2005年06月21日(火曜日)

1195.二日間休ませた男

このコラムを書くのを二日間も休んだ。
なぜかというと、
土曜日の午後から日曜日と、仕事も遊ぶのも休んでしまったから。

 

 

この会社も一応、週休二日になっているが、
土も日もほとんど休んだことは無い。
レースなどに行って遊んでしまう時は例外だが、
土曜日も出張に出ていなければ、出社するし、日曜日も何かやっている。
誤解を恐れずに書くが、私は仕事が大好きだ。

 

私が会社の経営者だからと言ってしまえば、当たり前のことだが、
仕事をしない日は、私は大嫌い。
いい格好をして言うわけではなく、
仕事をしないでいることは、私は本当に嫌いなのだからしょうがない。
仕事をしている時が、
何と言っても一番充実していて、楽しいし、ほっとする。

 

人が仕事をしていない時に仕事をすると、すごく得をしたような気になるし、
飛行機に乗る時、
土日など観光の客であふれた日に、
仕事の格好をして出張で飛行機に乗ると、変な優越感などを感じたりする。

 

「みんな、お金を使ってこの飛行機に乗っている。
でも自分は、この飛行機に乗って、お金を稼いでいる。
プラスとマイナス、その差は大きいのだ。」

 

なんて、ちょっと自分でも歪んでいるかな?と思うようなことまで考えてしまう。

 

テレビを観ているときも、
本を読んでいるときも、トイレに座っている時も、
食事をしている時も、友達と酒を飲んでいる時も、車を運転している時も、
ずうっと仕事のことを考えていて、
それも、あれやこれやといっぱいのことを考えていて、
多分寝ている時でも、考えているのかもしれない。
夜中にはたと目が覚めて、文章を書き始める事がある。

 

 

ただ、サーキットでレースをしている時だけは、仕事のことをすっかり忘れている。
不思議なくらい忘れでいるのだ。

 

しかし、その時以外は、とにかく、年がら年中仕事のことを考えていて、
自分でも、これは異常だと思っている。

 

だけど、今日訪問された証券会社の方にそれを話したら、
「経営者の皆さん、特に上場を目指しているような会社の経営者の方は、
みんな同じようなことをおっしゃいますよ。
皆さん同じみたいですね。それは。」
と、おっしゃった。

 

「私みたいに大した能力も無い人間が、
なぜか、幸運と仲間に恵まれて、ここまで来てしまったので、
普通の人よりも何倍も脳みそを使わねば、とても追いつかなくて。
だから、年がら年中、仕事のことを考えているのだろう。」
真剣にそう思っていたのだが、
この証券会社の方に、
「みんな同じですよ。」と言われると、ほっとしたというか、拍子抜けというか、
少なくとも、私が特別な仕事病ではなかったらしいことに安心した。

 

私は大して能力が無いので、
思いついたこととか、考えたことは、極力、その場ですぐ行動することにしている。
こうした方がいいと考えた時は、その場ですぐ、やれるだけの行動をする。

 

そうしていると、いつも仕事を追いかけている形になって、
たいていの仕事がうまく行く。
だから、仕事のことを考えていることが余計に楽しくてしょうがない。
そんな風になってしまったのだ。

 

 

そんな私が、
足掛け二日間も仕事をせずに、遊びにも行かず、コラムまで書かず、
ゴロゴロとしていた。

 

なぜだと思います?

 

土曜日の午後3時ぐらいまで、
本社事務所で、私と谷統括と池本部長の三人で真剣に仕事をしていた。
六月の決算を間近に控え、
来期の構想を、それこそ真剣に話し合って、構想を作り上げていた。

 

ところが、ひょいと二人の訪問者が会社を訪れた。
自分の母親に抱かれた一人の男。

 

母親とは、つまり、私の娘であり、男とは私のマゴである
三人とも、この男の愛嬌にすっかりダメにされた。
メロメロである。

 

私は、私らしくもなく、にやけてしまい、
それ以降、日曜日にやろうと予定していた仕事も放り出して、
休んでしまった。
自分でも信じられないが、この男には、
バリバリの仕事人間をダメにしてしまうような恐るべき力があったのだ。
※左から二人目の赤い服を着た男

 

Posted   パーマリンク

ページのトップへ