谷 好通コラム

2002年09月16日(月曜日)

519話 7時間長い1日

ドイツ・フランクフルト空港に着いたのは
現地時間午後3時
日本時間なら午後10時

 

日本にいれば、もう少し経ったら寝ようかという時間だが
ここドイツでは、まだ午後3時

 

こちらの時間に体を慣らすために
こちらでの寝るべき時間までは
起きていなければならない

 

うっかり
日本時間の調子で寝てしまうと
次の朝
とんでもなく早い時間に目が覚めてしまう

 

せめて、あと7時間
ドイツ時間午後10時ぐらいまでは起きていなくてはならないのだ
(日本時間にすれば、午前3時)

SONAXの日本代表“吉村さん”が
晩飯を食べに行こうと誘ってくれた

 

行ったのは
ドイツの昔ながらの建物が並んでいる広場
といっても
ここドイツでは古い建物を大切にしているので
どこを見ても、すばらしく良く保存された街並みなのだが

 

広場の名前は忘れてしまった
吉村さんのドイツ語の発音は本格的なので
場所の名前を聞いても
日本語的に覚えられないのだ

 

 

古い建物を大切にしているドイツでも
ここには
とりわけ、昔の様式の建物が並んでいる

 

 

近くに教会があった
とてつもなく大きな教会で
とても古い建物だ
塔の高さは100mぐらいあるのだろうか
レンガ造りで
威厳にあり、ヨーロッパの歴史を感じさせる

 

中に入ったら
“ミサ”をやっていた
もちろん、観光向けの芝居ではない
本物の“ミサ”である

 

こんな歴史的な建物でも
宗教的に、今でも立派に使われているのだ
中は、いくつものドーム式になっていて
音響効果がすばらしい
ミサで何かを喋っている人の声が
“天からの声”に聞こえる

 

脇にパイプオルガンがあった
賛美歌の斉唱の時に
そのパイプオルガンが鳴り始めたとき
私は、頭の先から電気が走ったのが分かった
気がついたら
鳥肌が立っている

 

パイプオルガンの音は
建物のドームに響き渡って
まるで、教会全体が、聖なる音楽を奏でているように聞こえたのだ

 

今まで聞いたことのない音色で
あのパイプオルガンで
この教会で
バッハの“the little”が聞けたら
どんなに幸せだろうと
しばらく空想の世界であった

 

 

そんな街に
テラスと言うか、露天で食事が出来る店が並んでいた
昔の雰囲気が漂う、観光名所でもあるらしい

 

そこで、皆で食事をした
うまかったし
雰囲気が素敵で
それが日本時間でいうとそろそろ午前2時くらいになっていて
メチャクチャ眠たいはずであることを忘れさせてくれた

 

とはいえ
アルコールも入って、おなかも満腹
「じゃあ帰りましょうか」と言われた頃には
足元がフラフラで

 

まともに歩けないほど
疲れて
眠たくなっていたのに気が付いたのです

 

美味しかった
また太るか?

 

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2002年09月16日(月曜日)

518話 シベリア秋風景

ドイツ行きのフライトは
名古屋を離陸後
一路北上し
日本海を突き抜け
オホーツク海から
ロシア・ウラジオストック市の周辺の
ユーラシア大陸に上がる

 

シベリアを北上し、北極圏を舐めるようにして
シベリアの最北端を
地図でいうと西に向かう

 

離陸後、4~5時間経つと北極圏に差し掛かる
北極圏は異次元だ

 

前回ドイツに行ったときは
11月の初旬であった
だから
シベリアに入ってすぐに
下界は真っ白になり

 

荒涼たる北極圏を抜けて
ドイツに到着の1時間ほど前
フィンランドあたりからバルト海に出るぐらいまで
延々と
真っ白な世界が広がっていた

 

フライトの大半の時間
白銀の世界を楽しむことが出来た

 

今回は、前回より約1ヵ月半早い
シベリアはまだ秋であった
前回とは、まるで違うシベリアであった
紅葉しているのか赤っぽい山
明らかに
黄色くなっている山が
延々と続き

 

真っ白に雪が被っている時には
分からなかった景色が
いくつか見えて楽しい

 

 

そして
そろそろ北極圏に差し掛かる頃
9月中旬でも
やはり、そこには白い世界が広がっていた

 

 

しかし
残念ながら、雲がかかっている
ずうっと雲が
「今日は見せてやらないぞ」とばかりに
下界をビッシリと覆っている

 

残念ながら
前回あれほど感激した“北極圏の景色”とは
今回は会えそうにない

 

シベリアの秋
今回の収穫である

 

秋は、空気がモヤっているのか
どこを撮っても、何となく白っぽく
はっきり写す事ができなかった

 

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2002年09月16日(月曜日)

517話 ドイツ行き機中

第1話 ヘソ出しと、黄色頭

 

朝早く起きて、空港に向かった
名古屋、午前10時発のルフトハンザ機でフランクフルトに行くのだ

 

昨日飲んだワインで、少し頭が痛い
名古屋空港の
国際線ターミナルは
思いのほかの混雑で、ごった返していた

 

今日は日曜日
しかし、敬老の日の振り替えで明日も休みになるので
3連休の“なか日”になる
その日が、なぜ国際便の混雑につながるのか、よく解らない

 

しかも
国際便に乗ろうと
セキュリティチェックの窓口に並ぶのは
半分以上が若者
女の子は、ヘソを出し
男の子は、根っ子だけ黒いブロンドヘアー
IQ低そう
ほとんどがアベック

 

もちろん夫婦者でないことは
誰が見てもわかる

 

敬老の日に
国際便に群がる
ヘソ出しと黄色頭のアベックの大集団を見て
いささか考えてしまった

 

第2話 1日2回の昼食

 

名古屋からドイツまで、約11時間の飛行だ
そして
時差は、日本の方が7時間遅い

 

つまり
名古屋からドイツへ行く時は
朝10時に名古屋を出発
11時間かけてドイツに到着する
日本時間で言えば午前10時+11時間=午後9時
ところが
到着したドイツは
7時間の時差があるので
午後9時-7時間=午後2時

 

朝10時に出発して
11時間過ぎたのに
到着したドイツではまだ午後2時

 

1日が7時間伸びたような
と言うか
戻ったような勘定になる

 

24時間であるはずの1日が、31時間になったようなものだ
当然体のリズムが狂ってしまうので
機内では
おかしなリズム作りが行われる

 

まず、飛び立ってから2時間後に食事が出る
12時に出るのだから昼食
これをアルコールと一緒に、ゆっくりと食べて
食べ終わったら
“寝る”のだ
窓を閉めさせられて
機内を暗くしてしまう

 

そんな風にされると
寝なくてはいけないような気がして
何となく、みんな寝る
何時間か寝て
ドイツに到着の2時間前にもう一度食事が出る
つまりドイツ時間での昼12時だ

 

飛行機に乗って2時間後に
◎日本時間の昼12時に、1回目の昼飯を食べて
◎寝て
出来るだけ寝て
途中で間食が出て
到着の2時間前、今度は
◎ドイツ時間の昼12時に、2回目の昼食を食べる

 

1日に2回
両方の国での昼食を
睡眠を挟んで、食べて
時差による体のリズムの誤差をごまかしてしまう
これは面白い

 

しかし
私は、いつも窓から外を見たいばっかりなので
途中で窓を閉めさせられるのは
ツライ

 

暗くすれば寝れる
と言うものでもないし
1時間ほどウトウトしただけで
こっそりと窓をうすく開けて
やっぱり外の様子を覗いている

 

 

第3話 ビジネスクラス

 

前回もそうであったが、今回も
ビジネスクラスのシートに座っている
私一人だけ

 

今回のドイツ行きも
先の上海行きと同じメンバー
開発のMと、Dr.サンコン
2人はエコノミーシートに座らせて
自分ひとりだけビジネスシートである
不公平のようだが
もちろん
きちんとした理由があって、そうしている

 

去年のドイツ行きは
去年の「ニューヨーク連続テロ」の影響で
飛行機の席はガラガラであった
乗客は、全体の1/5も乗っていなくて
本当に
悲惨な状態であった

 

需要と供給の関係
買い手がいないと、値段は安くなる

 

この時の、エコノミーシート
名古屋⇔ドイツの往復料金は、旅行代理店渡しでわずか8万円であった
片道10000km
11時間以上のフライト往復で
8万円であった

 

今年のドイツ行き
需要と供給の関係
今回は
売り手市場であった

 

私達の渡独目的である
自動車用品見本市「アウトメカニカ」開催のせいもあるか?
この飛行機
満席!!である

 

エコノミーも、ビジネスも、ファーストクラスも
全部満席である

 

だから
今回のエコノミーシートの
名古屋⇔ドイツの往復料金は
前回の約3倍の、230,000円であった
ビジネスシートは、480,000円

 

両方ともブッタマゲルぐらい高い!
どっひゃーっ
びっくり仰天である

 

しかし
このビジネスクラス
シートの幅が広いのと
もう一つ、食事が違うだけで、25万円も違うのは
どうしても納得いかない

 

本気で、もうビジネスシートはやめようと思っている
足の都合で血行が悪く
エコノミー症候群になりやすいと思って
ビジネスにしていたが

 

今回でもういい

 

動ける時に、一生懸命動けば
大丈夫だろう

 

11時間で25万円の差額の価値は
こんなものにはない
幅の広いシートに座っているだけで
1時間当たり2万円以上の料金を、余分に取られているのかと思ったら
座っているだけで
だんだん、腹が立ってきた

 

食事だって
メニューが違うといっても
どっちにしたって、“美味くない”ことに違いはない

 

スッチュワーデスさんが
特に愛想良くしてくれるわけでもない

 

だいいち
ビジネスクラスのでっかいシートは
幅が広いだけではなくて
前後にも大きく
足が短い私には、非常に座りにくいのだ

 

しょうもない!

 

11600m上空からの空
この深い“蒼”は、飛行機に乗っている人たち皆に平等です。

 

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2002年09月16日(月曜日)

おまけAirbus.A340

今乗っている飛行機は
エアバスA340
世界一航続距離が長い飛行機だ

 

このエアバス社
非常に合理的な考え方で
実は、新規としては1機種しか飛行機を作っていない

 

最初作られたのが
A300
これがすべての基本で
あとの飛行機は、すべてここからの派生
エアバス社が新機種を作ったのは、このA300だけ

 

「A310」は
A300の胴体を短くして、軽い機体にし、
A300より長い航続距離を実現した機体、それが「A310」

 

「A320」
2通路のワイドボディーであるA300の胴体を
1通路のナローボディーにし
翼とエンジンを小さくして
搭載人数を減らし、ローカル向けにした
この機体は、フライバイワイヤという最新の操縦システムを持ち
従来の操縦桿の代わりにサイドスティックを採用
地味な存在ではあるが、革新的な発達をした

 

「A300SR-600」
A300の機体に、A320で開発されたフライバイワイヤを搭載した機体

 

「A321」
A320のナローボディーを延長して、客席数を増やし
エンジンをA320より強力なものにして、離陸最大重量を増やした

 

「A319」
A320のボディーを短くして、客席数を減らした機体
エンジンは320とほぼ同じ

 

「A330」
A300のワイドボディーを最大限延長した
キャパシティの大きな機体に
新開発の、強大な推力を持つターボファンジェットを2基搭載
比較的短い国際便
香港のキャセイパシフィック
タイ国、マレーシア、シンガポールなどが
日本便によく採用している

 

「A340」
今日乗っている機体
超長距離の国際線で使われる
A330同様、A300のボディを延長して
エンジンは、A321に積んでいるエンジンを4基搭載している
その超長距離飛行能力は、世界一である

 

このように
最初に、A300という飛行機を開発したあとは
その機体を、細くしたり、縮めたり、伸ばしたり
エンジンもその機体に合わせて開発し
2基積んだり、4基積んだり

 

エアバス社は
非常に効率的な飛行機の作り方をしている

 

世界の旅客機製造会社は
実質的に
アメリカの「ボーイング社」と
ヨーロッパ合同の「エアバス社」の
2社しか残っていない

 

激しい開発競争に、何十というメーカーが倒産し
吸収されて、とうとう2社になってしまった

 

これが1社独占になってしまったら
全く面白くないし
切磋琢磨がなくなって、ボーイング社
あるいは、エアバス社自体にもよくないのであろう

 

エアバスA340は
そのスマートで優美なボディと
4基のエンジンのバランスが何ともいい
「世界一美しい旅客機」と呼ばれるにふさわしい機体だ

 

着陸直前
長い主翼からフラップを出している

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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