2003年03月19日(水曜日)
667話 季節の変わり目
今頃の季節の出張は体調を崩すことが多い
名古屋にいる時は春先でちょうどいい季節なのだが
北の地方に行くとまだ冬で、氷点下になることも珍しくなく
そのまま南の地方に行くと
すっかりあったかくなっていて、汗ばむぐらい
季節の変わり目を渡り歩いているようなもので
体の温度適応が着いていけないことがある
風邪を引きやすい
だから
ちょっと暑いと思ったら、すぐ着ているコートや上着などを脱いだり
逆に、少しでも寒いと思ったら
我慢せずにすぐ何かを着ることにする
脱いだり着たりを頻繁にして、風邪を引かないように心がけるのだが
それでも訪問先によっては、そうもいかないこともある
今は、名古屋から福岡への飛行機の中
機内は少し暑い
上着を脱ごうかどうか迷っている
連休と春休みが近いせいか、子供連れとか学生のような感じの人達で
ほぼ満席状態
こんな状態が続き、飛行機の席を予約できないこともあって
スケジュール組みに困ることもある
昨日の夕方
すごい所から電話がかかってきた
ホシノレーシングの何とかというマネージャー
「ホシノレーシング」と言えば
かの星野和義が主催するレーシングチームだ
そして、星野和義といえば、日本レース界の草分けの一人であり
つい最近まで日本のトップドライバーとして
あまりにも有名な人である
実は、一週間ほど前
東京から名古屋に新幹線に乗ったとき
その「星野和義」が、通路を挟んで隣に座ったのだ
最初は気がつかなかった
それでも「どっかで見た人だなぁ」とは思ったが
私が持っていたイメージよりかなり歳をとっている
「違うかなぁ」などと思っているうちに、彼は寝てしまった
だから
私は彼と話しをしていない
ただ単に、ちょっと離れて座っていたのを見ただけなのだが
なぜか偶然にも、彼のチームから電話がかかってきたのだ
その前日には、「ホシノレーシング」から
チームのスポンサード依頼なるパンフレットが送られていたので
スポンサーになって欲しい、という電話であることは間違いなかった
「ホシノレーシング」は
「Fニッポン」という日本のトップカテゴリーのレースと
「スーパー耐久レース」という人気のある全日本シリーズのレースに
出場している
パンフレットの中には
メインスポンサー=3億円
ボディー横の一番大きな良い場所と、ボンネット、リアスボイラーなどに
社名、商品名のステッカーをデカデカと載せる
サブスポンサー=8000万円
ステッカーはかなり小さくなるが、それでもよく目立つ場所に
名前を入れることができる
協賛スポンサー=500万円
ドアの下の方に、15cm×20cmぐらいの
走っていたら絶対に判別不能の大きさのステッカーを貼る
言ってみれば「参加することに意義がある」型スポンサー
などなど、信じられないような金額が並んでいた
私達のような零細企業にとっては、およそ縁のない金額である
スポンサー全部合わせたら、何億のお金になるのだろう
気が遠くなる金額である
とは言うものの
実は
ホシノレーシングから売り込みをかけられたレースの一つ
「スーパー耐久レース」には
今年、半分自前のチーム
「チーム・キーパー・カワサキ」として
私達も1台出場することにしているのだ
九州のある運送屋さんのオーナーが
自分でレースカーを持って、自分で走っているチームがあり
サブ・ドライバーと資金を共同で出してくれる人を探していて
という話を
私達がいつも応援している
52歳のおっさんレーサー「テツ清水」が、その話を持ってきたのだ
車は「ホンダ・インテグラ」
クラスが「Nプラス」で、結構速いクラスである
車には、ステッカーを張り放題
どこに、何のステッカーを貼っていい
どんなカラーにしても良いという破格の話であった
(フルカラーのフルスポンサードの“よう”に見える)
ドライバーは、「テツ清水選手」と
わが社の広島営業所の「山本信」
両名がサブ・ドライバーとして、交代で5レースに出場する
これも破格の条件である
こんなんでは
スポンサードフィーが
さぞかし高いのであろうと思われるかもしれないが
とんでもない!
「ホシノレーシング」の一番安いスポンサーよりもかなり安い
やはり、トップを狙うチームと
彼らと一緒に走りたいという、言ってみればチームそのものが参加型の所では
その予算が2桁違うようだ
1桁ではない、2桁!である
ホシノレーシングからの電話は
私たちが出している自動車雑誌「べストドライバー」への
「快洗隊」の広告を見て当たりをつけてきただけで
何のツテもなく、資料を送りつけ、電話の売込みをかけてきたようだ
たいした営業努力である
だから、先日、新幹線で通路を挟んで星野和義と隣になったこととは
何の関係もない
たまたまの偶然だ
間違っても「これも何かの縁」なんて思ってしまうと
2桁違いのお金の世界に入ってしまい
私たちのような零細企業は吹っ飛んでしまうので
くれぐれも「ただの偶然」と、自分自身にしっかり言い聞かせる
(考えただけでも恐ろしい)
季節の変わり目
突拍子もないことが起きるもので
くわばら、くわばら
※ホシノレーシングのHPを見たら
「走りの守り神・ホシノクン人形」というのを1000円で売っていた
敬意を表して、これでも買っておこうか
福岡で一仕事した後
今晩は小郡に泊まり、明日の朝一でMINEに行く
“元気の素”を久しぶりに仕入れに行くのだ
ルンルンルン・・である
明日、私は平和である
世界中が、どうか平和でありますように
灼熱の砂漠でも、平和がかなえられますように
祈るばかりである
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