谷 好通コラム

2006年10月31日(火曜日)

1503.過ぎたるは及ばず

昨日、東京に出てきて、夜、博多に飛んだ。
今日の朝、福岡営業所のミーティングに参加して、
博多で一仕事して、午後広島に向かう。
夕方から今度は広島でミーティングに参加するため。
この会社では、
毎月一度の営業会議を開いているが、
全員本社に集まる会議を年2回、所長会議を年6回、
そして今月から始まった各拠点を巡回しての会議を年4回開く事になったのだ。

 

現場を歩かなくてはならないと思って始めた事だが、
皆に会いに全国を歩くというのは思ったより楽しい。
実際にその地域に行くと、
彼らの言うことが肌で解るし、その地の大切なお客様を訪問することも出来る。
今回は、拠点をとにかく回ることを優先したので、
お客様のところには行けないが、この先、色々と計画を立てて訪問しよう。

 

昨日の夜、博多に泊まる時に必ず行くギョウザ屋の「旭軒」に行った。
ここの小さなギョウザはカラッと焼けていて、
あまりくどくない中身と相まっていくらでも食べられる。
昨日は18人前のギョウザを、ギョウザだけで食べた。

 

一緒に行ったのは同行の鈴置君と、福岡の中西所長。
3人で18人前は大したことなさそうだが、鈴置君も中西君もあまり食べず、
結局半分以上を自分が食べてしまった。
たぶん10人前は食べた。

 

これで3人前。とにかく美味いのだ。

 

 

こんなことを過去にも何回もやっていて、
今回もいつもの通りだったのだが、さすがに食べ過ぎた。
もう十分と思ってから、
でも、もうちょっだけと思って追加した最後の2人前が余分であったようだ。
しばらくはギョウザを食べたくないと、初めて思ったのだ。

 

「胸突き八丁」という言葉がある。
登山する時に、八合目を越えるころが一番大変で、
頑張り所だというような言葉。
八分というのは色々な意味で肝心なところであるらしい。

 

「腹八分目」という言葉がある。
ものを食べる時、まだもうちょっと食べたいと思うくらいのところ、
つまり、お腹が八分目に満たされたぐらいで済ますのが体に良いという意味。
何事も八分目で満足すべし、
十分を求めて欲をかくとロクなことはないという意味でもあるか。
ところが、食べる事に関しては、
腹八分から食べる食い物が一番うまい。
「もう食えんなぁ、満腹だ。」が、一番幸せなのだ。

 

デブはみんなそうなのだ。
みんな十分な満足感を求めて、満足しきって、結果として太ってしまうのだ。
腹が減っている時に食うのは何を食べてもうまい。
体が求めているのだから体でうまいと感じている。
つまり、飢餓の反応、生きるという本能としてうまいのだ。
ところが、腹八分目を越してからのうまさは、飢餓とは関係ない。
生きるという本能とも関係ない。
ここからが本当の意味の贅沢としての「美味さ」なのだ。
美しい味と書いて、美味いと言う。
美しさは、ある程度満たされた状態、豊かな状態でより感じるもの。
「貧すれば鈍す」という言葉がある。
貧しい心では、美しさという繊細な感性を持ちうることが難しい。
清貧の中で研ぎ澄まされた美を作り出した人たちがいるが、
あれは“天才”という凡人とは関係の無い人種が出来得るある種の狂気だ。

 

満たされつつ、十分な満足を求めるのは幸せである。
しかし、十二分に満たされるのは良くない。
十二分とは、十分に対して二分が余分な訳であり、
欲張って食べ過ぎると、美味さを通り越して苦しくなる。
昨夜のギョウザがそれだ。

 

早い話が、食い過ぎた。
しばらくギョウザは食べたくない。
何においても、過ぎたるは及ばざるが如し。
やっぱり、私もそろそろ卑しさを克服をして、
平和な腹八分を憶えなければならない。

 

 

画期的なことが起きている。
あの谷清隆専務が、禁煙をしているのだという。
それもなんと5日目を突破したというのだ。
禁煙を始めたのは「禁煙セラピー」というあの本を読んだからだ。

 

「禁煙セラピー」はあの畠中君を禁煙に追い込んだし、
彼が撒き散らした「禁煙セラピー」に、とうとう谷清隆までをも巻き込んでしまった。

 

私もそろそろ真剣に禁煙を考えねばならない。
ゲホンゲホンと咳き込みながらタバコを吸っている人を見ると、
自分もあんなミジメさを感じさせる人間なのかと思うと、
自分も「吸わない人になる」ことに魅力を感じる。

 

ヘビースモーカーの中西君と鈴置君。
鈴置君は、来年の中ごろにお父さんになるかもしれないと言っていた。
まだ確認した訳ではないので何とも言えないが、
もし、そうなったら、マミチャンは絶対に彼を「吸わない人」にするに違いない。

 

 

博多名物の「屋台」
博多の風物詩であり、庶民の安らぎの場である。

 

 

私は、15年ほど前に、
屋台でひどい目に会ったことがあり、
また、一人の純朴な人間の一生を変えてしまうような事件を知っていたので、
それ以来、絶対に屋台には入らない。
ほとんどの屋台は良い人ばかりなのであろうが、
中にほんの少数の人が
不当に欲張ったりする人がいると、
私のように偏見を持った人間を作ってしまうということもある。

 

何事も過ぎたるは及ばざるが如しか。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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