谷 好通コラム

2003年07月27日(日曜日)

764話 与え続ける人達

昨日行った福岡・那珂川の快洗隊で
驚くことがあった

 

3週間ほど前に
刈谷快洗隊に研修でやってきた、入ったばかりのアルバイトさんが
アイビー石油流の顧客大満足接客を
他のスタッフと同様にやっていた
彼が新人であることなどは、それを知っていなければ気がつかないであろう

 

アイビー石油では
ついこの間までド素人(失礼)だった人を、ほんの何週間程度で
日本一のアイビー接客の実行者にしてしまうのか

 

どのスタッフがベテランであって、そうでないのか
同じユニフォームを着ているとはいえ、見分けがつかない
みんな堂々としたものだ

 

おまけに、販促を投下した日であるというのに
馬場社長は、いない
熊本の本社の方に仕事があって、那珂川にはいないという
無責任か?
いや、決してそうではない
那珂川の所長、中村さんに対する全面的な信頼の表現なのであろう

 

私にそんなことが出来るか?
そこまでの信頼を、部下に持つことが出来るのか?

 

いや、そうではない
自分自身の、部下に対して教育する力を信じられるか
それだけの教育の行動を自分はしているか、どうか
部下に対する信頼とは
自分自身の部下に対する姿勢そのものに他ならない

 

私は、それだけをことをやっているかどうか?
負けた・・・
私には、それだけの自信がない
しかし、アイビー石油の教育の秘密を垣間見るような話を
その日のうちに聞くことが出来た

 

 

昼過ぎには、福岡の那珂川店を発って
長崎の島原に向かった
大宰府のインターから九州道にのぼり、諫早インターで降りる
そこから島原まで一般道を三十数キロ
淡々と走って約1時間
有明の海を左に見ながら目的地に着いた

 

株式会社ボスコ
湯江、瑞穂、島原と三つのガソリンスタンドを経営している会社で
その非常に優秀な経営には定評がある
長崎県の石油組合の洗車キャンペーンでは
都市部のなみいる強豪をも出し抜いて
いつも、トップをボスコさんの3SSが独占するほど

 

“ボスコ”とは、スウェーデン語か何かで(聞いたことがあるが忘れてしまった)
“森”という意味
すなわち、この会社の社長は“森さん”
日本語で訳してカタカナにすると、この会社、“株式会社モリ”ということになる
そして、私の会社の本体である創業時の会社が“株式会社タニ”という
意味で言えば
私の会社と同じで
私としては、非常に親しみを感じるのだ (^・^)

 

ボスコさんの自慢のこの3つの店舗
アイビー石油さんの店舗と同じ空気が流れている

 

店舗に一歩踏み入れると
「こんにちは」「いらっしゃいませ」
顔を合わせたスタッフが、必ず、“笑顔”で、挨拶をしてくれる
作った笑顔ではない!
親しみと、歓迎とが、気持ちの底から染み出している本物の笑顔だ
心からの感謝の気持ちから出てくる本物の笑顔
これをやられたら
お客様はみんな、イチコロである
必ず幸せになって、この店のファンになってしまう

 

アイビー石油の店のそれとまったく同じなのだ
まったく同じものがそこにある

 

お客様に対して、「来てくれた」と歓迎し
感謝の笑顔と挨拶
感謝の気持ちを、お客様に与え続ける

 

自分たちの提供する商品、サービスを受けてくれたという感謝の言葉
「ありがとうございました」は、誰でも言う
しかし、それが本物であるかどうかは
その前に
お客様が「来てくれた」ことに対する感謝・歓迎が本物であるかどうかで決まる
お客様は、それを敏感に感じ取るものなのだ

 

人は、心から感謝・歓迎されることに最高の幸せを感じるという
すなわち
ここのスタッフは、お客様に対して“幸せ”を与え続けていることになる
アイビー石油でもそうであった
これぞ接客の極みである

 

ではどうしたら、店の隅々にまで
そんな“感謝”の気持ちを行き渡らせる事が出来るのか

 

経営者が
経営者自身が
お客様に対して、感謝の気持ちを持ち続け
お客様に対して、商品・サービスの提供を通じて
それと共に、“幸せ”を与え続ける
そんなことを、目先にとらわれずに、続けられるかどうか
そして
自分の会社のスタッフに対して
それを教え続けることが出来るかどうか

 

また、それらすべてのことを通じて
大きなgiveこそが、大きなtake、つまり収益を得ることであるように
会社としての大きな業績を作り出すことによって
会社全体
経営者も含めてスタッフの一人残らずにまで
その成果を与えられるかどうか

 

そのキーポイントは
経営者、あるいは上司が、部下に対して教え続けること
この会社、ボスコさんは
社長、また、その奥様の専務さんが
スタッフの方にいつも、話し続けている
いつも、感謝の気持ちを語り続けているし、その感謝のわけを語り続けている
本当にいつもだ
そして、自分たちがまだまだ未熟であることを
学ぶべきものが多くあることを
語り続けて、教え続けている
お客様に幸せを与えることが出来る力を、スタッフに与え続けている

 

その森さんが、こんなことをおっしゃっていた
「アイビーさんの馬場社長はすごい!
社員さんから相談事を電話でしてこられると
必ず馬場さんは
『おまえなら、どうするや?』って言うんですよ。
私なら、さっさと答えを言っておしまいなんですが、
馬場社長は、まず『おまえなら、どうするや?』なんですよね
答えを言ってしまう方が簡単なんでしょうけど
それでは、その人自身の“力”にならない
面倒でも、『おまえなら、どうするや?』と言って
いちいち相手が納得するまで、話しをするんですよ。
一つ一つのことを、全部、社員教育にしてしまうのです。
あれには参りました。
馬場社長は本当にすごい人ですよ」

 

本物の力を持っている人は
自分のことを「まだまだ」と言う

 

ボスコさんの社員教育は、どこにも負けない素晴らしい力を持っている
それは誰もが認めるところだ
なのに
いや、だから
平気で自分のことをダメだと言ってしまうし
見習わなくては、もっと学ぶべきだと言えてしまう
そして、必然的にもっともっと力をつけていくことになる

 

逆に、力の少ない人は
自分のことを実際よりも力があるように見せなければならないのか
すぐに自分のことを宣伝したり自慢したがる
自己主張が先にたつので、学ぶことが出来ず
本物の力を持っている人との差が、どんどん開いていってしまう
そして、与え続けることは、力が無いと出来ない

 

これは一つの方程式のようなものだ

 

 

そのボスコさんが
本社がある湯江のガソリンスタンドを大改装する機会に
半分をスタンドと切り離して、本格的な快洗隊をやっていただける
という話をいただいた

 

ありがたい
しかし、またもや重大な責任を感じる
気を引き締めて、真剣に掛かっていかねばならない

 

左から、ボスコの森専務、森社長
そして私とボスコさんの“縁”を作っていただいたダイフクユニックスの“森”所長
(血縁関係ではなく、たまたま、同じ森さんなのだそうだ)

 

 

10月半ばには、キャノピーの掛かっていない向こう半分が
存在感あふれる“快洗隊”になる
ワクワクワクワクワクなのだ

 

 

今日の新規オープンの快洗隊
両方とも前日の同じく10万円ぐらいの実績であったと言う
オープンとしては上々
いよいよ本物か?

 

知立店は、20万円ぐらい
しかし、6件もの板金の制約があったらしい
かなりの貯金を仕込んだようだ

 

刈谷店は、平月新記録の洗車売上げ46万円!
今日は神戸の北神店「?神戸快洗隊」の阪田社長が
体験研修として“コントローラー”をやったそうだ
よりによって、記録の日にコントローラーとは、阪田女史の必死さが目に浮かぶ
いい経験をしただろう

 

 

今日は久しぶりに完全休暇の日にした
一切の仕事をしない

 

ただ、野次馬として
ほぼ完成した安城店を見に行った
あくまでも野次馬としてであって、仕事としてではない

 

安城店は、直営店3軒目だけあって
さすがに完成度が高い
2軒目の知立店と同じ程度の設備投資で
はるかに存在があり、使いやすい店に出来上がっている
知立店建設での学習が、見事に生かされている

 

 

たまたま一人で開店準備をしていたH.オサムが自慢げに
大迫力のテントの下で

 

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2003年07月27日(日曜日)

763話 2軒のオープン

昨日、ある方から、ちょっとショッキングな話を聞いた
(今、午前1時日付が変わってしまったので正確には一昨日)
ある外食チェーン店の話で
5年ほど前の全盛期には、直営店とチェーン店を50店舗以上有していたが
そこから増えるどころか
徐々に衰退して、今では33店舗に減り
今では、全面撤退に向かって進んでいるという

 

その方の言うには
外食のチェーン店事業を
ある有名な経営コンサルタント会社に依頼して、全国展開を始めたのだが
そのコンサルタント会社が功を焦るばかりに
多店舗展開のペースを急ぎ
立地条件などを無視し
自らも出展を急ぎ
また、チェーン店候補があれば、ほぼ無条件にその権利を売ってしまったという
だから
明らかに立地が悪い場所に開店した店においては
当然のように不採算であり
裁判沙汰になっているチェーン店すらあるという
11軒あった直営店も、今では6軒になっている

 

(そのコンサルティング会社には、私も過去に、
仕事を依頼したことがあり、その時の事は思い出したくないことの一つである)

 

その後、経営的にもうまく行かなくなり
資金繰りに詰まっていたのであろうか
直営店の中でも一番の売上げがあり、看板店になっている優良店を
会社は売却しまった、つまり換金してしまったという
今後も売れそうな店
逆を言えば、立地条件が良くて
商売としても採算が取れていた優良店が
どんどん売りに出されるという

 

勤務しているスタッフとしては、これは、たまったものではない
一生懸命がんばって利益を出しても
資金繰りのために、良い店から売却の対象になってしまう

 

がんばって良い店にすればするほど
売却の条件を良くするだけで
その店に自分たちの夢を見ることは許されないのだ

 

その外食チェーンは、私もその看板を見たことがある中堅どころで
てっきり繁盛していると思っていた
立派なその店舗は、建設費として5千万円から1億円かかり
その他に、厨房設備とか
研修費、入会金だとかで、まだずいぶん費用がかかるのであろう

 

そして
ランニング状態になってからは
本部からの食材の売上げに対する比率、つまり原価率は約40%で
ロイヤリティーが別途10%

 

莫大な設備投資をした上に
過重なロイヤリティーと、本部から供給される高い食材

 

ざっとの計算で
月売上げ800万円やって
しかも労働分配率30%程度の効率を上げないとペイできないという
それで、実際に上がっている売上げは
1店平均で600万円程度という
つまりほとんどの店が赤字ということ

 

それでも契約上、ロイヤリティーは払い続けなければならない
高い食材も買い続けなければならない
その上、設備投資の借金でもあれば
チェーン店にとってはまさに地獄であろう

 

それでも、チェーン店本部だけには確実に収入が入ってくる

 

このフランチャイズチェーンがどうであるかは知らないが
本部だけが儲かる仕組みの
そんな詐欺まがいのフランチャイズが多いこと
そしてそれが、いくら有名な、大きなチェーンであったとしても
仕組みとして、そんなものが蔓延していることを
世の中の事実として受け止めなければならないし、注意しなければならない

 

 

私たちの快洗隊も、チェーン店さんを持っている
そして今、また
新たに直営店を増やしていくと共に、チェーン店さんも増えていく

 

誤解を恐れず言えば

 

私達は、チェーン店さんからの入会金とか、ロイヤリティーとか
材料費による利益を、ほとんどアテにしていない
入会金とか研修費は
企画段階でのプラン提出での何回かの往復、手間、人件費
長い本部研修と、現地での研修、オープン支援などで
すべて吹っ飛んでしまうどころか
確実に赤字である(威張って言うことではないが)

 

会費は一定額であり、たぶん平均で、売上げの3%ぐらいに当たる
しかし、そのすべてを雑誌広告などに充ててしまっている
材料費も、普通のSSさんと同じようにキーパーなどを買っていただいているだけ
正直言って
快洗隊のチェーン店をやっていても、あるいは増やしていっても
そのこと自体による本部の利益はまったく出ない
良くてトントンである

 

では、なぜチェーン店の1次募集に続けて
2次募集までを始めたのか
そして、直営店をどんどん増やすことも決意したのか

 

「日本に新しい洗車文化を作る」

 

本気でそう思っている

 

新しい洗車文化
高品質な洗車、磨き、コーティングを
気軽に買うことが出来る
そんな店舗が、日本国中に出来たら
“とても喜んでくれる人”が
何万人、何十万人、何百万人、ひょっとしたら何千万人も
いるかもしれない
いや、絶対にいる筈だと確信している

 

そして
そんな新しい洗車文化を作り出していくところに
きっと、もっと新しいビジネスチャンスがあるに違いないとも、思っている
想像以上の大きなチャンスがあるに違いないと

 

多くの人に対して大きな喜びを与えるのだから(大きなgive)
それに匹敵するビジネスチャンスがあるのは当たり前(大きなtake)
giveが先に来て、takeが後からついてくるのだから
そのgiveを確実に作り上げること
takeは、その後で考えればいい

 

チェーン店展開に伴う利益のためだけのチェーン展開
一方的なtake
つまり、目先の利益には興味がない
初期利益とロイヤリティー目当てのビジネスを作ろうとしているのではないから
それは一時募集の時からの一貫したスタンス

 

今、考えるべきことは
確実に高品質な洗車商品を提供できる
新しい業態の店舗を、一軒、一軒、確実に作り上げていくこと

 

そのためには
自らも全力を尽くし、新しい投資をして店舗を作り上げていく

 

また、チェーン店さんにおいては
“立地的”に満足できるものであって
十分な運営力
一定の基準を満たす設備をご用意いただけること
そしてなにより
新しい洗車文化に対してご理解いただけること
そんなことを厳密にさせていただいた上で
損得抜きの“仲間”として、お迎えしたいと思っている

 

そんな方達と共に
真剣に、確実に、新しい洗車ビジネスを創って行き
大きな「新しい洗車文化」を創り上げていきたい
そこに
大きなビジネスチャンスが、必ずある
そして、それを多くの仲間たちと共に、分かち合って行きたい

 

きれい事に聞こえるかもしれないが
そのきれい事にこそ大きな力がある
そんな風にも思っている

 

本気でそう思っている。

 

昨日、時を同じくして「松山」と「福岡・那珂川」にオープンした
2軒の快洗隊チェーン店さん

梅雨明けもあって
一日にぎわった
不思議と2軒とも、まったく同じような展開で
両方とも、二十数台の来店で、10万円前後の洗車売上げ
オープンといっても
まったく既成の認知のない業態の店舗に
たった10%引きのインセンティブで
これだけ来てくれたのは
快洗隊のオープンとして上々なのです

 

快洗隊「知立店」が、4ヶ月前にオープンした時も
この数字とまったく同じ
不思議とまったく同じような結果であった
同じ手法でオープニングをやったからなのか、どうなのか
愛知県知立市と、愛媛県松山市と、福岡県那珂川と
同じような結果になったことは
ただの偶然とは思えない興味深いものであった

 

ちなみに、オープン4ヶ月後の今日の快洗隊「知立店」
本日は
洗車売上げ22万円
車検・板金の売上げが64万円・粗利約20万円で
合計42万円の粗利でした
(もうひとつちなみに、刈谷店は33万円で知立店の白星!)

 

快洗隊のオープニングは
ガソリンスタンドのオープンのように
オープン即ドッカンの大ラッシュにはならないのです。

 

一台一台に対して
確実に、高品質な洗車商品を提供し続け
一人一人のお客様に対して
真心込めた接客を、じっくりと続けることによって
ぐっぐっぐっぐっーっと伸びてくるのです。

 

 

明日は、今日あったもう一つのいい話を書きます。
おたのしみに

 

今回の出張ドキュメント
※{パンと私}

 

?25日、給料日と面接と、来客の仕事が終わったのが昼過ぎ
{パンをかじりながら}空港へ
午後3時30分の飛行機に乗って松山へ
乗るのは、大好きな中日本エアーラインの“フォッかー50”

 

?松山に着いたのが、午後5時ぐらい

 

 

?早速、松山の快洗隊「くるびか君」へ

 

 

?集中して“見て”“喋って”“動き回って”
夜8時の高速船で広島へ
妙な揺れ方をする船の中で{パンをかじる}

 

 

ヨセバいいのに、同行の池本部長とホテルで楽しく酒を飲んで
朝6時半の早起きがつらい
朝飯を食べ損ねた

 

?26日、広島から博多へ新幹線
電車の中で{380円のパンのような鯖寿司を食う}
うっかり、また、新幹線にメガネを忘れる
池本部長に新幹線の車庫まで取りに行ってもらい恐縮

 

?昼まで那珂川店、うろうろしながら
こそっと、締め切りギリギリで写真を電送(キーパータイムス用)

 

?昼から長崎の島原へ車を飛ばす
時間がなかったので、走る車の中で{パンをかじる}
大切な、しかも、ありがたい話をいただき(明日、また書きます)
午後5時過ぎ長崎空港に向かう

 

?飛行機の時間まで余裕たっぷりかと思ったが
結構ギリギリに空港に着き
空港の売店で{パンをかじる}

 

 

夜9時ごろ、やっと名古屋に着く
やっとゆっくりと“ご飯”にありつけた。幸せである。

 

梅雨明け宣言の出た名古屋、夜景がいつになく素晴らしく
おまけに、空から花火大会まで見ることができてしまった

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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