2004年07月10日(土曜日)
989話 万が一“好”“通”
今日は北陸へ行った。
本当は、飛行機で行くつもりであったが、
今日の名古屋は朝からバリバリと雷が鳴り、稲妻が空を走っている。
雷雲がここまで空を覆っていると、
さすがに北陸行きのプロペラ機には乗る気にはならなかった。
プロペラ機は小さいからという訳ではなくて、プロペラ機は高度が低いので、
雷雲の中をまともに飛ぶ事があって、
そんな時には、激しく揺れて、毎月十回以上飛行機に乗る私でも
さすがにたじろぐのだ。
朝。空の様子を見て、すぐに航空会社にキャンセルを入れた。
車で行くことにする。
朝、車で名古屋を出たときには、土砂降り
特に一宮のあたりでは、時速80kmも出せないほど、
バケツをひっくり返したような雨というのは、こんなのを言うのであろう。
珍しい光景ではあったが、
一生懸命ハンドルを握るのに精一杯で写真も撮れなかった。
土砂降りは米原から北陸道に入るまで続き、
敦賀のあたりまで強い雨がふる。
それから先も雨は降っているが、それでも普通の雨で、以降は楽に走れた。
北陸では、新しいスタンスの洗車屋の実現を進める打ち合せ。
オープンまであとひと月余りだ。
8月から9月にかけて、また新しい快洗隊のオープンラッシュがやってくる。
その中には上海での本格的快洗隊のオープンも含まれている。
灼熱の真夏・8月9月。
大変な夏になりそうである。
そんな大変な8月に、私はノコノコ北海道まで出かけて
24時間レースをやることになっている。
そんなことやっとってイイのかしら。とは、
本人も重々承知だが・・・まっ何とかなるものなのだ。
その8月には、もう一つ“私にとっての”ビックイベントがある。
実は・・・・・
私の娘に子供が生まれる。(つまり、私に孫が出来るのだ。)
予定日は、8月の4日
初めての子供は予定日より遅れる事が多いというので、
ひょっとしたら、私が十勝でレースを走っている時8月7.8日に生まれるかもしれない。
今日の仕事が終わってから、その北陸に嫁いでいる娘に会った。
そのとき、私は娘に言った。
「娘よ。我が娘よ。
万が一、私がレースで命を落とすような事があって、
私が死んだすぐあとに、お腹の子供が産まれたら、
それは“私の生まれ変わり”だ。
だから、その時は、名前に“好”か“通”を一文字入れなければならない。」
と言ったら。
「そりゃ出来んよ。だってもう名前決まってるもん。
だんな様がもう決めちゃったモンね~」
私は言った。
「“万が一”って言ッとるだろ。“万が一”って。
“万が一”なんだから、
“そうね”って言っとけばイイじゃん。
どうせ、“万が一”があったら、その時は俺もう死んどるンだから。
今だけでも“そうね”って言っとけば別にイイじゃん。」
娘
「ハハハハッ、ダメダメ、子供の名前はだんな様がつけるって決めてんだから。
万が一でもダメなの。ハハハハハッ。」
・・・・・・
可愛くない奴である。
父親が父親だけあって、その娘も可愛く無さに磨きがかかっている。
私は、この娘の亭主に限りない感謝をしている。
こんな娘をもらってくれて
しかも養ってくれて、
なんと、幸せにまでしてくれている。
おまけに子供を授かって、もう、これ以上のことはない。
「ありがとう」よりもっと大きな気持ちを表す言葉が思い浮かばず、
かえって何も言えなかった。
何年か前の生死を賭けた手術の事がウソのような、
幸福を待つだけの二人であった。
北陸からの帰り
山に雲が大きく被り、その風景が私の気持ちを神妙にしてくれた。
Posted パーマリンク