2004年10月31日(日曜日)
1050.しないでいい極楽
朝のお布団が暖かく、なかなか出られない季節になった。
ぬくぬくと暖かいお布団にくるまって、ウトウトと目を閉じていると、
ため息がもれるような幸せを感じる。
暑くもなく、寒くもなく、
ただただ暖かい。
痛くもなく、かゆくもなく、
臭いわけでもなく、何も聞こえず
何を見るわけでもなく、何を考えるわけでもなく、
何を感じるわけでもなく、
何がしたいわけでも、何が欲しいわけでもなく、
ボーっとしていると、ふっと意識が遠くなってまた浅い眠りに入る。
何の欲望も感じない。
何が欲しいとも思わないし、何が食べたいとも思わない。
物欲も、食欲も、性欲も、征服欲も、支配欲も、所有欲も、
下手したら生存本能すら忘れてしまいそうな、
ただただ暖かいゴクラク、ゴクラクである。
静かな極楽。
これは本当に極楽か?
ただただ暖かいお布団の中の極楽。
極楽ってぬくぬくとしてボーっとすることか?
無の境地って、このことか?
??・・・・・
久しぶりの何もしないと決めた日曜日。
たぶん今年初めての何も予定しなかった日曜日。
朝、起きなくてはならない時刻を持たない今年初めての布団の中で、
ボーっとそんなことを考えた。
・・・・・
そんなことを考えているうちに、
だんだん腹が減ってきた。
無の境地にあった私に、まず食欲という煩悩がまず目覚めた。
そこで、むくむくと起き上がって、まず飯を食った。
そうしたら、ウ○コがしたくなった。
食欲の次に排泄欲に目覚めてしまったようだ。
で、トイレに行く。
ついでに、いつものように新聞を読み始める。
新聞を読んでいたら、いくつかの記事に夢中になって、
知識欲と自己主張欲が目覚めてしまった。
食って、出したら、今度はタバコが吸いたい。
ニコチンが私を誘っている。(これは何欲と言ったらいいのか)
で、プカ~~ッとタバコを吸って、
手近に有った自動車雑誌をぺらぺらと開いて見る。
かっこいい車がいっぱい載っていて、どの車にも欲しいな~~乗って見たいな~と、
所有欲がムクムクと起き出して来る。
あとからあとから欲望が目を覚まして、
私もやっと目が覚めた。
ボーっとした極楽はあとでいいから、
とりあえずは、やりたいことだらけの自分がそこに在ることを認めざるを得ない。
今日は何もしないと決めていたのだけど、
ただただ暖かいだけの無の境地は、
朝7時に腹が減って起き上がったその時から、もろくも崩れ去り、
いつもの、やりたいことだらけで
何でもやってしまうが先に立ってしまう、いつも自分に戻ってしまった。
私は、やっぱり“ボーッ”は、苦手だ。
何もしないでいい極楽は、やっぱり苦手だ。
いつも体のどこかに疲労感を残しながらも、元気だけが先に立って
動き続けていた方が、自分にはしっくりとする。
その方が楽だ。
今日は何もしないつもりだったが、つい思い立って、
日帰りで富山に行ってきた。
娘の子供、つまり私の孫に会ってきた。
孫であるのだが、やっぱりピンと来ない所があって、
見ていてかわいいとは思うのだが、
やっぱり孫というより、まだ“娘の子供”といった方がピンと来るのだ。
そういう意味では、私はまだオジイチャンにはなっていないようだ。
考えて見れば、
子供なんて作らない方が、何かと楽である。
子供を作れば、時間は奪われるし、金も要る。
いや、そんなレベルではなく
母親はしばらくの間、その全生活を子供のために捧げなければならないし、
神経をすり減らさなくてはならない。
父親だって、すべての意味においてかなりの負担を背負うことになる。
子供が出来て、産み、育てることは大変な苦労である。
子供は作らない方が楽である。
単純にそう思って子供を作らない人、
あるいはせいぜい一人しか作らない人達が多数を占め、
少子化という大きな社会問題にまでなっている。
楽なのがいいなら、子供なんて作らない方がいい。
楽していたいのなら
子供なんて絶対に作らない方がいいに決まっている。
大変な苦労をして子供つくり、産み、育てても、
別に奨励金が出るわけでもなく、何かが貰えるわけでもない。
だけど喜びが欲しいのなら
たとえ、ものすごい苦労があったとしても、
大きな喜びが欲しいのなら、子供はそれを十分に与えてくれることは間違いない。
自分たちによって新しい生命が生まれ、育まれる事実は、
そのことだけで、大きな喜びを与えられることだ。
私は、自分の娘夫婦がその大きな喜びに恵まれたことを、深く天に感謝したい。
仕事で言うなら
楽(ラク)したいのなら、大きな負荷のある仕事はしない方がいい。
出来るだけ負荷の小さな仕事をしていた方が、楽でいい。
ボーっとしていた方が一番。楽だ。
その方が苦しくないという意味では幸せだ。
たけど、
仕事による大きな喜びが欲しいのなら、
出来るだけ大きな負荷を背負った仕事をするがいい。
その方が、間違いなく大きな喜びを得られるに違いない。
私はその方が好きだ。
たとえば私たちの仲間たち。
月末、夜遅くまで棚卸を頑張ってくれるスタッフ達
明日からロスに飛び、
ラスベガスで行われるカーアフターマーケットのトレードショーを
単身で見に行き、必ずチャンスをつかんで来るであろう谷基司常務
一昨日、単身東京に行き、1日で数百万円分を稼いできた?池本管理部長
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