谷 好通コラム

2007年11月06日(火曜日)

1769.「潰し合い」よりも「自立」

前々回のコラムで、今の石油業界を「潰し合い」「殺し合い」と表現したが、
早速、当社のご意見番酒井さんからご意見をいただいた。

 

以下、抜粋で引用させていただく。

 

「国立社会保障・人口問題研究所によりますと、
1995年にすでに日 本の生産人口はピークを迎え減少している。
生産人口とは、16才から63才までのいわゆる仕事に従事できる年齢の人口で、
つまりは積極的な消費者です。
1995年をピークに過去50年が5000万人 (終戦直後?)
1995年の ピークが約8500万人
未来予測50年後でまた5000万人ほどに減少する…..

 

これって現実を言うならば、
現在8500万人に対応している小売店鋪は5000万人対応に『必ず』減る。
約1/3以上の店舗は絶対に閉鎖せざるを得ないということです。
さらに、
人口が増える時代は、余剰の時代であり、どんな事をしても売れば儲かる時代です。
しかし、人口が減る時代は、効率の時代であり、効率は更なる効率を呼び、
全体の縮小傾向は更なるものとなるでしょう。
Sが考えるに、閉鎖店舗はガソリンスタンドに限らず、半分以上無くなるでしょう。
現在、ガソリンスタンドは、ピーク6万軒のSSは、4万8千軒です。
ですが実態は4万そこそこ(届け出がないものが相当数ある)、
5年後には2万を切るとまで言われています。
この状況、潰し合いというよりは、生き残るための知恵比べ。はたまた根気比べ。

 

ですが、“生き残って優位に立てる保証は何もありません。
だってサイズ ダウンしただけ“だから、、、、的状況です。

 

今後は、今まで私たちが経験してきた人口が増えていく時代の商売ではなく、
誰も経験した事がない人口が減っていく中での商売です。」

 

なるほどである。
今までは、競合他社、他店と商売を競い合って、競り勝ち、
相手の店舗を潰せば、つまり勝ち残れば
相手の店舗に行っていた顧客がこちらに来るようになって、
こちらの売り上げが上がる。しいては利益が上がる。という勝利の報酬があった。
つまり、
「競合と“赤字を出して”でも戦い、
戦い抜いて勝てば、その後に売り上げが上がって利益を出し、
戦いの中でこうむった赤字をその利益で補填し、以後より以上の利益を生む。」
という図式が、
人口が減って、マーケットのサイズが小さくなっていく状況の中では、
成り立たなくなっていくというのだ。

 

つまり、
「競合と“赤字を出して”でも戦う。」ではなく、
これからの戦い方は、
「しっかり自店の黒字を作り上げていくことが、競合とのもっとも有効な戦い方」であり、
自らが生き残るための、知恵の絞り合いであり、根気比べである。
ということになるのだろうか。

 

自らも血を出しての「殺しあい」では、
自らも生き残ることは出来ず、
しっかりと利益を出し続けて「生き残る」ことが、
とりわけ人口が減っていく現代の中での「勝つ」戦い方なのだろう。

 

不毛な「奪い合い」「潰し合い」よりも、「自立」ということか。

 

いい事を学んだ。

 

一昨日、名古屋から新横浜に新幹線に乗って移動中、
てっぺんだけの富士山が見えた。

 

 

昨日、羽田から松山の飛ぶ飛行機の中、日本アルプスに雪が被ってきていた。
先がとんがっているのは槍ヶ岳であろうか。

 

 

山々が紅葉しているのが分かるが、
10,000m以上の上空から見ると茶色く見えるだけできれいとは言えない。
紅葉はやっぱり下から見上げるものらしい。

 

 

この日は、太陽と飛行機と雲の関係がぴったりで「ブロッケンの輪」がよく見えた。
これは早く写真に撮らなくてはと張り切ったのだが、
その30分ぐらいずっと見えていた。こんなことも珍しい。

 

 

大阪の手前で飛行機とすれ違った。
ぱっと見た目にはJALの767ぐらいかと思ったが、
撮れた写真を見たら、ノースウェストの747のようである。
私が乗っていた飛行機はANAの777-300で、
高度12,200mと、ずいぶん高いところを飛んでいたので747が小さく見えた。

 

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2007年11月06日(火曜日)

1768.5分だけ居眠りをする。

一昨日、関東の快洗隊3軒を見て回った。
お客様の頭になりきって
お客様の座っている場所に行き、
お客様の目線から店を見るためだ。
だから、ネクタイも背広もなし、普段着のシャツとジャンパー姿だ。

 

「待合室でじっと座って、30分、1時間、2時間とお客様になりきる。」
これは実に有効な方法だ。
今回も、相模原、五香、松戸店と今まで見えなかったものが見えた気がする。
うまく実績を上げている店、停滞している店、前年を下回ってしまった店。
お客様の席から、お客様になりきって見てみると、
「そりゃそうだ。これじゃお客さん次は来ないよ。」とか、
「なるほど、これなら何度でも来たくなるよな。」とか、
意外とスキッと見えてくるものだ。

 

コツを教えよう。
1.まず、私服であること。
2.店内では、お客様が一番よく座るであろう場所に座ること。
3.出来れば、実際に作業を注文すること。
4.店舗のスタッフとの会話は、最初から出来るだけしない。
5.座ったら、5分ぐらい居眠りをすること。
6.作業を待っている時、お客様のように、ただリラックスして作業を待つだけ。
のどが渇いたら自販機で何か買って飲む。トイレに行きたくなったら行く。
仕事に関係ない“余分な事”を考える。
7.15分ぐらい経つと、自分の頭がお客様になっていることに気が付く。
8.ここから、気が着いたことをどんどん書き殴るように、書いていく。
お客様の目線になっている感覚を大切にして、
気が着いたこと、思いついたこと、感じたこと、すべてを、
感じたままに、手を休まずに一挙に書く。
9.何も感じなくなったら、
今度はこちら側(店側)の視点で気が着いたことを続けて書いていく。

 

やってみると意外と簡単ですよ。
客目線に立つとは、
こちら側からお客様を見て、
お客様が何を考えているかを、こちら側から考えることではない。
それはあくまでも、こちら側からの観測でしかないのだ。

 

私は日本人だから、日本にいて中国人の気持ちを理解することは出来ない。
しかし中国に行って、中国の人が中国の人に対する仕事を一緒にやると、
やっとちょっとだけ中国人の気持ちが分かるような気がする。

 

私は今、歳をとってオジサンになっているから、
若い子たちの気持ちは、オジサンである私には理解できない。
しかし、若い子と一緒に力を合わせて何かをやると、けっこう理解できて、
「今の若い者は・・・」とは、思わなくなる。

 

それと同じようなことではないだろうか。
お客様目線で自分の店や商品を見たければ、まず、お客様のいる場所に行くことだろう。

 

これは、単純なようで、実はものすごく大切なことなのです。

 

昨日の朝、羽田から松山に飛んだ。
空からの景色は、もう一千回以上見ているはずだが、
全く飽きない。
朝一の飛行機はビジネスマンが多いが、そのほとんどが寝ている。
大パノラマが窓の外で繰り広げられているのに、もったいないと思うのだけれど。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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