谷好通コラム

2005年05月19日(木曜日)

1175.台湾式SSと洗車

今、台湾からの帰りの飛行機に乗っている。

行きは、中国際→台北→高雄
中華航空の乗り継ぎ便である。

目的地には、先日、私たちの快洗隊を見学していただいた「千越企業」がある。
千越企業さんは台湾南部に20軒のガソリンスタンドを持ち、
その一つ一つが非常に優秀な成績で有名な会社である。

許社長ご夫妻と各店舗のマネージャーが快洗隊に来られた時にも、
非常に活発な質問を浴び、こちらがタジタジになる場面があったほどだ。

台湾でのガソリンスタンド事情と、洗車事情は現在の日本と大きく違うようだ。
台湾のスタンドでは、
ガソリン等燃料油の利益がかなり高いと聞いた。
一体、口銭がいくらあるのか、誰も教えてくれないが、かなり・・あるらしい。

何年か前の自由化の時に進出したEMGも、
何があったのか、今は撤退してしまったそうだ。
現在は全台湾を2社の元売が独占しており、ガソリンの価格は高値安定。
だから、スタンドでは燃料油の販売数量を増やすことが第一優先であるようだ。

3日間で千越企業さんの店舗だけでなく、何社かのガソリンスタンドを見て回ったが、
いくつかの共通点があった。

まず、スタンドはフルサービス。

ガソリンなどを入れると、スタンプブックに点数が集まり、
店の中にデンとある「増品・・」いうプレゼント品コーナー(館)から、
好きな景品と交換する仕組みがほとんどの店にあった。

もう一つは、
洗車が給油の景品に使われていること。
多くの場合が、給油=無料洗車であった。
ただ、千越企業さんだけは、無料洗車ではなく、洗車半額割引にとどめていた。
「無料洗車をやめて、いいお客さんが集まってきました。」とは許社長の言。

では、「洗車大学」と称して、台湾一の洗車を標榜する千越企業さんの洗車を、

まず、高圧の水スプレーで、足回りを中心に流す。
と同時に、大きなバケツに溜めた石鹸水をハンドスポンジにつけて、
ボディー全体を洗う。
2人～4人がかりでとにかく速く、二分とかかっていない。

そして、自走式の連続洗車機にかける。

この洗車機は、外側から見ると日本のある有名メーカーの洗車機であるが、
外側だけであって、中身はすべて台湾式の高圧水スプレーシャワーに変わっている。

この洗車機を通って、前洗車時に車についた泡が洗い流される。
水がスプレーされ終わると、ドライのエアーブローがかかる。
(※ずっと、お客様は車に乗ったままである。)

自動的に連続洗車機から押し出された車を、
洗車機の後ろに控えた拭き上げスタッフが、よってたかって、水滴を拭き上げる。

以上である。
すべての作業で5分足らず。
これを3台の連続洗車機をフル活動させて、
というより、3レーンの洗車を人海戦術でこなし、
連続洗車機という名の泡流し機を駆使して、時間30台以上をこなしていく。
ガソリンのオマケとしての洗車の一つの完成された形なのかもしれない。

このことについては、色々考えた。
結論としては、これは台湾のものであり、日本にはまったく通用しない。
しかしここから、日本のこれからの洗車の在り方について、
多くの示唆が存在すると感じた。

もうちょっと考えてみたい。

この店に会ったグリットの“熱血洗車”のぼり
社長が日本に来た時に、これを気に入って、注文をされていったものらしい。
グリットも知らぬ間に世界規模になっていたのだ。(^・^)

17日、中部国際空港を飛び立つ時、面白い飛行機を見つけた。
「Tu154」“Tu”とは、ツポレフという。
旧ソ連の機体である。
こういう機体は、旧東欧の国しか使っていない。
「アエロフロート」とは書いてないのでロシアの機体ではない。
「ウズベキスタン」とも読めるが、どこの国だっけ。
いずれにしても、これが定期便だとしたら、
旧東欧のどこかの国に直行便で行けるのかもしれない。一度調べて見なければならない。

同じく17日、
高雄(カオシュン)への中継となる台北(タイペイ)の中正空港から
私たちが乗った飛行機。
一見、DC-9あるいはMD-87(同じ意味)に見えるが、
なんとなく雰囲気が違う。
乗ってみたら、「フォッカー100」とある。
これは日本では絶対に乗れない機体である。
「ほっほ～～～」と、うれしくなってしまった。