2008年02月21日(木曜日)
1851.同じでは、い続けられない
「諸行無常」という言葉の意味を良く知っているわけではないが、
「時は流れ、世は変わり、何事も、同じ様、同じ存在であり続ける事は出来ない。」
というような意味であると思う。
人生、時が進むにつれて誰でも歳をとり、若さは無くなり、
いずれは、誰一人の例外なく死ぬ。
いつまでも自分だけは変わらず生き続けたいと思っても、それは無理なことだ。
時と共にすべてのものが変わり、栄枯盛衰を伴って時は進んでいく。
ということか。
自動車産業を取り巻く業界もそんなことが言える。
自動車を製造する巨大な産業は、
円安基調の中で海外輸出とノックダウン生産が伸び、
生産台数は増大し絶好調である。
トップメーカー・トヨタ自動車はとうとう世界一にまでなった。
しかし、
国内での新車販売台数は何年がかりで減少の一途をたどり、
国内のカーディーラーにとっては非常に苦しい状況になっている。
車が販売されたあとのアフターマーケットも大変厳しい環境である。
板金塗装業は、
酔っ払い運転の厳罰化によって物損事故が減少し、
仕事量が減っているそうだ。
「酔っ払い運転が減ったから我が業界の仕事が減った」と文句を言うわけにもいかず、
困っているとは聞いたが、笑えない話である。
逆に保険業界は、
事故が減ったことによって保険金の支払いが減って収益が増えているそうだ。
しかしそれも大きな声では言えない。
保険料の値下げを期待されてしまうから。苦笑いしたくなるような話だ。
カー用品業界は、
カーオーディオ、ETC、NAVIなどの標準装備化が進み、
販売する商品が少なくなって来ており、物販としては減少している。
整備業もカーディーラーの囲い込み政策が進む中で苦戦している。
ガソリンスタンド業界も、
より厳しくなってくる。
自由化によって競争が激化し、燃料の口銭が減少しているばかりでなく、
いよいよ国内の自動車用燃料販売の総量が減ってきたのだ。
省エネが浸透すると同時に、原油の高騰に端を発した燃料油価格の高騰から
軽自動車をはじめ、燃費の良い車が非常に売れている。
自動車自体も技術の発達で一様に燃費が良くなってきており、
国内の保有台数が変わらずとも、燃料油の販売の減少傾向はますます進むのだろう。
そんな状況の中で、
「車をキレイにする」ビジネスが今、大きな脚光を浴びている。
「数年のうちに車の美装に関わるビジネスが一兆円規模になる」とは、
有名な経済研究所の言葉だそうだ。
現在3,200億円規模と思われるマーケットが一挙に3倍になるというのだ。
その予想は、私たちもまったく同感するところであり、
その根拠となる数字も、私たちの持っている数字と不思議なくらい符合する。
なぜ、そうなるかは非常に長い説明になるのでまたの機会にしたいが、
この予測は正しいと考えている。
そう考えているのは、
当然、私たちだけではなく、
あらゆるカーアフタービジネス業界が「車をキレイにするビジネス」に注目している。
カーアフターの業界でも正に「諸行無常」であり、
ここ数年で業界が大きく変化していくことは間違いない。
あるビジネスが少しずつ減少していく中で、
今は小さくとも、いずれ大きく飛躍するビジネスが現れ、主役の一つになっていく。
時代は常に進み、ビジネスも変化し、姿かたちを変えていくものだ。
その主役を誰が演ずるか。
SS業界か、カーディラーか。はたまたニューカマーか。
かつては本業としてあった大きなビジネスがゆっくり減少する中で、
副業であったビジネスが、その中で、
もう一つの本業としてのスケールを持って来た時、
いつまでも副業扱いしていると、もともとの本業をも維持できなくなることもある。
主役が変わるとまでは思わない。
しかし、その主役が活躍する舞台において、
今の本業である主役が、今の副業である脇役を、
もう一人の主役とせず、いつまでも脇役扱いにしか出来なければ、
今後もう一つの主役になりうる今の脇役を、突如として主役に抜擢する舞台が現れ、
気が着いた時には、そのもう一つの主役になり得たはずの存在は、
もう、元の舞台に帰って来ない可能性もあることは、忘れてはいけないと思う。
自分が主役として存在している舞台からしか、世の中を見ていないと、
今持っている脇役が、他の舞台では主役になり得ることに中々気がつかないのではないか。
だから、形だけのニセモノを作ってそれで得をしたと錯覚するのは貧しき発想ではないか。
主役となり得る存在は、決してニセモノではその役を果すことは出来ない。
本来的に本業なんてものはビジネスの世界にはないのだろう。
社会の要求があれば、自在に変化していくのがビジネスだ。
時が進み、世の中が変わっていく中で、
不変の舞台というものもあり得ず、しかるに不変の主役もあり得ないのではないか。
もちろんニセモノなどが入り込む余地はない。
そんなことを考えた日であった。
昨日の新しい快洗隊ユニフォームのデザインプランをご覧になって、
われらが信頼するシンパシーであり仲間である今井さんが、
早速、“勝手に”、素敵なプランを送ってくれた。
さすがにデザインのプロ。素晴らしい出来。ありがとうございました。
キーパープロショップバージョンも、用意します。
乞うご期待。
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