谷 好通コラム

2004年02月20日(金曜日)

895話 逆転の発想にて

今日は、東京での快洗隊候補地の見学
関東での運営会社のスタッフが用意してくれていた、とっておきの四物件
いずれも、すぐにでも快洗隊を開きたいと思わせる良い物件であった

 

四物件ともいいが、特にその中の三つの物件は
今まで出てきた物件の中では
ナンバー1からナンバー3を占める上物であった
少なからず感動した

 

そのうちの一件の物件を紹介してくれた不動産屋のTさん
この人から面白い話を聞いた

 

「私の会社は、もともとは食品卸の会社でした。
特に“アイスクリーム”を街のお菓子屋さんに卸してました。

 

昔は、あちらこちらの街角にお菓子屋さんがあって
菓子バンとか駄菓子を売っていたのですが
そこにアイスクリームを入れる冷凍のアイスボックスを置かせてもらい
アイスクリームを卸して売ってもらうのが私たちの商売

 

ところが
街に「スーパーマーケット」と「コンビニエンスストア」がどんどん出てきて
街角のちっぽけな菓子屋さんが次々に廃業を始めた
私たちのお客さんが、すごい勢いで減ってきたわけです

 

菓子屋さんが廃業した跡地が
今度は自転車屋になったり、あるいは住宅になったり
私たちのお客さんが廃業するたびに、私たちはお客を失い
かわりに不動産屋が来て
次の商売の人を連れてくる

 

そこで考えたのは
菓子屋さんが廃業することは
新しい商売、あるいは住宅が出来るという商売がそこに発生するという事でもある
このままでは
私たちは商売の種を失うだけだと
だったら考え方を変えないと、私たち自身も消えていくことになってしまいます。
・・・・・
お菓子屋さんが廃業の意思を持ったことを
一番先に知るのは、自分たち
だったら
その情報を活かして
次の商売の人に紹介すれば
1つの商売が自分たちの商売として発生するではないか
つまりそんなことで、私たちは不動産屋さんも始めたということです
これが私の会社に不動産事業部が出来た理由です。」

 

 

これはいい!
まさしく逆転の発想で
自分たちの窮地を、「しょうがない」と諦めたりせずに
逆に新しい商売につなげたということだ
私は、こんな話が大好きである

 

話は続く
「アイスクリームを卸していたお菓子屋さんが廃業した大きな要因が
コンビニと、スーパーマーケットならば
今度はそのコンビニとスーパーマーケットにアイスクリームを卸さなければ
当然のように、一生懸命セールスを掛けたのです。

 

しかし、スーパーもコンビニも本部があって
そこに売り込まなければ、どこにも入らない。
同業の競争相手も、必死で本部に売り込みにやってくる。
しかし、自分たちが扱っている商品、アイスクリームは工場が作ったもの
競争相手に差をつけられるものではない
結局は卸価格の競争で「安いところから買うよ」になってしまうわけです。

 

そこで考えたのが
もうすでにやっていた不動産部門
そのスーパーやコンビニのために用地確保をやって
この功績で、アイスクリームを納品に成功したのです。
値段だけじゃなくて、相手に貢献することで
自分の元々の商売に結び付けたのです。
食品卸の会社が、不動産事業を始めて食品卸の商売にも大いに役に立っている。」

 

Tさんは胸を張って、そうおっしゃっていた
なかなか、いい話で、ものすごく納得してしまったのです

 

 

午後から、超大手損害保険の研修センターにお邪魔した
東京営業所でのワンデースクールがいつも満員で
狭い営業所で大変ご迷惑をおかけしているので
この研修センターの設備を
ワンデースクールに使用させていただきたいと、見学に来た

 

この設備は、想像していた以上に立派なもので
講義室は
私たちの営業所の100倍ぐらい立派で感動もの

 

 

インストラクターはすべて自前であると言う

 

 

宿泊施設も充実している
部屋は、すべて一人部屋
私が今日泊まった安いホテルよりはるかに良い部屋であった

 

 

実技の施設もすごい

 

 

損害保険会社が、整備、鈑金などの本格的な技術研修をやっている
しかも実費に近い
いや、たぶん実費より安い費用でこんなことをやっている
なぜ?
前出のアイスクリームの会社が
不動産部門で店舗開発にスーパーマーケットなどに貢献し
アイスクリームの卸しを獲得してきたのと似ているのかもしれない
いずれにしても、この研修上の存在は
私にカルチャーショックを与えてくれた

 

今日最後に見た物件、441坪
文句なしの土地であった
やっと宝物に出会ったって感じ
何とか契約にこぎつけたいが、こればかりは相手のあることで
どうなるか解からない
土地とはそういうものだ

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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