谷 好通コラム

2004年08月01日(日曜日)

新しい友達チビチビ

今日は、スーパー耐久参戦記に
「さぁ、いよいよ十勝」と題して、今度のレースの資料を少し載せました。
資料といっても、なかなか面白いですよ。
後ででも、ぜひご覧になってやってください。
http://www.sensya.com/st_nikki/index.html

 

 

・・・・・・・・・・
ずいぶん以前だが、
会社に棲んでいるトンボ(アフリカケヅメリクガメ)の友達に猫がいて、
名前は「チビ」であった。

 

トンボはチビが大好きで、
いつもチビのあとを追っていた。
チビはチビで、トンボの事がまんざらではなくて、追われても喜んで遊んでいた。

 

過去形で書くのは、
チビは、ある日突然いなくなってしまったのだ。
つい道路に出てしまったようで、
近所の人が交通事故に遭った猫が、離れた道路で死んでいたと言っていた。
チビのようであったとも。

 

仕方が無いといえば仕方が無い。
猫は縛っておくわけにも、家に閉じ込めておくわけにもいかない。
特にチビは野良猫出身なので、閉じ込められることは絶対に厭なはずだ。
車が怖いことを生きて知った猫は生き残るが、
車が怖いことを死んで判る場合もある。そういうことなのだろう。

 

チビがまだいるころから、
トンボの棲家の隣の建築資材置き場に、二ャー親子がいた。
ニャーは、小さい時に栄養不良だったようで体がずいぶん小さい猫であったが、
それでもちゃんと成熟していたようで、5匹の子供を連れていた。
あの小さな体で、
よく5匹もの子供を育てたものだ。
毛並みは良くなく、中途半端に黒色で、
良く言えばセピア、悪く言うと・・ボサボサの黒い毛玉であった。
警戒心が強く、トンボの棲家の中に入ってきても
私達が現れるとサッと逃げる。
動物をこよなく愛するがゆえのいい人が
この小さすぎるお母さんのおっぱいが出るようにと
栄養の応援にエサを根気良く上げたので、
ずいぶん近くまで来るようになったそうだが、
子供が少し大きくなってきたら、あまりトンボのところに来なくなった。

 

チビがいなくなって
ほんのチョッとの間、トンボは一人であった。

 

ところが、
今度はビックリするような小さい子猫が突然トンボの棲家に現れた。
多分、誰かが放り込んで行ったのだろう。
生まれて、そんなには経っていない。
しかも、ガリガリであった。

 

別に猫を飼いたいと思っているわけではないだろうが、
しかし、たまたま巡り会ってしまった小さすぎる命を、
懸命に生きようとしているのに、放っておくわけには、やはり行かない。

 

この懸命に生きようとする命
ものすごい勢いでミルクを飲み、
まだ無理であるように思える固形物までガツガツと食べる。

 

はじめて現れてから数週間、
今では、お腹だけが異様にでっかいチビ猫になっている。
名前は「チビチビ」というそうだ。

 

ネーミングのセンスは私には理解できないが、(^_^;)
「チビチビ」は今日も元気である。

 

まだ、トンボの友達とまでは言えないが、
そのうちトンボがちょっかいを出し始めるに違いない。
そうなったらトンボの新しい友達の出来上がりである。

 

猫のチビチビ
目ヤニが少しついているが、
これでもちょこちょこと取ってやっているらしい。

 

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2004年08月01日(日曜日)

998話 痛み解決特効法

毎日、色々な人とお会いして、
その度に真剣になる。
真剣になるので、そう簡単には譲ることのない議論になることもある。
そんな時の集中力は半端ではない。

 

昨日、歯を1本抜いてもらった。

 

以前から歯根部に小さな病巣があって、
疲れたりすると少しうずく歯が1本あった。
それが腫れてきたのだ。
そのまま薬で落ち着いてしまうかもしれないとも思ったが、
十勝の耐久レースを間近に控えていたので、念のために歯医者さんに行った。
何年か前にインプラントを入れていただいた守山区の堀田歯科さんだ。
私はその日の朝10時より大切なミーティングを控えていたので、
朝一番9時の予約である。
“チョッと見ていただく”程度のつもりで堀田歯科さんに行ったのだが、
堀田先生は私の患部を見て
「これはもう抜かなきゃいかんな」と言う。

 

えっ!抜く?・・・心の準備がないっ。

 

とっさに、私は
「いや、先生、今日はすぐに遠くに行かなければいけないものですから、時間が・・」
と、訳のわからない言い訳を口走る。
と、先生
「どれぐらいに出ればいい?」

「15分ぐらいには出ないと・・」
先生
「ああ、大丈夫。15分もかからんよ。ハハハッ」

「はぁ・・・」
先生
「シンマとって!」
シンマとは、歯茎に注射する麻酔のこと。
先生が「シンマ!」と看護婦さんに言うと、オペが始まる合図だ。

 

抜くのは左上の犬歯。
犬歯!である。根の深い犬歯である!

 

私が心の準備をするまでもなく、とっととシンマが私の歯茎に注射された。
最新の麻酔注射は針が極端に細くて、刺されても気が着かないほど痛くない
しかし針が細いからなのか、かなり時間をかけて注射される。
堀田先生は私の歯茎に注射をしながら、
患部がどうなっているのか、どうして抜かなければならないのか、
説明してくれる。
キチンと説明してくれると、不思議なほど自分が安心してくるのがわかる。

 

抜歯が始まる。
ゴリゴリゴリ・・何をどうやっているのか解からないが、
「もう、終わるからね」
「よしっ、取れた。」
「あとは、悪いお肉を掃除してと。」
「よし、よし、よし」
「最後に洗って、おしまいっと」

 

その間わずか3分ぐらいか、
あっという間に処置は終わってしまった。

 

抜歯は、シンマが強力に麻酔しているのでまったく痛くはない。
しかし、ゴリゴリといっているのはまともに自分の肉であり骨である。
体には思いっきり力が入り、
時間がかかればかかるほど消耗する。
オペが早く終わってくれることは本当にありがたい。

 

これは技術の問題で、
技術が高いこと、つまり“上手い”ので、“早い”のである。
“上手い”から、きれいに仕事が出来て、手こずることなく“早い”。

 

若い頃、ある歯医者さんで奥歯の抜歯に1時間ぐらいゴリゴリとやられたことがある。
それでもなかなか取れなくて、結局少しカケラを残してオペを終わらせてしまい、
後からまた、ひどい目にあったことがある。

 

医者、特に歯医者さんは技術の差が大きく、
“上手い”先生に当たるか、“下手な”先生に当たるかは、
患者の幸せと、不幸に大きな差が出る。

 

昨日の私の抜歯は、
診察からはじめて、すべて終わったのが「5分!」
オペが終わり、
堀田先生はすぐに時計を見て、
「ホラっ、5分もかかんなかったよっ」と、ものすごくうれしそうに言った。

 

この人は仕事が大好きで、
自分のやったことで患者が幸せになる事が、自分の幸せそのものであり、
すごくうれしいのだ。

 

奇跡のように5分で犬歯の抜歯を終わり、会社に急いだ。
まだシンマが効いているので、まったく痛くない。

 

事務所には約束の10時ちょうどに到着した。
本当は「これは間に合わんな」と思って、
ミーティングの開始を30分遅らせて欲しいと、連絡をしておいたのだが、
間に合ってしまった。

 

結局、かえって30分時間が余ってしまったので、
メールチェックをしたり返信を書いたり色々やっていたら、
ジワ~~~~っと、抜歯の跡が痛くなってきた。
当然である。
抜歯をしたのだから、傷跡があるわけでしばらくは痛くなるのが当たり前。
「今日のミーティング出来るかなぁ~」と思うほど痛くなって来た。
歯医者さんを出る時に痛み止めを飲んだが、
痛み止めというものはそう効くものではない。

 

そのうち、ミーティングのメンバーがやってきて、
ミーティングが始まる。

 

今回は「会社全体を網羅する電算システムの構築」の途中経過の会議。

 

商品の受発注から発送・在庫までの業務と管理。
販売に関わるすべての業務と分析・管理
情報公開のための管理システム
経理・財務に関わるすべての業務と管理
評価システムを含む給与システム。
これらを全部つないで一元化し、大きな、しかもフレキシブルなシステムを構築する。
もう半年以上作業が続いていて、費用も千万単位でかかり、
今後のアイ・タック技研グループの将来に大きく影響する大切な仕事だ。

 

?グローバルワイズという非常に面白い会社に発注している。
この会社については、いずれ書かなければならない。
ホントに面白い会社なのだ。

 

ミーティングでの議論は最初から白熱した。
現時点での進度について、その在り方に異議があったからだ。

 

・・・歯が痛い。いや抜歯の跡が痛い。

 

歯の痛みで、言葉がきつくなりがちだったかもしれない。
最初の5分で緊張がピンと張ったが、
モメル事が目的ではない。
いい物を創り上げる事が両者共通の目的。
グローバルワイズさんはそれに応えてくれる頼りになる人達ばかり。
気持ちを集中して話をする。

 

・・・・歯が痛い。

 

痛みは人を苛立たせる。
つい、攻撃的な言葉になりそうなのを、イカンイカンと抑える。
しばらく、かなり一生懸命に話をして、
30分ほど経ったか、

 

ふと気が着くと、
歯が、いや抜歯の跡が痛くない。
まったく痛くない。

 

「あれっ?歯が痛くなくなっちゃった。
演説しちゃったら、ストレス発散のなったのかなぁ
歯が痛いのなくなっちゃったよ。」

 

“痛み”というものは、
何かに気がそれると、どっかに行ってしまうものらしい。
今回の抜歯劇、あっけなく終わってしまったのでした。

 

ミーティングも
お互いに話しているうちに、だんだん方向が見えてきた。
みんなで一生懸命考えて、アイデアを出して、検討して
かなりいい所まで行って、意義のあるミーティングであった。・・と思う。

 

 

そう言えば、
何年か前(五年前?)もこんな経験をした事がある。
あの時は堀田歯科にインプラントのオペをやってもらった時のこと。
まとめて6本のオペで、しかも上顎
上顎は、下顎に比べて脳に近いだけあって痛みが大きいようだ。
オペが終わって家に帰ってきてから、
激しい術後の痛みに、私は堪えていた。(今思い出しても、あれは辛かった。)

 

横になって唸っていた時、何かの言葉が癇に障って
あまりもの痛さも手伝って、
“壁”を、思いっきり蹴っ飛ばした。

 

思い切り壁を蹴ったら、
今度は、足の骨が折れてしまった。

 

・・・
骨折は痛。すごく痛い。
今度は骨折の激痛に転げ回っていたら
あれっ?歯が痛くなくなった。
あれほど痛かった歯の傷みがどっかに行ってしまったのだ。

 

結論。
どこか痛い所がその痛みAがあって我慢できなくなったら、
もっと痛いことをすれば(たとえば骨折など)、
その痛みBによって、前からのその痛みAはどっかへ行ってしまうようです。
その効果うけあいです。

 

痛みBが我慢できなくなったら?
当然、痛みCを作ればいいわけです。(^^♪

 

痛みとは、どうも絶対的なものではなくて、相対的なもののようです。

 

だから、今回のように
痛み以上に何かに集中してしまえばイイのかも知れません。
しかし、この方法は
それだけ強く集中できる事が無ければ出来ないわけなので、
なかなか難しいでしょう。

 

やっぱり
痛みA ⇒ 痛みB ⇒ 痛みC
この方法が確実なようです。

 

しかし、
「どこまで行っても痛みはある訳なので、何の解決にもなっていないではないかっ。」
と、そんなご指摘もあるでしょう。
大丈夫です。
だんだん大きな痛みを作って行くわけですので、
そのうち“気を失い”、痛くなくなります。

 

・・・名案でしょ。
これが結論です。

 

 

と、ここまで、真面目に読んでいただいた方で、
あまりにもクダラナイ結論に、お怒りになった方もいるかもしれません。

 

ゴメンなさい。

 

この日、私の痛みを忘れさせるほど、話に夢中にさせてくれた人達。
グローバルワイズの皆さんと弊社の電算スタッフ。
真ん中の前にグッと出ている人が、
この日の私の歯痛の主なる犠牲者「持田さん」
どうもスミマセンでした。
この方がいないと、今回のプロジェクトはスタートすらしなかった。主人公です。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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