谷 好通コラム

2004年08月23日(月曜日)

1001話 青春まっ只中

昨日は、相模原に行って来た。
山口県の宇部市から快洗隊の研修に来ていた岡田君
というより、押しかけで快洗隊に入社し、
しかも、相模原快洗隊の立ち上げをマネージャーとして体験し、
宇部に帰って、今度は自分の快洗隊を作ろうという目論見に、私たちは喜んで乗ったのだ。

 

彼は、非常に優秀なガソリンスタンドの社長の御曹司である。
本来ならばそのスタンドを次ぐべきなのだが、
どうしても快洗隊をやりたいと、
刈谷に押しかけてきて、刈谷の店長を務め、
そして、相模原の立ち上げまでも体験して行ったのだ。

 

ガソリンスタンドは今、大きな転機の真っ只中である。
跡取りだからといって、すんなり経営を引き継いでも、前途は多難で、
決して安楽な経営は出来ない。
生きる道を自ら切り開いていかないと、時代の波に飲み込まれてしまうのだ。
その道を彼は快洗隊の中に見出したのだった。
しかし、だからと言って、今の店を放り出す事は出来ない。

 

たとえ彼が快洗隊で成功したとしても、
今の店を放り出し誰かを不幸にするならば、その成功の価値もなくなってしまう。

 

仕事とは、みんなが幸せになる手段なのだから。

 

彼はなんに対しても非常に熱心であり、柔軟な発想も持っているので、
その能力をもってすれば、多分、快洗隊も成功させられるだろう。

 

これからどうしていくのか、
悩みも問題も多いが、私たちは彼を親密な仲間として全力でカバーしていく。
みんなが幸せになる為に。

 

彼ももうすぐ40歳代、
いまだ青春真っ只中である。

 

夜、相模原の連中と初めて晩飯を食べた。
なぜか岡田君の奥さんがいて、みんなと一緒に騒いだ。
岡田夫人と相模原の鈴木さん

 

 

快洗隊相模原店に行く前に、スーパー耐久の石川選手のショップに行った。
彼は十勝24時間で、4人のドライバーの中で最長の8時間を走ってくれ、
そのお礼を込めての表敬訪問である。

 

石川選手のショップは神奈川県の大和市にある。
20畳ぐらいの小さな店であった。
一台のノーマルに近いレースカー、ホンダ・フェリオが店に入っていた。
この車で、もてぎサーキットでのJOY耐久レースに、先週、出場したのだそうだ。
十勝が終わって一週間後のことである。
全くもって元気である。
彼はレースが大好きのだ。

 

 

特にもてぎサーキットで行なわれる「JOY耐」は、面白いのだそうだ。
楽しそうに熱心に語る石川選手の話を聞いていて、
来年は私達も、ぜひこの「JOY耐」に出てみたいと真剣に思ったのだった。

 

この店で、石川選手は何を商売にしているのですか?と聞いた。
「何でも作るよ。」「何でもやるよ。」
レースの世話から、車の修理、レースカーの製作、たぶん車検も、
そして、コンピューターの組み立てまで多才である。

 

彼は作り物が得意だと言う。
そして「これはあまり売れないのだけれど」と見せてくれたものが、
スバル・サンバー(!)のエキマニ(エキゾーストマニホールド)
排気効率を良くするために、各気筒からの排気管を同じ長さにしたもの。
スバル・サンバーのである。
軽トラックのスバル・サンバーのである。

 

 

軽トラックのエキマニ作って、買う人がいるのだろうか?
「チョッと高いので(約15万円)なかなか売れないですね。」
・・・・・
高い安い以前の問題と思うのだが。
どう見てもばかばかしいと思えるのだが、石川選手はマジであった。

 

スペシャルエキマニを見せてくれる石川選手
彼のこんなにうれしそうな顔見たことありますか?
スバルサンバーは石川選手の愛車でもあるのです。

 

 

それにしても、見事に作られたサンバーの等長エキゾーストマニホールド
こんなちっぽけなマニホールド、世界中探してもなかなかないだろう。
まるで楽器のように美しい。
ひょっとしたら、マジに商品化された世界最小の四輪用エキゾーストマニホールドかもしれない。

 

※左が15万円余のスバルサンバースペシャルエキマニ。右が標準のエキマニ。

 

 

石川選手のレーシングドライバーとしての経歴は素晴らしい。
日本最高峰のF・ニッポン、全日本GT選手権、F-3など、
トップカテゴリーのレースにすべて出場している。

 

そんな石川選手がしみじみと言う。
「田中さんのチームで走っていて、10年ぶりにレースが本当に楽しいと思った。」

 

レースは本来勝つ事が目的。
「田中さんのチームは、勝つ為のところにきっちりとお金を使っていく。
だから、走っていても、こちらも真剣に勝つためにがんばれる。」と

 

レースカーへの投資をケチってでも、
レースクィーンとかピットの飾り付けに金を掛けていく昨今の風潮は、
プロレーサー石川選手にとって、残念なことであったようだ。

 

「レースクィーンを雇うような為に金を使ってしまって
不十分な状態になってしまっているレースカーを走らせていても、
ちっとも楽しくない。」とも。

 

石川選手は、
「勝つ為に」という目的をはっきりさせている田中さんのチームが大好きであるのだ。

 

わたしは、「ふ~~~ん、そういうものなんだ。」と感心してしまった。

 

もうすぐ40歳代に突入。
ハンサムであるだけに、一見ナヨッとして見られる石川選手。
バリバリの硬派であった。
青春真っ只中である。

 

石川選手と、20年来の仲間であるという西山さん
石川選手は、西山さんの名前をこの間初めて知ったのだという。
それまでは「西やん」だけで、20年間付き合ってきたと言う。ヘンな二人である。

 

 

今日は一日、東京で仕事であった。
いい仕事が出来たと思う。

 

 

先週の末、日帰りで帯広に行ってきた。
十勝24時間でお世話になった人達にお礼を言わなくてはと思ったのだ。

 

帝北自動車の河原社長と加藤部長

 

 

同じく、相川次長

 

 

24時間レース中ずっとサポートしてくれた久野さん

 

 

帰りの飛行機からは、とてもきれいな夕空を見ることが出来た。

 

 

帯広石油さんにもうかがったのだが、
時間がなくなってしまっていて、写真を撮り損ねてしまった。

 

 

明日の夜から、フィリピンの「マニラ」
あさっては「香港」へ、
翌日は「広州」へ、
そして「上海」に入る。
恐怖の5泊5日の強行軍。もちろん仕事である。

 

私だって青春真っ只中なのだ。

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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