2008年02月17日(日曜日)
1848.何年後かの新しいビジョン
昨日は神戸から朝早い新幹線で名古屋に帰ってきた。
午前中の企画会議と午後からの役員会に出席するためだ。
新幹線の中では書き残しているキーパータイムス記事の原稿1/4を書くつもりでいた。
新神戸⇒名古屋間は1時間とちょっと、
朝ごはんの駅弁をさっさと平らげて、早速パソコンを開かねばと思いつつ、
外の流れる風景に見入ってしまった。
ボーっと仕事のことを考えていたのだが、
「京都」を過ぎてほんのちょっとした所で、突然、雪景色に変わった。
琵琶湖のあたりだ。
関が原の前後が雪景色になるのは見慣れた光景だが、
琵琶湖周辺から雪が降り始めるのはいつもよりもずっと早い。
ボーっとしていたら、
「キーパー」「快洗隊」「SSさんのこと」「洗車」「コーティング」「特許」「言葉」「男性」
「女性」「老若男女」「マーケット」「数字」「CM」「・・・・」
色々なことが次々と頭に浮かんできて、
一つの「キーワード」を、突然、思い付き、
このキーワードがすべてのことを結びつけて、何年後かの洗車シーンが頭に浮かんできた。
外は雪景色が続いていた。
これからどうなるのかではなく、
何年後かの洗車シーンが突然組みあがってしまったのだ。
これから何をしなければならないのか、ではなく、
これから何をするとどうなるのかの結果が、整然と頭に浮かび上がったのだ。
ひらめきと言うか、何と言うか、
成るべきして成る光景が浮かび上がって、
これからやるべき事は、
その光景が出来上がるために、
どのような行為を、どのようなスケジュールで進めればいいのか、だけだった。
すべてが鮮明なのだ。
やがて窓の外の風景から雪が消えて、
それから名古屋に到着するのには時間はかからない。
書かなければならなかった原稿には手付かずである。
パソコンすら開かなかった。
頭の中がそのことでいっぱいになりながら、
ホームに降り立ち何歩か歩いたところで「寒い!」ことに気がつく。
ジャンパーを列車の網棚に忘れてきたのだ。
あわてて列車に戻ってジャンパーを取るかどうか一瞬迷ったが、
飛び乗ってすぐにドアが閉まってしまうと、
次は新横浜、「まっいいか」と、すぐにあきらめた。
寒いのを我慢して少し離れた駐車場まで歩き、車に乗って会社に戻る。
すぐに企画会議が始まったが、まだ先ほどのことが頭の中を占領していて、
なかなか会議の話に身が入らない。
「イヤー、ごめん、実は・・・・・」と訳を話して、
その内容について、みんなにさわりを説明した。
みんな「へぇー、確かにそうですね。へぇー」
この会議はそれでもすべての用件を片付け、終わったのはちょうどお昼時、
みんなで前の喫茶店で食事をして、午後からは役員会だ。
役員会では、私が列車の中で突然思い付いたことをすべて話した。
みんな「・・・・・・」「わくわくしますね。」「ビリビリきました。」
鈴置部長が
「社長は、新幹線の中で、たましいだけが三年か四年後に飛んで行ったんじゃないですか?」
と、冗談交じりで言う。
私「んな訳ないだろ・・」
話はしばらく盛り上がったが、
そのうちに、私は異常に体が疲れていることに気がついた。
体中がだるい。眠い。胃がムカムカする。
それで、昨日の役員会はわずか1時間半で終わることになってしまった。
わざわざ東京からやってきた鈴置君、大阪から走ってきた谷専務には申し訳なかったが、
それ以上会議を続けるのは無理だった。
帰ってからも異常に眠たくて、
夜12時前には絶対寝たことのない私なのに、9時過ぎから居眠りを始め、
10時前には布団の中で熟睡してしまった。
早く寝すぎからなのだろうか、
朝の4時過ぎに目が醒めて、これを書き始めたわけだ。
私一人である。まただんだん眠くなってきたので、もう一眠りしようか。
心配しなくても、私のたましいは、ちゃんと私の中にいた。
その証拠に、途中で列車から「雪で真っ白になった伊吹山」の写真を撮っている。
窓の汚れた部分を避けてカメラを伊吹山に苦労して向けたことをはっきり憶えている。
あの時間、私はたましいが何年後かに飛んでいった訳ではなくて、
ある「キーワード」を偶然思い付き、たくさんの要素が、
今までバラバラであった事のすべてが、
次々と結びついて、何年後かの新しいビジョンが見えただけである。
Posted パーマリンク