今のセッティングで走って見たい」と言った

 

右手がおかしくて、切込みが遅いならば
それを見込んだタイミングで
つまり、早くターンインを仕掛ければ、うまくいくような気がしたからだ

 

そして、3本目を走った

 

しかし・・・・
3本目も、やっぱり、うまく行かなかった
ターンインを仕掛けるタイミング、そんな問題ではないようだ

 

 

「もはやこれまでか」

 

私は、真剣にレースをやめること(引退)を考えた
「いい加減、無理するモンじゃないかな・・いい歳こいて」

 

私は、4本目を走ることを決めた
(普通、レース前には4本も走るものではないが)
「このままでは、嫌だ」

 

私が4本目を走る前
清水さんは
黙って、セッティングを変え始めた
もはや、私の希望など聞く耳持たぬ、そんな風であった

 

前輪の車高を1cm下げて
前輪のショックの減衰率を｢1｣に
後輪の減衰率を「3」に

 

今まで、経験したことのないセッティング

 

こわごわ4本目を走り出して
「あれっ?」
コーナーの内側に車の頭が入っていく

 

今まで、エイヤっと、ステアリングを振り回しても
ターンインが出来なかったのに
気持ちよく、どのコーナーでもスッと出来るようになっている

 

タイムこそ、47秒台ではあったが
確かな手応えがあった

 

4本目は、チェッカーが振られる前に、ピットに帰ってきた
もう大丈夫と思ったし
急に本番用のタイヤがもったいなく思えてきたからだ

 

気分爽快

 

やっぱり来て良かった (いつも最後はこれか?)

 

明日のレース本番のための整備を
清水さんと、いつものスーパーメカ小林君がやってくれる

 

 

小郡のホテルに帰ってから
明日の晴天を予言するように、雲がまた綺麗であった

 

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