2003年07月30日(水曜日)
765話 十年たったら?
約二十年前、私は独立して会社を作った
そのとき思ったこと
「今は不安なことばかりだけど
十年経ったら、きっと落ち着いて、楽になっている
そうなったら、チョッとゆっくりしよう
それまで、とにかくがんばらなくては」
それから十年経った時
つまり、今から十年前
私たちの会社が
ガソリンスタンドだけの商売から、洗車のビジネスに
本格的に足を突っ込み
それがある程度の成功をしたのち、いろいろな縁があって
全国展開を始めた年だ
ゆっくりどころか
そこから、本格的なドタバタが始まった
私の会社は、10年かかってやっと2倍の商売になって
そのあとの10年で今度はその10倍になった
たくさんの縁と、たくさんの人達のおかげと、みんなのおかげだ
今思うと
ちょうど10年前、つまり、商売を始めて10年後が
飛躍のきっかけの時代であった
十年一昔と言うが、10年前ははるか大昔であり
10年の間に
本社も3回引越ししており
何十人もの人が入社し、やめて行った人もずいぶんいた
約10年を迎えた対照的な2人がいる
「ファブリカ」を主催する?CICの谷口社長
22歳で、一軒の中古車販売として独立し
現在32歳か33歳か?
いずれにしても、約10年
中古車販売、車検、鈑金と手広く商売を広げ
今では
“インターネット鈑金オークションチェーン”「ファブリカ」を立ち上げ
タレントの“ビビアン・スー”を使ったTVコマーシャルを
東海3県で流し、急成長を果たしている
現在、監査法人を入れて
株式の店頭公開を目指している
谷口社長
「私の趣味は決算書です。」と言い放ち
独自の経営論を展開する
時代の最先端を走る男の一人である
よく喋ること天下一品
話しをすることが仕事であるような私が
彼の喋りの前では、しばし沈黙になってしまう
大きな桁の話が次から次へと飛び交う
彼の会社は、まさしく“株式店頭公開”を果たすのかもしれない
時代の寵児の一人であろう
彼がこれから10年後
どうなっているか
ひょっとしたら
私など口も利けないほどの、雲の上の人になっているかもしれない
それとも、そうでないかもしれない
もう一人
今日会った人、倉田君
約10年前に、神奈川県で1軒のガソリンスタンドで独立した
愛知県のガソリンスタンドに勤めていた彼は
自分のふるさとに近い神奈川県で
独立することを強く希望し、私も微力ながらお手伝いをして
また、色々な縁あって
神奈川県において念願を果たした
(私は彼の会社?倉田コーポレーションの株主でもある !(^^)! )
私が彼の会社を訪問したのは、今までに多分5回ぐらいであろう
10年間にであるから
せいぜい2年に一回しか訪問していない
いわば、ほったらかし状態
倉田君が、彼の判断だけで、すべて彼の責任の元において
会社をずっと経営してきた
10年前に独立したときは1軒のガソリンスタンド
そして、今もそのまま、1軒のガソリンスタンドのままである
10年の間に
スタンドの設備も10年分きっちり古くなり
キャノピーの雨漏りが悩みの種であると言う
10年の間に
彼も、彼の奥さんも10年分ちゃんと歳をとった
その10年間、彼は決して休まない
1年365日のうち
お正月の2日と、お盆の1日だけが彼の休日であり
一日開店時間中15時間、ほぼ店に出ている
つまり、1年362日×15時間プラスα
彼はずっと働き続けている
もともと有能な男であり
店の運営に長けており、しっかり黒字経営を続けている
所得も、一般のサラリーマン平均よりはかなり多い
倍近いであろう
しかし、たった100坪足らずの古いガソリンスタンド
このままでは大きな発展は、望めない
10年後、彼も、彼の店もまったく変わっていない
時代に取り残されたように
いや、地元のお客様に密着しきり
“時代の変化に打ち勝って”
10年前とまったく変わらず、元気に店にいた
そして
“元気に働く彼も、一緒に働く彼の奥さんも、そしてみんなも、幸せそうであった”
時代の最先端を突っ走り
急成長を目指し、たくさんの社員に支持されながら
一緒に戦っていく「谷口社長」
自分のカラーを出し切り、地元の人に支持されて
変わらずに、一生懸命働いて
幸せそうに見える「倉田社長」
2人とも幸せに見えた
この2人の幸せに、優劣などない
人はよりよい人生を送るために一生懸命働く
みんなの幸せのために働く
そのことに一分の優劣の差などない
人生のスタイルが違うだけである
その倉田君も
10年を迎え、何か心に秘めたものがあるのかもしれない
ここからの飛躍があるのかもしれない
ないのかもしれない
しかし、それがどちらであっても、やはり優劣の差などないのだ
みんなが幸せであることが出来れば
それが一番
それが仕事の目的であり、それ以上でも、それ以下でもない
神奈川での午後の仕事が思ったより早く終わったので
突然、倉田君の店に行ってみた
明るい倉田君と、奥さんと、スタッフの皆さんを見て
「良かった。」と思った
10年前に、彼がチャンスを持つきっかけを作ったことが、彼らを不幸にしたのなら
こんな悲しいことはない
逆に
今日のように、明るい顔を見せてくれると、ホントに良かったと思う
あと10年経ったら、彼と彼の会社はどうなっているのだろう
ひょっとしたら・・・・・
楽しみである。
私が商売を始めた20年前
その10年後、ゆっくりするはずだったのに
そこから、全国に出て行き
その後の10年は、初めの10年より、はるかに激しい10年になった
今から10年後
この会社はどうなっているだろうか
私はどうなっているのだろうか
?元気だろうか
?まだ、性懲りもなくデシャバッテ働いているのだろうか
?それともボケているのだろうか
?それとも、嬉々として遊びまわっているだろうか
(?だけは何とか避けたい。これは私も、社員全員も共通の願いであろう)
そして、29歳の若者が
とてつもなく大きなチャンスを持って
今年の2月、会社を興して、最初の10年に向かって出発した
あさって、いよいよ?快洗隊直営の3店目「安城店」のオープンである
もう一人
約10年前に、独立し広告代理店?グリット!を興した吉田君
この10年、なかなか安全操業から抜け出してこなかったが
やっと、10年前の事務所を引き払って
8月3日、4倍以上の広さの事務所に引越しをするという
ヤドカリが成長するためにどんどん大きな殻に変えていくように
殻を4倍にしたら
10年どころか
1年であっという間に
会社も4倍以上になってしまうことを
必ず、彼は経験するであろう
これは“予言”である
ウソだと思ったら、賭けるか?吉田クンよ。
もうすぐ、神戸と、大府かそれともどこであるか
2人の、おばさん(自称・白雪姫)と若おじさんが、新しい出発をする
10年後、みんなどうなっているんだろう
みんなみんな幸せになっていてくれると、とてもうれしいが
ホントにうれしいが・・・
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