2003年02月15日(土曜日)
643話 いつも“ながら族”
3日前、名古屋から神戸に向かう新幹線
切符を買った列車が入ってくるはずのホームの反対側に、間違って立ち
いろいろ考え“ながら”いて
自分の背中側に入ってきた列車に気がつかず
乗り遅れてしまった
・・・・・
2日前、山口県の新尾道駅で
パソコンのメールの送受信をやり“ながら”、今治行きのバスを待っていたら
バスに乗り損ねてしまった
おかげで、レンタカーで行く羽目になり
とんでもない出費になってしまった
つまり、新尾道でレンタカーを借りて、今治経由で松山まで行き
松山空港で“乗り捨て”をやると、乗り捨て料金だけで15,000円かかるのだ
レンタカー料金は6時間で5,000円で済むのに
乗り捨て料金だけで15,000円かかる
冗談じゃない!
しかし、わけを聴いて納得
尾道⇔今治の「しまなみ海道」の往復料金で10,000円以上かかるのだ
わずか往復100kmあまりの有料道路で10,000円以上!
莫大な建設費がかかっているだけある
だから
バスに乗っていれば、2,300円で済んだのに
レンタ料金と乗り捨て料金で合計21,000円なり(消費税込み)
パソコンをやり“ながら”が、18,700円の損害になった
しかも、バスで移動し“ながら”、キーパータイムスの原稿を書く予定が
レンタカーになったので、さすがに運転しながら原稿は書けず
その夜、帰ってきてから
編集長に追い込みを掛けられ、ヒーヒー言いながら書く羽目になった
私は、いつも“ながら族”である
何かをやり“ながら”、同時に他の何かをやっているか、考えている
これは癖だ
だから、忘れ物が非常に多い
それにうっかりも多く、損害が出ることもままある
今は、横浜から名古屋に新幹線で移動し“ながら”
これを書いている
他の乗客は、寝ているか漫画を読んでいる人が多い
たまにパソコン打っている人もいるが、まだ少数派
一緒のT部長はビジネス紙“ウェッジ”を熱中して読んでいる
私は、事務所で仕事をしていても
ひとつの事に集中することはまずない
“ながら”に、なってしまう
原稿を書きながら
他の仕事を片付けたり
出張の予定を立てながら
スタッフと打ち合わせをしたり
支払いの手形を切りながら
昼ごはんのコンビニ弁当を食べたり
会社の前の台湾料理屋で天津飯を食べながら
スタッフと打ち合わせをしたり
車の運転をしながら、セミナーの講演内容を考えたり
・・・・脳ミソが空中分解しそうになる
私は、昔からそうであった
独立当時、私はズゥ~ッと現場をやってきた
スタンドの現場から離れることをしなかったし、出来なかった
だから、給油をしながら、資金繰りを考えたり
オイル交換をしながら、販促キャンペーンのことや、仕入れのことを考えたり
業者さんとの打ち合わせをするときも
いつも現場の仕事をしながらであった
いっぺんに2つのことをする癖が
その頃に身に付いてしまったのかもしれない
私はそのことを、ものすごく得をしたと考えている
いっぺんに2つのことが出来るようになったのは
つまり、自分の人生に2倍の時間を持ったことと一緒
それだけでなく、もっと大切なことがある
販促のことを考えるには、収支や資金繰りのことを同時に考えなければならないし
加えて、スタッフのモチベーションをどうするのか
販促の結果、お客様に対する店のスタンスがどう変わるのか
色々なことを同時に考える必要がある
ひとつの事に集中し
他の事に気が回らないのでは、本当のマネージメントにはならない
同時にたくさんのことを
有機的に連動させながら考えていかなくては
どこかで片手落ちになってしまうのだ
“ながら”の習慣が身に付くと、そんな意味において非常に有効であった
給油をし“ながら”は、接客を伴うのでかなり高等技術
しかし、オイル交換をし“ながら”とか、洗車作業をし“ながら”は
比較的簡単で、私はむしろ好きであった
いつも、あれをやりながら、これを考え
これをしながら、それを片付けていく
社長業とは、究極の“ながら族”とも言える
特に創業時には、やらなければならない事がいっぱいあり
その瞬間の利益
つまり、現場の事を、わずらわしく思えてしまうものだ
どちらでも良い小さな事に思えてしまうのだ
しかし、結局
会社とは、その瞬間の利益の積み上げに支えられているもの
それをわずらわしく思えたときに、肝心なことが崩れていく
そんな時に役に立つのが
ふてぶてしいまでの“ながら”ぶり
それぐらいの“ながら”は
自分自身で克服できないと
経営者などというこの仕事、出来やしないのである
私は、今
これを書きながら
タバコを吸いながら
あくびをしながら
早く帰りたいなぁ~と思いながら
窓の外を流れる夜の景色を、チラッチラッと見ながら
店のことを考えながら
明日の予定を考えながら
仲間たちのことを色々考えながら
これを読んだら、人はどう思うかな、と思いながら
新幹線に揺られて移動している
こんな“ながら”は、いたって簡単である
逆に、人に話をしたり、人の話を聞いたりするときは
当然、集中する
そんなときの集中力も人一倍である
普段、“ながら”をやっているので、それがひとつに集中すると
パワーも倍化されるというわけだ
相手の目にグッと集中して話をし
ジッと相手の目を見ながら、集中して話を聞く
そんな時の目を、「怖い」と言われる時もある
イエイエ
睨んでいるわけではなく、集中しているだけなのです
もう一つ集中する時
わが元気の素、レースの時である
何もかも忘れて、頭を真っ白にして
集中し切る
最高のリフレッシュなのだ
あ~~走りタイッ!
走りタイッ!
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