2009年02月24日(火曜日)

2145.CM制作、最終段階終わりました

(これは昨日、2月23日に書いた話です)

 

オリバー・カーンのテレビCMの本編集が進むスタジオにいる。

 

何か新しい物を作る時、準備段階があって
ああでもない、こうでもないと議論が進み、
時にはこの段階でヒートして激論となり盛り上がる。
しかし、これから作るものがはっきりと決まっていない段階なので、
あらゆる可能性があり、それぞれに、とっても夢のある中での激論だ。

 

それが実際の制作のための準備段階に入ると、
地味な作業が続き、何か落ちはないか、忘れているものはないか、
どこかで予想外のハプニングがあるのではないか、気に病むことばかりで、
落ち着かない。制作担当には一番しんどい時期であろう。
特に今回のように遠く異国の地での撮影がある場合、
やり直しが効かないので、この段階での準備の密度が全体の出来を決める場合もある。

 

 

そして、いざ本番の撮影。
それまでのすべての準備が、この本番の数時間に集中され、
すべてのスタッフのチームワークと持っている力が凝縮される瞬間だ。
ある意味ではこの時が一番大変ではあるが、楽しい時間なのかもしれない。
制作の一つのクライマックスである。

 

 

すべての撮影が終わると「映像素材」が出来上がったことになり、
ここから本当の意味の本番が始まる。
素材を使っていって、作品にしていく段階だ。
たくさんのカットから一番良い、使える素材を選び出し、
緻密につなぎ合わせてストーリーを作り上げていく。仮編集という。
ここの段階も非常に大事なところで、
作品としての成否の大勢が決まるといっていいかもしれない。

 

仮編集でストーリーが出来上がったら、
一つ一つの場面をベストのトライに変え、微調整をし、音を入れ、
ナレーターの迫真の声入れによって、
新たに命を吹き込まれたように活き活きとして完成する。
仮編集のそれとはまるで別物のように活き活きとしてくる。
今日はその最後のクライマックス、本編集なのだ。

 

30秒、15秒のCMを完成させるために
膨大な時間と、知恵と、手間と投資がつぎ込まれる。
テレビに何気なく流されているCMも、
その一つ一つが、大変な労力を注ぎ込まれていることを思うと、
自分もこのところちょっとCMを見る目が変ってしまったようだ。
今までは、
番組の切れ目でCMが入るととっととチャンネルを切り替えてしまう口であったが、
今は「あーここはこんな風に作っているのだろうな。」なんて変に感心しながら見る。

 

本編集が終わると、もう制作についてやる事はなくなる。
あとは現実のテレビに放映するだけ。

 

 

ここからが次の勝負と手ぐすね引く松岡営業と南出営業担当。

 

 

今回のナレーターさん二人。
お名前を忘れてしまったが、左の方がオリバーカーンの声、右の方がクールな語りのナレーション。
とても満足の行く出来でした。

 

 

携帯メールに忙しい加藤クリエイティブと、撮影監督の江口さん。

 

 

右隅にいる人が、仮編集までのナレーションであった吉住さん。

 

 

左隅にいるのが、今回のCMの総監督さん。(お名前忘れてしまいました。すみません)

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・
お前ってやつは・・・

 

 

物は作っている時が一番楽しくて、
出来上がってしまうと、妙に寂しいような気がしてくる。

 

本編集も終わり、完成だ。
さびしい気持ちがもうしているのは、カーンとの時間があって
その印象があまりにも強烈であったからだろう。

 

 

 

(ここから今日、相模原から帰りの新幹線の中)

 

出来るものならばあの場面にもう一度戻りたい。
こんな風に思うのは、小学校の時、初めて行ったキャンプの時以来だろう。
いや、あの場面に戻れるものなら戻ってみたいと思う場面はたくさんある。
最近そんなことをたくさんの場面で思うようになった。

 

今と過去を後悔してそう思うのではない。
今は今として十分に満足しているが、
昔の場面と、
その時の我が魂の震えに、
今の魂が共振するように懐かしく、切なく思い出すのだ。
そんな震えを、ついこの間のカーンとの時間にも、切なく思い出される。

 

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