谷 好通コラム

2009年02月21日(土曜日)

2143.たぶん20年ぶりに風邪を引いた

私はタバコを吸う。それもかなりのヘビースモーカー。
一昨日、仙台の「いま井」さんで美味しい食事をする間もタバコをいっぱい吸った。
そのせいで昨日の会議中に咳が出ると思っていて、
咳が出ても手のひらで口をふさぐだけでマスクをしようとしなかった。
私はもう十数年、風邪を引いたことがないので、
だから、あの咳が風邪のせいだとは思いもよらなかったのだ。
あの会議で私と一緒であった方たち、
ひょっとしたら、私は風邪を移してしまったかも知れません。申し訳ない。

 

今まで、
このブログで何度も「どうも風邪を引いたような気がする。」と書きながら、
次の朝にはまったく何ともなくて、熱も出たことがなく、
私は「風邪引き」については、嘘つきであった。

 

しかし、今回は違う。
昨日の夜、体がちょっと熱っぽく感じて体温計を脇に挟んでみたら、
「37.12度」
私はいつもの平熱が「35.8~36.1度」と低いので、
平熱が「36.5度」の普通の人にすると
「37.8~37.5度くらい」の高熱までは行かずとも、立派に“熱”が出たことになる。
私にとってたぶん20年ぶりの“熱”である。

 

咳が出、痰がからみ、鼻水が出る。熱があるので体がだるい。
たぶん、20年ぶりに私は風邪を引いたのだ。
伝染性の強いインフルエンザでなければいいが。

 

その夜、鼻をかんだり、咳をするたびに痰をとったりで、
枕元にはティッシュの山が出来た。

 

次の朝、つまり今日の朝、体温計は「36.68度」
風邪を引いても朝は体温が下がるらしく、ちょっと体がだるい程度。
午前中、どうしてもお会いせねばならない方が会社に来られて、一仕事。
午後0時半、今日は土曜日、午後1時までで診察が終わるので大急ぎで病院に行く。

 

私はマスクをしていつもの先生の前に座る。
先生「オ、風邪を引いたみたいだね。」
私..「はい。風邪を引きました。」
先生「体温を測ってー」
看護婦「はい、36.5度です。」
私..「僕は平熱が低いので、それでも熱が出ているんです。・・」
先生「のどは痛い?」
私..「いえ、ぜんぜん痛くありません。」
先生「体の節々が痛かったり、頭が痛いことは??」
私..「いえ、ぜんぜん痛くありません。」
先生「いい顔色してるね。」
私..「はい、ありがとうございます。」
先生「・・・・・・・・・・」
先生「風邪薬、欲しいですか?」
私..「えっ? 欲しいかと言われても、薬、飲まなきゃいけないんじゃ・・」
先生「じゃっ、いいね。 次の人っ。」

 

聴診器もあてず、
ステンレスのヘラで喉を見るわけでもなく、
薬もくれず、医者には相手にされなかったが、
だから少なくとも伝染性のインフルエンザではなさそうだが、
私は絶対に風邪を引いた。

 

かすっただけかも知れないが、
私は風邪を引いた。
さきほど、
体温を測ったら「36.4度」そろそろ回復してきたようだが。

 

もう一つ重要なことがある。
私はもう丸二日タバコを吸っていないのだ。
のどが痛かった訳ではないが、何となくタバコを吸わないほうがいいような気がして、
もう二日タバコを吸っていない。このままやめてしまおうか。
圧倒的な多数の愛煙同盟を裏切って、このままやめてしまおうか。
しかし、タバコを吸わない連中の「そら見ろ」みたいな表情を思い出すと
「てやんでえ」と思うし、
まっ、どっちでももいいか。
それにしても、
私はたぶん20年ぶりに風邪を引いた。

 

ドイツに行く前の睡眠不足と、
ドイツに行って帰った時差と、
ドイツから帰って来てからの睡眠不足が、風邪の原因である。
20年ぶりの風邪を楽しんでいるように見えたら、それは間違いである。
本当に体の芯が少しだるいような気がするのだ。

 

このブログを書いていたら、
また少し体温が上がったようだ。
(私にとってこれは微熱ではなく、ちゃんとした“発熱”なのだ)

 

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2009年02月21日(土曜日)

2142.墜落した飛行機と同型に乗って

 

先々日、
仙台行き飛行機のEチケットをもらった時、
仙台12:45発の便が、中部空港に14:15に到着することに少しだけ違和感を持った。

 

仙台空港で飛行機に乗る時その訳が分かった。
機体があの「ボンバルディアDHC8-Q400」だったのだ。
先日ドイツに行った時、
ほぼ時を同じくしてアメリカで墜落した同型機である。
また、1年ほど前には日本のANA機が着陸時に脚が出ずに胴体着陸をし、
世界でも何件か同様の事故が起こしたあの機体である。
空いていることが多かった中部⇔仙台便のANAは、
いつの間にかジェットのA320から
プロペラ機のボンバルディアDHC8-Q400に変わっていたのだ。

 

ジェットならば中部⇒仙台は偏西風に乗って55分で到着し、
仙台⇒中部は逆風なので1時間5分くらい。
それがこの便は1時間30分かかっているので、違和感を持ったのだろう。

 

しかし、あの時、
みんなが乗っている飛行機が、
たまたま事故が続いている機種と同じであることを知っていたのは、
あの約30名の乗客のうち何人くらいであろうか。
多分ほとんどの人が知らないだろう。

 

機体が小さいので、風が強いなかの上昇中に機体が大きく揺れる。
乗客が少し恐怖を感じるこんな時に、
「この飛行機って、アメリカで墜落した飛行機と同じだ。墜ちるんじゃないかっ?」と
と大声で騒いだとしたら、
きっと多くの乗客は不安に陥るだろう。
私が「人々に恐怖と不安を与えて喜ぶような卑劣な人間」ならば、
こんなチャンスはないだろう。
しかも言っている事は公表されている事実だから、罪になることはないだろうし。
もちろん、
機内には私を含めてそんなバカな輩はいなかったが。

 

 

多くの人の前での発言には責任と気配りが必要だ。
不用意な発言、無神経な発言が、
多くの人を不愉快や不安にし、ある時には害を与えることもある。

 

まして悪意ある誹謗中傷や罵詈雑言は、
最も憎むべき犯罪行為と同様だ。

 

インターネットの中に数あるブログソーシャルサイトでも、
匿名性がゆえに発せられる自分勝手な書き込みによって“荒れる”ことを防ぐために、
膨大な手間と時間を使ってチェックし、防衛している。
という話を聞いたことがある。

 

匿名性、つまり自分が誰であるかを知られない状態の時、
その人のやりたい事が、罵詈雑言であり誹謗中傷であるならば、
その人は憎しみの中に生きている不幸な人である。

 

また多くの人の前で、
自分の事ばかりを発する人は、
自意識の塊であり、
自分が人からどう見えるかにだけ興味があり、
自分のためにしか働けない人ではないだろうか。
相手に気配りをし、相手のために働くことが難しい人ではないだろうか。

 

 

ところで私はこの飛行機に乗っていて怖かったか、
残念ながら、まったく怖くもないし不安も感じない。
プロペラ機は、高度が低いので景気がよく見えて好きだ。
仙台⇒中部はA席に乗ると「富士山」が上空からよく見えて、火口の中まで見える。
しかし、この日は空がずっと白くもやっていて、
とうとう富士山の影も見ることが出来なかった。そのことの方が残念であった。

 

昨日はノースウェストのB747機が乱気流に巻き込まれ、負傷者が多く出た。
飛行機は確率的には最も安全な乗り物であるが、
やはり、気持ち的には怖い乗り物であることは違いない。

 

ボンバルディアDHC8-Q400

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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