谷 好通コラム

2002年08月10日(土曜日)

490話 やらない選択も

MINEサーキットに来た
今日は、明日のレースのために練習と準備

 

午前中のサーキットは曇り空で涼しい
昼から雨が降るかもしれないとの天気予報が出ている

 

とりあえず1本走った
約12周
思ったようにタイムが上がらない
7月の耐久レースのリズムが、体に染み付いてしまったのか
あの時と同じようなタイムがズラッと並ぶ
1秒の誤差も無い
これが耐久レースならば、理想的なのだが
今回はスプリントレース
もっとリズムを上げていって
速いタイムを出していくことが必要なのだが・・

 

今回のレースは
ずいぶん悩んだ
8月になって35゜C以上の、大変暑い日が続いていて
この暑さの中でのレースで
自分の体が持つかどうか、真剣に不安であった

 

7月の耐久レースは暑かったとはいえ
気温自体は30゜Cどうかの程度
それでも、走り終わった後
異常に体温が上がっているのが、はっきり分かった
辛いというより
一時的にではあったが、怖かった

 

この肥満体
心臓には普通の人より負担がかかっているはずだし
レース以外はまるっきり運動もしない50歳
健康ではあるが、決してスポーツマンではない

 

この間のレース後の異常な自分の体の感じが、怖いと感じたのだ

 

今回はもっと条件が厳しい
どうしようかと、最後まで悩んだ
会社にとって、私は、まだいなくてはならない存在
もしものことがあったら、シャレではすまない

 

実は
今日の練習で
自分の体に相談してみるつもりであった

 

1本走れば約12周
レースは17周
レースと同じ暑い気温の中で、12周走って見て
レースを走るかどうか決めるつもりであった

 

ところが
今日は真夏が嘘のように涼しくなってしまった
車の外気温センサーでは24゜Cとなっていた
こんな気温ならば
12周ぐらい走っても何ともない
思ったように速く走ることは出来なかったが
楽に12周こなすことが出来た

 

これでは、試しにならない

 

今朝、NHKテレビでやっていた天気予報では
明日は「晴れ」
35゜C以上の最高気温を予報していた

 

ドライバー変更は、今日の午前中が期限
「どうしよう」
今日の午前中の走行1本で、どっちにするか決めるつもりでいたのに
こんな涼しい状態では、全く参考にならない

 

迷いに迷って
「走らないことにした」

 

いつもなら
やるか、やらないか迷った時には
例外なく「やる」を選択する

 

これが私のやり方であり
たとえ、“やって”うまく行かなくても
やらずにする後悔より、やった後悔の方が
先々のためにも、ゼッタイにイイ
そういう考え方であった

 

それが
今回は「走らない」「やらない」と決めた

 

冷静かつ客観的に考えれば、正しかったと思う

 

ドライバーを“山本君”に代わってもらったのだ
彼なら私よりゼッタイ速い
彼の参加で、レースはきっと面白い展開になるであろう
それでいい

 

しかし
いざ、走らないと決めたら、サーキットの風景が変わって見える
緊張感が無くなって
自分自身が情けなく思えてきて
「やらない」と決めたむなしさを
昼から降り出した雨のサーキットが、悶々と映している

 

 

今は、夜の10時過ぎ、小郡の安ホテル
・・・
“天気予報が変わった”
明日は、曇りか雨だそうだ
寒冷前線が南下してきたのだそうだ
・・・
だから、明日は、暑くない
しかし、私は、もう、走らないと、決めてしまった
もう、変更は効かない
「やらない後悔」が、ズシッと来ている

 

こうなったら、山本君には
ゼッタイ優勝してもらわなくては
!(^^)!
と、プレッシャーをかけてはいけないのだが

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2002年08月10日(土曜日)

489話 日本の休暇.お盆

明日からお盆休みが始まる
この会社では、明日10日から15日まで
そして16日が出勤で、また土日が休み
中には16日に有給休暇をとって、9連休にするものもいる

 

しかし、もちろん快洗隊は平常営業であり
スタッフは
交代で休みを取ることになっている

 

私は今、小郡に向けての新幹線の中
明後日のレースのためだ
MINEサーキットの倒産で、一時はどうなるかと思ったが
少なくとも、明後日のレースは開催されるようで
張り切って新幹線に乗っている

 

10,11日とサーキットにいて
12日からは、また仕事
建築事務所のNさんが「盆の間なら、暇だから色々出来るよ」と言ってくれたので
我が社に来ていただき
新しい形の快洗隊のことで
じっくりとディスカッションをすることにしたのだ

 

Nさんは売れっ子で、大変忙しい方なのだが
快洗隊のあり方に非常に興味を持ち、親身に相談に乗ってくれている

 

そして
13、14、15日と
たまりにたまった原稿を一挙に書いて(ゼッタイ書くのだ)
16日から3日間休みを取る
こんな休暇のとり方でも、昔に比べたら
随分休むようになったのだ

 

日本人は、あまり長期休暇をとらないそうだ
ニュースでそう言っていた

 

ドイツでは、法律で長期休暇を取るように決まっているそうで
フランスなどは、有名なバカンスで
ひと月から40日ぐらい一斉に仕事を休む
だからフランスでは、ひと月以上、経済が停止してしまうぐらいと言っていた

 

だから、日本でももっともっと長期休暇をとるべきだ、という議論がある
「働きすぎだ、もっと休むべきだ」と
だから、いまどきは、ひと昔前と比べると
何とかの日とかで、やたら休日が多くなってきている

 

一昔前
バブルの頃
そして日本が対外貿易で、真っ黒の黒字の頃

 

世界中から、ドルが、フランが、マルクが、ポンドが
日本に集まってきていた頃

 

世界中から「日本人は働きすぎだ。」と、非難され
その頃から急激に
休みを取ることが、美徳のように言われだした
外交的にも
休日をもっと増やすことが
外国にとっての対日赤字を減らす、努力の一つとされた

 

しかし
バブルはとっくに崩壊した
日本国中、あたらもこちらも赤字でピーピー言っている
それでもなお
休むこと自体が美徳のようにされ続けていることに
私は違和感を禁じえない
休暇は長ければいいというものではない
どう過ごすかが肝心

 

長く休んで何をするのだろう
家でゴロゴロしているのか
大渋滞の中遊びに行くのか
それとも・・・
私には、本当にリフレッシュしているとは思えない

 

私は遊びを否定しているわけではない
むしろ、仕事の合間に時間をひねり出してでも、私は一生懸命遊ぶ
仕事大好き人間でもあるが
遊び大好き人間でもある

 

仕事をすることと、遊ぶこと
私にとっては、全く同じことであって
遊ぶために、仕事をしているわけでもなければ
仕事のためのリフレッシュとして、遊ぶわけでもない
仕事も楽しいし、面白い
遊びもそれぞれが楽しいし、面白い

 

仕事は、心底から楽しいと思えなければ、いい仕事にならない
いい仕事している人は、仕事を楽しんでいる

 

仕事は、もちろん我慢しなければならないことも有るし
つらいこともある
努力もしなければならない
しかし
だから楽しくないとは思わない

 

スポーツだって、ゲームだって同じであろう
我慢をしなくてはならない時も有れば
つらいこともある
努力しなければ、うまくなれないし
うまくなれなければ面白くない
でも、勝てたとき
あるいはうまく行った時、楽しい、面白いと思うのだ

 

仕事だって全く同じ

 

 

休日が多いか長いか、などということよりも
休暇を、休暇として
お盆はお盆として
どう活かし、有意義なものにすることが出来るか
そのことの方が大切なこと
そう思うのです。

 

お盆は、先祖の魂が家に帰ってくるという
私は信心深いわけではないので
よく分からないが

 

お盆は、家族でご先祖を想うための休暇
だから遠くから出てきている人は、苦労してまでも里に帰ろうとする
里の家族たちに会うために

 

お盆は、日本らしいいい休暇です

 

 

と言いながら私は、不謹慎にもサーキットに行こうとしている
明後日のレース
きっと、勝って
ご先祖様に勝利のご報告をしよう

 

今回は自分の言っていることが、
自分で分からなくなってしまった
ついでに写真も無しです
こんなこともあるということで、カンベンしてください (^_^)/~

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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