2004年03月02日(火曜日)
903話 トンボと猫友達
トンボは元気か?
もちろん大元気である
たぶん10歳
ますます大きくなってきていて
たぶん体重30kgにはなっているだろう
トンボは“アフリカケヅメリクガメ”
80歳まで生きて、大きいものは80kgにまでなるという
まだまだ子供だ
アフリカ生まれの陸ガメなので冬の、寒さにはいたって弱く
2年ほど前までは寒くなってくると
遠赤外の暖房が入った小屋の中に閉じこもって、滅多に出てこなかったものだが
体が大きくなってくると
保温力が増すのだろうか
真冬の時でもエサと排便に小屋から出てきて、しばらく遊んでいる
では、トンボのドアップ写真を一発
そんなトンボに友達が出来た
猫である
前にも一度、猫が住み着いた事があるが
トンボと仲良くなったわけでもなく
じきにいなくなってしまった
今度の猫は、どこかで飼われた事がある猫なのであろう
人が近づいても、逃げるどころか、ゴロニャンと擦り寄ってくる
かわいいのだ
ただ単に「チビ」と呼んでいる
ここに住み着いてからもう何ヶ月も経つ
カメのトンボはこの「チビ」が好きで、好きで、好きでしょうがない
チビが外の運動場で「にゃ~ん」と鳴いていると
そそくさと出てきて
ちょっかいを出す
「ちび」もトンボが嫌いではない、たぶん好きなのであろう
近寄ってきても嫌がらずリラックスしている
だけど、トンボの体重は30kgもある
トンボが「チビ大好き」と擦り寄っていって、そのまま乗り上げてしまう事があるのだ
トンボは自分が重い、それも、かなり重いということを知らない
自分の何十倍もの体重に乗りかかって来られ
下敷きになっているチビを目撃した者がいる
「やっちゃったー」と思ったらしいが
猫のチビは、何もなかったかのようにトンボの腹の下から出てきてホッとしたそうだ
あれから、懲りたのか
トンボに乗りかかれそうになると
チビは、上手にスルリと身をかわす
チビに振られたトンボは訳が分からず、また、擦り寄っていく
スルリとチビが身をかわす
チビも逃げてしまえば良さそうなものを
また、トンボの近くで澄ましている
これを何度も何度も繰り返し
ハタで見ていると、まるで追いかけっこをして遊んでいるように見える
トンボはかなり“しつこい”
しつこい人を“爬虫類的”という事があるが
カメもたしかに爬虫類
しつこいわけである
リクガメと猫の友情、などと擬人化するつもりは毛頭ないが
種類が全く違った生き物が
ひとつの場所で、自分から仲良くやっている姿は
心が休まる思いである
カメにも、猫にも自分の意志が在るし、感情もある
その昔、最初のアパートに住んでいた時
部屋の前の駐車場に勝手に小さな小屋を作って
勝手に「ニワトリ」を飼っていた事がある
そのニワトリが良くなついて、人について回り
下手をすると部屋の中にまで上がりこんできて、遊んだこともあった
遊ぶと、ニワトリが喜んでいるのが解かった
あんなちっぽけな頭の中の脳みそでも、感情があるものなんだなぁと
ものすごく感心した事があった
あのニワトリは
散歩中に野良猫にやられて死んだ
チョッと悲しかった
「鳥インフルエンザで20万羽のニワトリを処分」と新聞に載っている
5羽ずつビニール袋に入れて二酸化炭素を充填して窒息死させる
どのニワトリも、あのニワトリと同じように
小さいながらも感情を持っている生き物だということを思い出すと
気持ちが重い
北朝鮮での政治犯収容所で
人が、物のように扱われ
無念と失望のうちに、たくさんの人が毎日死んでいることをニュースで知ると
また気が重くなってくる
トンボとチビの平和
長く続いてくれるといいなぁ、と思うのです。
人間も、もっと素直になれば
みんな仲良くなれるのにね。
※しつこいトンボも遊び飽きて小屋に戻っていく。
「もう、帰っちゃうの?」と
チビが寂しそうにトンボを見送る
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