谷 好通コラム

2002年09月07日(土曜日)

512-?一人がいい場合

事務所のすぐ近く
歩いて1分
「福泉(ホントは泉にサンズイが付いている)」
という台湾料理屋さんがある

 

1年ほど前までは
「海香楼」という名前の店だったが
経営者が変わって
今の店になった

 

以前までは暇な店であったが
今はけっこう混むようになっている

 

以前の
「海香楼」のころは、色々問題があった

 

第一に
その時々で、味がかなり違うのだ

 

辛いはずの台湾ラーメンでも
腑抜けのように辛くない時もあれば
とても全部は食べられないぐらい“辛い”こともあった

 

決してオーバーではなく
それぐらい味が不安定であった

 

第二に
注文がまともに通らなかった

 

少し多人数で行って
注文をすると
必ずと言っていいほど、間違ったオーダーが出てきた
そんなに間違うのなら、注文書を書けばいいのに
何も書かずに
「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」と聞くだけ

 

第三に
料理が出てくる順番がメチャクチャであった

 

頼んだ順番に出てくることはなく
一緒に来た人が食べ終わっても
ただ、じっと自分のが出てくるのを待つしかないことも多かった

 

第四に
ウェイトレスの女の人は、決して笑うことはなかった
(ボディに自信を持っていたのか、いつも太もも重視の服装)

 

しかし、きっと笑うと怖い顔になるだろうことが予想できたので
笑わないことに不満はなかった

 

その頃は
ウェイトレスさんは“2人”で
たいした客も入っていなかったので
のんびり仕事をやっていた

 

そして、2人なので、いつも自分から仕事をしようとせず
相方がやればいい、とでも思っているのか
妙に、仕事がはかどっていない

 

だからその店は、当然のように潰れて

 

経営者が変わって「福泉」になった

 

同じ台湾料理屋ではあるが
随分変わった

 

まず、ホールにいるのが“1人”になったのだ

 

1人で
お茶とオシボリ出し
注文聞き
配膳
片付け
キャッシャー
と、全部一人でテキパキとこなす

 

 

一人だけなので
いつも小走り

 

一人だけなので
いつも、店全体に気を配っていて
へんに順番を間違えない

 

一人だけなので
きっちり注文書を書いている

 

一人だけなので
実に段取りがいい

 

そして、笑顔
どのお客さんにも笑顔

 

 

料理も、うまい!と言うほどでもないが
以前のように
その日の味が、当たりか、はずれか
食べてみなければ分からない、ということは無くなった

 

「福泉」は
以前に比べて
明らかに忙しく、繁盛している

 

私も、以前より、この店によく行くようになった
この日は、元気なMOTOSHIと一緒に「福泉」に

 

 

無駄に2人いるより
1人の方が
ウンと店のためになることがある

 

「店のスタッフは、ちょっと足らないぐらいが、丁度いい」
1人がいい場合もあるのだ

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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