谷 好通コラム

2004年02月03日(火曜日)

884話 社員食堂での宴

昨日、大変楽しい事があった

 

大好きなT氏と久し振りにお会いしたのだ
そして飲んだ

 

T氏がお勤めの会社の社員食堂で飲んで
いっぱいご馳走していただいた

 

私と、東京・鶴見と、管理部・池本
T氏と、F氏

 

なぜ、私たちがT氏にご馳走になるのか
商売的には全く意味は無い
これは商売抜きなのだ
だから社員食堂なのだ
これが最高なのだ
TさんとFさんは、日本でも代表的な巨大企業の部長クラスの方

 

T氏とずいぶん前、多分7.8年ぐらい前、静岡の洗車セミナーでお会いして
何がどうなったのか記憶がないが、意気投合し
仕事の面でもお付き合いが始まった

 

しょっちゅうお会いしていたわけではない
多分3回とか、4回ぐらい
私は、その方にお会いする事が大好きで
お会いしたときには、安い酒場に飲みに行って
いっぱい話を聞き、いっぱい話しをしたことがある

 

私は酒を飲んで、楽しく仕事の話をするのは好きだが
飲んで相手との商談をまとめるとか
何か買ってもらおうと計算をしながら飲むのは、ものすごく苦手で、ほぼ100%しない
無理してそんなことをすると
大抵の場合その商談は壊れる(^_^;)
私は酒を飲んでベンチャラを言えるほど器用ではない
接待でお酒を飲みに行くことはまずない

 

T氏と飲むのは、面白いし、楽しいし
たくさんのことを教えてくれるから

 

ある時
4年ぐらい前か
その巨大会社の支店が入っている超立派なビルの中の社員クラブで
ご馳走になった事がある
周りは、その会社の社員さんばかり
最初は緊張したが
酒が一杯入れば、もうどおってことない
そこがどういう所であるかなどお構い無しに、お互いにしゃべりまくった
たくさんのアルコールと料理をご馳走になった

 

この人のスペシャルドリンクが怖い
“焼酎の生レモン漬け”
あるいは“生レモンの焼酎割り”と言うか
何ともどう言って良いのか分からないのだが
まず
グラスに生レモンスライスを5枚ほどグラスに突っ込む
そして、角氷を2・3個
その上から焼酎を並々と注いで、もちろん水は無し
上から氷を割り箸で突付いて、レモンを絞りだす
早い話が、無茶苦茶たくさんレモンスライスを入れた焼酎ロック
ほぼ焼酎100%
当然アルコール度は高い
メチャ高い

 

ここからがすごい
レモンの汁が溶け込んだほぼ100%の焼酎を飲み干すと
またレモンを5枚ほど押し込んで、氷を2個
そして、グラスのふちギリギリまで、たっぷり焼酎を注いで
割り箸でグリグリと押さえ込んで、出来上がり
なんか、どんどん濃くなっていくような気がする

 

なのに
これがまた飲みやすいのだ
おいしい!何杯でも飲める
アルコールを飲んでいるという実感がないのだ
(これは昨日かなり酔っ払ってからとったもの、ボケている)

 

 

あの時は、一体何倍飲んだであろう
T氏いわくでは
私は15杯!飲んだそうだ
・・・・全く記憶がない
酔っ払って、気持ち悪くはならない
最高に上機嫌になる
ただ、記憶が飛んでしまって
なんと2軒目にまで飲みに行ったらしい

 

その日は、どうしても名古屋に帰らなくてはならなかった
次の日の朝、本社への来客の予定があったから

 

2軒目まで飲みに行ったら
帰りの終電車に間に合うわけがない

 

T氏は、終電車の時間が近づくたびに
8時半で~す。
9時で~す。
9時半で~す。
とカウントダウンをしてくれるのだが

 

T氏の話が面白くて、つい話し込んでしまい
そして、当然、記憶が飛んでしまっているくらい酔っ払っているので
カウントダウンしてくれたって
とても帰れるものではない
やはりアウトであった

 

上機嫌の酔っ払いである私を
ほぼ同じぐらい飲んでいるはずのT氏は
終電に間に合わなくなったのを、ずいぶん喜んで
ホテルの手配をしてくれたりして面倒を見てくれた

T氏スペシャルドリンクの罠に見事にはまった私を
T氏は、うれしそうに
「これで明日まで飲めますよ」と喜んでくれた

 

その頃には、完全に記憶が飛んだ私は
それ以降のことを全く覚えていない
100%忘れてしまった
しかし
次の朝5時起きで、6時過ぎの始発の新幹線に乗って帰ってきたときの
辛さは良く憶えている

 

 

昨日、久し振りにお会いしたT氏は、全く変わっていなかった
その風貌も、しゃべり方も
ものすごく懐かしく思った
しかし、役職はずいぶん上がって、すっかり雲の上の人になっていた

 

「いや~~すごいですね」とご挨拶をして
まずビール

 

場所は、やはり社員食堂
しかし今度は本社ビルの社員食堂

 

私は、この時点では“T氏スペシャルドリンク”のことを忘れていた
ビールを飲んでいる間は
まだ、きちんとした社会人として、決して礼を失することなど無い

 

そして、ビールを飲み終わってから
T氏がおもむろに作り始めた「“あの”T氏スペシャルドリンク」
焼酎のレモン漬け、あるいはレモンスライスの焼酎割り

 

それを作りながらT氏は
「憶えていますか~?」と、以前私が飲み潰れた時の事を話し始めた
最初は、何のことだか分からなかったが
だんだん記憶が蘇ってきて
スペシャルドリンクを飲んだ瞬間には
すべてのことを思い出した

 

あ~~~っこの味
これ飲んで、気持ち良く潰れたんだ
やばいんだよな~~これっ

 

しかし、飲み口の良さは相変わらずで
実にウマい

 

しかし、私にも学習能力というものがあるのだ
慎重に飲んで
1時間で、わずか3杯(4杯?)
しかし、話は弾む

 

その辺から、ちょっと酔いが回り、緊張感が溶けてきて
ピッチが速くなった

 

「もう空になった」と、スペシャルドリンクを自分から請求し始める始末
自分でも「やばいなぁ~」と思い始めた

あっという間に10杯飲んでしまった

 

T氏の話を聞いていると
夢中になって、あっという間に時間も経ってしまうが
焼酎も飲んでしまう
不思議な人である
100%の人である

 

その巨大企業の中では奇なる人材であって
その破天荒な言動は
Tさんの所属している会社の競合の会社(商敵)の幹部に
「T氏を部長にした○○○という会社は、侮れない存在である」と言わしめたほど

 

巨大企業の多くでは減点主義がはびこり
社員の間では「ことなかれ主義」が蔓延する傾向がある

 

T氏は“ことなかれ主義”とは正反対、対極にある人で
自分の信念で動ける人
ことなかれ主義とは全く縁のない人
しかし、ただそれだけではなく、非常に能力の高い人

 

そういう人を、会社の幹部に据えるこの巨大企業
さすがに、懐の深い会社である

 

この会社の社員食堂
夜9時まで営業の、思いっきり安く飲めて、清潔広々の居酒屋さん
東京の最も高い土地のうちの一つの上にある
その名もズバリ
「社員食堂」と書いてあった

 

この会社の底力、計り知れないものがある

 

T氏の魅力
私の元気の素であるレースと同じように
私の元気の素の一つである

 

 

Tさん、ご馳走様でした
元気の素をいっぱいいただいてありがとうございました。

 

 

私はTさんのキャラに負けまいと「子犬のネクタイ」をしていったのだが
この日のTさんは「子ウサギのネクタイ」であった
負けた。

 

 

社員食堂の閉店時間は9時
2軒目に行こうと誘っていただいたが
意志の弱い私は
しかし池本管理部長にたしなめられ
仕方なく、後ろ髪を引かれる思いで、Tさん達とお別れして
酔っ払いながら、無事に最終の新幹線で名古屋に帰ったのでした。

 

T氏たちは、あれからもう一軒飲みに行ったそうだ

 

ああ、俺も2軒目行きたかったなぁ

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2004年02月03日(火曜日)

883話 土曜日と日曜日

1月31日土曜日
ある洗車屋さんのチェーン店を見学してきた
とても繁盛している店として評判だったので
いつか見に行きたいと思っていた

 

1軒目に到着したのは昼過ぎ
午前中はパラパラと雨があったのだが
午後からは晴れ上がって、店はそこそこ繁盛していた

 

最初の店舗は約250坪
門型のノンブラシ洗車機が2台正面にあって
セルフでの洗車屋さんである
スタッフは1名

 

2軒目は400坪
3軒目は350坪ぐらい
いずれも余裕のあるレイアウトで、立地も素晴らしかった
ノンブラシ洗車機が3台で、スタッフは2名

 

2軒目に見に行った400坪の店では、若いスタッフに聞いた
私「1台当たりの平均単価はどれぐらいなんですか?」
答「1000円ぐらいですね。」
私「今日は、何台くらい来場がありそうですか?」
答「今日は、午前中に雨が降ったので80台ぐらい
ほんとに忙しい時は、ずらっと行列が出来て120台ぐらい行く時もあります。」
私「じゃあ、平日は50台ぐらいですか?」
答「イヤ-、20~30台ぐらいですよ。平日は暇です。」

 

この答から単純計算するとひと月の売上は
土日平均100台×1,000円=100,000円、100,000円×8日=800,000円
平日は多めに見て
平均30台×1,000円=25,000円、25,000円×22日=550,000円

 

年中無休で、一日も雨が降らなくて
合計800,000円+550,000円=1,350,000円

 

この他にスプレー式のコイン洗車機が2台あって
スタッフの方の話では、この売上は当てにならない程度ということだが
スプレー式の方は24時間営業なので
多く見て、こちらは400,000円/月ぐらいか

 

そうすると、平月MAXで1,750,000円

 

それでも雨が全く降らないことは考えられないので
多く見ても、その80%とするのが妥当であろう
そうすると
平月1,400,000円ぐらいか

 

セルフのノンブラシ門型洗車機を通ったお客様は
店舗の周囲にめぐらされている“タッチアップスペース”で自分の車を触り始め
私たちがそこにいた1時間あまり
同じ車が、いつまでもその場所を占領していた
忙しそうに見えたその店舗
セルフ洗車のお客様特有の“長居”で、実際以上に繁盛しているように見えた

 

この店舗を、チェーン店にいくらで提供するのか聞いてみた

 

初期費用 5百万円
建設費用 2千万円内外
(本部が建てた場合。
チェーン店側が施工の場合は1百万円の設計料)

 

ノンブラシ門型洗車機は1台8百万円から1千万円
250坪の店で2台
400坪と350坪の店で3台あった
これに加えてスプレー式のコイン洗車機あるので
大きい店では
機械設備で、少なく見積もって2千8百万円
高くなると、3千2百円ぐらいであろう

 

総額 5千3百万円~5千7百万円

 

そして、毎月15万円のロイヤリティ

 

店舗の造りは、壁がテントで、屋根はほとんどない
トイレは建設現場用、休憩室は8畳程度のコンテナハウス
グランドは、洗車機の下以外は全部アスファルト
私の浅い知識で考えると7百万円~1千万円ぐらいの施工費で十分

 

洗車機は、いくらなんでも・・・・

 

 

こう考えると
本部側は1軒のチェーン店開発で
千万単位のかなり大きな粗利益が出ると思えた

 

これは暴利をむさぼる悪徳FCか?

 

営業の方に伺った
私「営業には何に一番苦労されますか?」
答「物件探し、土地探しに一番苦労します。それがほとんどだと言ってもいいです。」

 

私「このFCが持っている一番のノウハウはどんなものなのですか?」
答「繁盛する立地ノウハウです。」

 

なるほどと思った

 

店舗の土地探しには本当に苦労する

 

直営店を増やそうと決心して
知立店、安城店の土地を探したとき
探し始めてから知立で約1年半、安城で2年かかった
その間、2号店、3号店のためのスタッフをすでに入れてしまっていたので
1年半以上3店舗分のスタッフで
刈谷店を運営した
1年半~2年完全に過剰人数のスタッフで刈谷店は運営されていたのだ
軽く1千万円以上は余分に経費を使ったことになる
それでも刈谷店は黒字経営であったのだから
刈谷店はその意味でも、すごい店である

 

店舗建設用地など、すぐ見つかると思った私の判断ミスである

 

土地は今や買い手市場のように思えるが
それは買取りの場合であって
賃貸しでの用地確保は、想像以上に困難な仕事なのだ
商売に適し、なおかつ“賃貸”の土地は
本当になかなか無いのだ

 

?快洗隊4軒目の直営店用地探しも、難航を極め、見通しすら立っていない
社長の畠中も参っている
千葉の新会社も同様で、1軒目の土地探しで苦悩の日々が続いている
彼らは独立してから早3ヶ月
収益を上げるべき店舗がないまま、時間が過ぎてしまっているのだ

 

このFCの営業マン達は
土地探しに毎日奔走し、立地にあった土地が見つかり契約に漕ぎつけたら
チェーン店が1軒出来たと同然なのだろう
しかし、何ヶ月もかかるに違いない
その経費は膨大なものであろう

 

そういう意味においては、このFC
1軒で千万単位の利益があって、初めて収益性の高い経営が成り立つのであろう
言ってみれば
建築条件付の物件のようなものである

 

チェーン店候補側としては
立地について熟知したスタッフが土地を探してきてくれて
契約する寸前までに用意され
店舗設計から、施工までお任せでOK
機械設備も、手配から据え付けまでやってくれる
スタッフも募集してくれて
教育してくれる
そしてオープンの宣伝広告まで
チェーン店側は、何もしなくても、事がすべて進んでいくのだ
上げ膳据え膳状態

 

そして、店舗は基本的にセルフ
“乗っかったまま”で、一つの事業がスタートし、ランニング状態に入るわけである

 

しかも、その費用は、ほとんどすべて建設とか設備機器の費用に変えて取るので
リースとか、借り入れにはしやすい

 

これはこれで、理にかなった商売
不当なまでに大きな利益を稼いでいる詐欺まがいの悪徳ではない

 

しかし、そこから問題なのは提供しているビジネス自体
それが不採算な物では話にならない
う~~~ん、そこが問題なのだ
その辺がどうなのか
私には、若い子から聞いた断片的な情報しかないので
確かなことは分からない

 

もう一つ、この店の設備が
すべて基礎の無い構造になっていて
つまり、構築物にはなっていず
土地に対する権利が、駐車場並みにしてあることによって
地代が、相場よりもかなり安く抑えられているであろう手法は
面白い方法であると感心した。
これなら建設費もかなり安く出来る

 

ただ、すべての店舗が絶好調の真っ黒・黒字ではないことは想像できる

 

平均単価が1,000円/台でしかないところに
袋小路があるように思えた
キーパーやればいいのに
そうすれば何もかも一挙に解決するのに

 

私にはそう思えた

 

洗車を、その文字のごとく、「車を洗う事」と勘違いしていることが
この店舗作りの限界である
私にはそんな風にも思えた

 

快洗隊の強みがどこにあるのか
分かってもらえないであろうことも
良くあることとして
理解できた

 

 

2月1日・日曜日
土曜日に一緒に大阪まで行った千葉の新会社のT社長と
本社にて
新しい販路について話し合った
そして、トレセンで色々と実験も面白い時間であった
私の塗装の見方と
鈑金塗装を極めた人の塗装の見方と
かなり違うことが判ったことも面白かった

 

アクアキーパー用の「アクアポリッシュ」
ドイツSONAXの「スーパーポリッシュ」と同種の新タイプ研磨剤で
このたび、ダイムラークライスラー(ベンツ)の「マイバッハ」用の研磨剤として
唯一指定された超・優れものなのだ

 

そのアクアポリッシュを
Tさんは「いけるんじゃないですか」と
何度も何度もつぶやきながら
熱心に研磨を繰り返していた
ダブルアクションポリッシャーで、そしてシングルアクションポリッシャーで

 

夕方、そのTさんを送って名古屋駅まで
その途中で
快洗隊・カルム大鳥居店に、ちょっと寄ってみた
Tさんに見せたかったから

 

カルム大鳥居店はホントにすごい店だ
130坪くらい、猫の額ほどの面積の店舗で(ごめんなさい)
セルフで500Klのガソリンを販売しながら(値段は結構高かった)
たった2台分の洗車スペースで、12月は270万円の洗車売上げ
他にもオイルとかを結構やっている
狭い店舗の超繁盛店
立地もすごいが、経営者として姿勢が作り出したホントにすごい店
一つの究極の姿を作り出している

 

昨日見た
繁盛はしているが、なかなか難しい面も持っていると思えたあの店たちに比べて
カムイ大鳥居店は
とても健全な店舗に見えて仕方なかった

 

この店、長屋石油さんが経営している
その店長が、私を見つけてとても嬉しそうにしてくれて
忙しい中を、一生懸命話してくれた事が
最高に嬉しかった
(実は、涙が出るほど嬉しかった)

 

快洗隊やっていて、本当に良かった
そんなことを思った先週の土曜日と、日曜日の出来事でした。

 

この話は、2月2日、東京からの帰りの新幹線の中で書いている
東京では、とびっきりの事があったのです。
その話は、また、明日

 

(また、日付が変わってしまいました。)

 

明日の話の主役
ピントがボケてしまっているし
何のことだか分からないでしょうが

 

 

もう一つ
アクアキーパーの店内用ポスターのデザイン
第一稿が出来上がってきた

 

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