谷 好通コラム

2004年02月10日(火曜日)

889話 朝からビックリ仰天

今日の朝、びっくり仰天する事があった

 

四国、伊予西条駅の前にあるビジネスホテル
早めの朝食を済まして
ホテルを出ようとしたところ、どこかで見た事がある人がいた
他人の空似かな?
そう思いつつ、つい、その人をじっと見てしまっていたら
その人も、こちらをじっと見た

 

気が付いたのは同時
その人とは
モービルクリーンベースの“黒木裕二さん”であった

 

お互いにビックリして
「イヤー、ご無沙汰しています。奇遇ですねー・・・」

 

2年前、幕張のオートアフターサービスのショーでお会いしたが
その時はほんの二言三言交わしただけ
ショー以外で間近に顔を合わせたのは10年以上ぶりのことである

 

まさか、こんなところでばったりとお会いできるとは
こんなところとは四国の人に失礼であるが
ここは人口四万人の小さな街、西条市
そのまた、ちっぽけなビジネスホテルに一緒に泊まっていたとは

 

これは何かの巡り合わせかもしれない

 

久し振りにいただいた名刺によると
黒木さんは、モービルクリーンベースの専務取締役になっていた

 

私は、西条市にこれから建設する新しい快洗隊の地鎮祭に出席のために
この地を訪れていた
建設されるのは、横井社長率いる「車楽」さん
この西条市でコーティングとかウィンドフィルムの施工の店を
立派に経営していらっしゃる方

 

その横井さんに黒木さんをご紹介しようと思ったら
勉強熱心の横井さんは
すでに、よく知っておられた様子で
「あれ~~ッ、黒木さんじゃありませんか」と
ホテルの狭い食堂で、再会を喜ぶ大勢の輪が出来てしまった

 

ゆっくりとお話をしたかったのだが
私たちは地鎮祭の用意の時間があったので、まもなくホテルを出て
建設予定地に向かった

 

西条市は人口約四万人であってマーケット的には万全とは言えないが
前面道路の様子
交通量
視認性
周囲の住宅密度と種類
いずれをとっても
今度の快洗隊の建設予定地は最高の立地である

 

総面積約170坪
奥行きは約10メートルで
間口は、なんと約50メートル!

 

 

どんなレイアウトになっているかは
少し出来上がってきてから報告しよう

 

“車楽”とは、横井さんがかなり昔に自分の店につけた名前で
関東などでよく見る「車の買取りのチェーン」とは何の関係もない

 

横井さんの勉強熱心さは並みではない
幅広い人脈を持っており、その中でも有名な熱心振りである
今回の快洗隊のレイアウトを決めるだけでも、何日かけたであろう
地鎮祭前の現地で早速図面を広げて
最後のレイアウト打ち合わせをした

 

その時
先ほどの黒木さん一行の乗った車が止まって
皆さん降りてこられた

 

早速記念写真

 

左から2人目が黒木裕二氏、私、車楽の横井さん、安藤さん、スタッフの方

 

 

しばらく話に花が咲いた
「洗車に新しい地位を与えたい」と黒木氏
言葉の表現は違っても、全く同感である

 

黒木さんたちは、新しい機械を使うための研修に来られたそうだ
私たちで言う導入講習か

 

私がモービルクリーンベースで、洗車とか磨きのことを学んでから
もう15年以上になる
私のディプロマ(卒業証書)は?7
今では何千人もの卒業生があるであろうモービルクリーンベースが
創世記の頃のことであった
今では全く別の道を歩いているが、洗車を愛する気持ちに変わりはない
私も黒木氏も歳をとった
しかし、きっと高木代表の不思議な魅力は今も変わらないのであろう

 

まもなく地鎮祭が始まる時間
黒木氏たちも、自分の目的地に急ぐ
私たちは、地鎮祭のためのテントの中に入る

 

すごく丁寧に神事を進める神主さん
いい地鎮祭であった

 

 

地鎮祭が終わったら
大急ぎで移動
伊予西条から電車で松山に
松山駅では、また次の快洗隊の候補地を見るために浜田さんが迎えに来てくれた

 

時間が無く大変申し訳なかったが
わずか5分で切り上げて、後は酒部に任せる

 

松山空港に直行して
ギリギリで滑り込み、午後1時発の福岡便に乗る
この便は、私の大好きな双発プロペラ機「サーブ52B?」
3列シート12列の36人乗り
路線便としては最小の飛行機の部類に入る

 

 

たいていの人は、乗る飛行機は大きければ大きいほど安心だというが
私は逆だ
小さければ小さいほど、楽しいし、いくら揺れても怖くない
なぜ?といわれても困るが
・・・
とにかく、小さいほうが楽しいのだ

 

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2004年02月10日(火曜日)

888話 付加価値と価格

「物の価格は、その物が持っている付加価値で決まる」
イヤイヤ、なかなかそう単純なものではないようだ

 

その人の価値観の問題で
価値があると解かっていても
あるいは利益を生むものであると解かっていても
その原価を考えると、はやり高いと思ってしまう物もあれば
逆に
原価などは安いことは分かっていても
なぜか信じられないほど高い価格が通用してしまっている場合もある

 

いわゆる“ブランド物”などはその典型であろう
シャネル、ルイ・ビィトン、カルティエ、ローレックス、・・・・・
私はブランド物に全く興味がないので
名前がこれ以上出てこない

 

多分、同じ原価がかかった普通の物より
ブランド物たちは10倍以上の価格がついているのではないだろうか

 

もちろん、優秀なデザイナーを使っていて
デザインが素晴らしいものであったり
品質管理がしっかりしていたり
造りがしっかりしていて丈夫であったり
それなりの付加価値があって
色々なメリットがあるのかもしれないが
それにしても、あのビニール製バッグが
十万円も二十万円もするのは異常であると感じる

 

 

私は機械物は好きだ
全部で7本ぐらいの時計を持っている
ほとんど比較的安いクォーツ時計ばかりだが
中に一本だけ、機械式の時計で三十万円ぐらいもした時計もある
これはずいぶん前に
何かの記念に買った物で
秒針が、チッチッチッチッチッチッと細かく動く奴だ
機械式のクロノグラフ
ローレックスとか、そんな有名なものではない
ムーブメントメーカーとして知っている人しか知らないメーカー
一般に言うブランド物ではない

 

これを買った最初は喜んではめていたが
何せ機械式
だいいち重い!
それに、全く正確ではない
いつの間にかジワ~~っと進んでしまう
気が付くと5分も10分も進んでいる
一応自動巻きだが、一日はめていないとゼンマイがなくなって“止まる”
私にとっては
時計の機能として、全くダメなものだ

 

私にとっては
恐ろしく小さな歯車などが複雑に組み合わさって出来ているムーブメンドが
忙しく動いていて、せっせと時を刻んでいるのを思うと楽しくなってくる
というのだけの時計である
それでも
時計としての機能は安物時計よりずっと劣っていて
不便であり、そのうち使わなくなってしまった
売ってしまおうとも思ったが
売っても、買った値段の1/2にもならない
バカバカしくなって、そのままタンスの中にしまったまま
タンスの中でジッと止まっている
この時計については、「あ~損した」が結論

 

いつも使っているのは
日本製のクォーツ時計
セイコーでもないシチズンでもない
私も憶えていない名前の
ちっぽけな工場で、家内工業的に作られているものらしい
値段は7万円

 

この時計はすごく気に入っていて、よくはめている
盤面に4つの小さな文字盤があって
ものすごくたくさんの機能がついている複雑時計である
しかし、説明書を全く読んでいないので、たくさんの機能の使い方は知らない
知っているのは
右上のボタンを押すと
鐘の音で時刻を知らせる機能があることだけ

 

たとえば4時33分ならば
「チーン・チーン・チーン・チーン。。。チチーン・チチーン。。。チン・チン・チン 」と鳴る
小さく、柔らかい音で鳴る

 

最初の「チーン」が時刻
チーン1つで1時間だ

 

次の「チチーン」は15分
チチーン1つで15分。2つで30分だ

 

最後の「チン」は1分
チンで1分。チンチンチンで3分だ
時間のチーンより幾分か低い音で鳴る

 

目の不自由な人が重宝して使うものらしい

 

「チーン。。。チチーン・チチーン・チチーン。。。チン・チン・チン・チン・チン・チン」
これで1時51分

 

この鐘で時を知らせる時計は大昔からのもので
その由来が面白い

 

大昔、中世のフランス
フランス革命の頃だ

 

王室に出入りしていて
“マリーアントワネット”に贔屓にされていた“プレゲ”という時計職人がいた
腕のいい職人で
その頃プレゲが作った時計はいずれも豪華絢爛
今でも優れた芸術作品として残っている

 

しかし、フランス革命の時
マリーアントワネットは捕らえられ、暗い牢獄に幽閉された
ほんの少しだけしか日が差し込まない牢獄では
昼なのか夜なのかがやっと分かる程の暗さ

 

そんなマリーアントワネットを気の毒に思った時計職人プレゲは
マリーアントワネットのために
針も見えない暗い所でも
時刻が分かる時計を考案したのだった
それが
このやさしい鐘の音の時計である

 

「プレゲ」は、今では超高級時計のメーカーとして繁栄している

 

この機能を持ったプレケ゜の複雑時計は何百万円もする高級品だ
ひょっとしたら一千万円以上
ブランド物を通り越して、芸術品として扱われているものだそうだ

 

私のは7万円

 

実際にプレゲの複雑時計の
「チーン・チーン。。チチーン。。チン・チン・チン」の鐘の音は
(2時18分)
聞いたことがないので
何とも言えないが(当たり前)

 

私の7万円の日本家内工業製でも
「チーン・チーン・チーン・チーン。。チチーン。。チン・チン・チン・チン・チン」は
(4時20分)
暗い牢獄の中でやさしく時を知らせる鐘の音を
一人楽しむマリーアントワネットの姿を思い浮かべさせてくれる
とてもいい時計なのです。

 

ただ、この時計には欠点がある
機構が複雑なので
この時計を買った時計屋さんが言うことには
「絶対に自分で時間を合わせないように。必ずここに持ってきてください。
勝手に分針・時針を動かすと“壊れます。”」と

 

海外に行ったときに、うっかりこの時計をはめていくと
時差を合わせる事が出来ず
いちいち、時差を頭の中で計算しなければならないこと

 

もう1つ、防水が強くないことで濡らせない事
本社にいる時は、このチンチン時計が愛用である

 

出張に行くときは
バンドがポリマーの丈夫で軽い時計
当然、クォーツの正確な奴である
白いシンプルなデザインで盤面で時刻が見やすく、実用的で気に入っている
値段は書くまでもない
ブランド物とは縁遠いもの

 

遊びに行くときは
耐水性がしっかりしているスイス軍用の時計
赤い十字がトレードマークの、何とか言う多目的ナイフで有名なメーカーで
1つ、1万数千円
軍用の時計なので高いわけがない
これを2種類、2つ持っている。

 

付加価値とは、その人がそれぞれ持っているもので
その人の価値観によって大きく変わる

 

しかし
いずれにしても
良いものであっても
市場的に付加価値が高いものであっても
その価格があまりにも高いものは
数は絶対に出ない

 

数が出ないから、余計に希少価値が出るものかもしれないが
多くの人を幸せにするものではないことは確かだ

 

青い色の発光ダイオードを発明した研究員が
会社から2億円の報酬を貰う権利があるとの判決があった

 

上記のブランド物の話とは関係ないが
色々なことを考えさせられた

 

付加価値が高いからといって
あまりにも多くの報酬を得ることになると、普及という意味では
重い足かせになることも確かだ

 

パテント料は高過ぎると、その発明自体を台無しにしてしまうこともある。
そんなことを深刻に考えさせられた

 

今日は昼まで本社にいて
昼から新幹線で小倉まで、その後、岡山まで戻って
今は四国・伊予西条に向かって「特急しおかぜ」に乗っている
西条では酒部と鈴置が待っている
到着予定は午後10時12分
「チーン・チーン・チーン・チーン・チーン・チーン・チーン・チーン・チーン・チーン・。。。
チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン・チン」である
この時計は夜遅くなると、かなり数が鳴って
よく数えていないと分からなくなる

 

今日は出張なので
チンチン時計はしていない
無愛想な、頑丈でシンプルな奴である

 

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