谷 好通コラム

2009年12月13日(日曜日)

2376.ついうっかりと、ついでで、30枚の写真

今日は一切仕事をしないことにしていた。
しかし昼ごはんを食べに外に出かけて「カレーを食べよう」となり、
東海市のCOCO一番に行くことにしたが、
どうせ東海市に行くのなら、
ついでに東海店をちょっとだけ覗いてからと思い、
東海店にちょっとだけ行った。

 

しかしそこで思いついたのは、
どうせCOCO一番に行くなら
800gのカレーをペロッと食べる小杉がいる一宮店の隣のCOCO一番に行くか。
となって一宮店まで行き、
帰り道に甚目寺店にちょっとだけ寄って、
どうせならついでに中川店に行こうかと思ったら、ついうっかり高速に乗ってしまったので、
中川店をやめて、高速ついでの大須店に行った。
ここでいったん本社に帰り、年末の挨拶が来週から始まるので床屋に行き、
ついでに刈谷店に寄った。
刈谷店からの帰り道を、ついうっかり反対側に出てしまったので、
Uターンするのは面倒なので、ついでに知立店まで走り、
このままついでが続くと結局全部回ってしまいそうなのと、もう真っ暗になってしまったので、とうとう帰った。

 

だから、今日は快洗隊を巡回したわけではないのです。
ついうっかりと、
ついでが重なっただけです。
それにしてもどの店も年末を感じさせる繁盛振りで
みんな活き活きと仕事をしていた。

 

というわけで31枚の写真です。

 

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2009年12月13日(日曜日)

2375. 「2373.暇だから・・・」へのコメントに

前々話の「2373.暇だからやる仕事はない」に真面目なコメントをいただきました。
これは大切なことだと思いましたので、
あえて、本文のほうでお答えしたいと思います。

 

「快洗隊はラーメン屋というよりも喫茶店に近いのではないか、」
とは、なるほどと思います。
「私にとっては、喫茶店であって欲しいんです。馴染みの店にしたいんです。
複数回利用しても、店員さんが短期間で変わってしまうので、覚えられませんし、
いつも同じようにメニューを説明されるので、わずらわしいです。」
肝に銘じて、改善したいと思います。

 

その上で、
私の書いたこと
「雨の日に、預かりの車が一人ではもてあますようでなければ、一人で営業すればいい」
に代表されるような人時生産性のことについて、もう少し話を書いてみます。

 

 

この「人時生産性」の話をすると
「出来るだけ少ない人数で店を運営し、人件費を削れ」と、
ほとんどの人はそう受け取ります。
「CS」お客様本意を言っているくせに、
お客様の安心感などを無視してでも人を削れとは、いかにも矛盾していて、
「ES」従業員満足を言っているくせに、
従業員に過酷な労働を強いているのではないか。そうとも思われます。

 

しかし、この話の本意は実は全く逆のところにあります。

 

快洗隊のビジネスは天候によって大きく左右されます。
雨が降れば予約なしの来店はほぼゼロに近くなり、
天気予報の精度が上がっている最近では雨が降る予報の出ている日に予約は入らず、
予約が入っていても、お車を一日二日お預かりするような比較的大きな仕事だけです。
このような状況を解消すべくいろいろと努力をしていますが、
やはり雨の日は圧倒的に暇になります。
そこがラーメン屋さんとか喫茶店とは大きく違うところです。
そういう日にはスタッフ一人勤務のほうが、
むしろ自然であり、お客様から見てもそうだと思うのです。

 

ただこれは
「お客さまが少ないのが分かっている時に余分に人を置くことがおかしい」
と言っているだけで、
お客様が多く、たくさんの仕事があるのに、無理して人を減らして、
お客様にご迷惑をかけることは、もっといけないことであることと同等の意味です。
たくさんの仕事があれば、それに応じた十分な人員を用意することは、
最優先で考えるべきことです。
その上で、
「暇な時に人が多すぎると、むしろ忙しい時の対応力が落ちて、
お客様に迷惑をかけ、お客様に支持されない店になり、CSもESも実現できない。」
ということです。

 

 

たとえば夏の海水浴場、雨が降っている日に、
海水浴客がほとんどいないのに、売店に複数の店員がいるのは不自然ですよね。
そういう暇な日にこそ、
新しいアルバイトスタッフに焼きそばの作り方を教えたり、
掃除をしたりしている売店があったとしたら、それはやっぱり変だと思うのです。

 

こんなことは極端なこととしても、
普段の店舗運営の中で、仕事の量に比べて人が多すぎる店では
仕事が緩慢になりがちであり、お客様とお車に対しての集中力が落ちる傾向があります。

 

そして本題。
もっとも怖いことは、
「一人でやるべき仕事を二人でやるようになる」という症状が出ることです。

 

洗車メニューに書いてある「作業時間」は、あくまでも一人での作業時間です。

 

一つの仕事を二人でやると半分の時間で済むかというと、全く逆で、
一人で行う時間とほとんど変わらず、作業品質はむしろ落ちます。
たとえば
「純水手洗い洗車」ならば一人で約20分の作業時間ですが、
①約4分「車の移動、下回りの泥落とし、車全体に水スプレーをかけ、泡をかける。」
②約3分「泡がかかったボディ全体を、羊毛で出来たラ・モップで洗う。」
③約4分「泡を水スプレーで洗い流し、純水でボディ全体をすすぐ。」
④約9分「ボディ全体の水を、粗拭きで水を減らした後、丁寧に拭き上げ仕上げる。」
非常に大まかな作業区分けだが、
①と③の仕事は一人でしか出来ない作業であり、計8分
②と④の仕事は二人でも出来るが、計12分÷2人=6分にはならない。せいぜい8分。
すると、一人で20分かかる仕事を二人でかかっても16分にしか短くならない。
しかも、ボディ全体の洗いと仕上げを二人でやると、
相手がどこまでやったのかわからず、作業漏れが出やすく、品質が下がりがちです。

 

ただこれが、純水手洗い洗車20分+室内清掃15分の仕事になると、
一人では35分かかる仕事が
一人が①→④の仕事をやって、④9分の段階でもう一人が室内清掃15分をかかれるので、
20分+15分-9分=26分で済むが、それでも作業時間短縮率は74%でしかない。
20分の純水洗車単独ならば時間短縮率はわずか80%です。

 

しかしもっと問題なのは、
二人が26分その車にかかっていることになるので、26分×2人=52分となり、
仕事の濃度は一人で35分の仕事を、二人でやると56分使うことになって、
35/56=67%
つまり約2/3の仕事の濃度になって、
2/3+2/3=4/3
一人でやれば1の仕事が出来るのに、二人でやると二人で1.33の仕事しか出来ない。
しかも作業品質が落ちる可能性が大きくなるのです。

 

仕事量に対して人が多すぎると、必ず、
助け合いの精神からか、
「一人でやるべき仕事を、二人でやるようになる。」習慣がついて、
それが当たり前になると、
スタッフすべての仕事力が2/3になってしまうことになる。

 

もちろんスタッフは決してサボっているわけではなく、
普通に仕事をしているのだが、段取りの取り方であるとか仕事のペース配分が変わるのか、
仕事力が自然に2/3まで低下してしまう。

 

(「です。」「ます。」の文体でだんだん書きづらくなってきました。
しばらく、いつもの「である。」の文体で書きます。)

 

これが純水洗車単独の場合で考えると、
4/5(80%)+4/5=8/5であり1.6倍の時間がかかり、
1/1.6≒62%となって、スタッフの仕事力は2/3よりももっと下がる。

 

これが実際の店舗でどういうことになるかというと、
スタッフ一人一人の仕事力が2/3以下になると、
たとえば、駆け足で動くべき場面で歩くようになって
店全体の動きが緩慢になって、ダラダラしたムードになる。
それどころか、
一人で20分で出来た仕事が30分かかるようになり、
お客様に約束した待ち時間がだんだん守れなくなってくる。

 

たとえば、
「一人で出来る仕事を二人でやるペースが染み付いた」店で、
三人のスタッフが働いている場面では、
3台の純水手洗い洗車が入った場合は、
三人のお客様が、約束の20分の待ち時間に+5分から10分余分にお待たせする。

 

たとえば、
1時間に10台の純水手洗い洗車のお客様が来店されれば、
三人のスタッフは、
たぶん、6台のお客様をそれぞれお約束の時間以上に待たせ、
3台のお客様を1時間以上待たせ、
最後の1台は、「待ち時間が1時間以上かかっていますが、よろしいですか?」と言って、
間接的に断ることになるだろう。
結局9台のお客様をかなり余分にお待たせした上に、1時間半かかって作業し、
1時間以降に来店されたお客様は、それ以上に待たされ、
その多くは間接的に断ることになる。
しかも、車の仕上がりはかなりいい加減だ。
お客様のイライラが目に浮かんでくる。
「この店に来るのはもうやめよう」と。

 

それが、一人でやるべき仕事は一人できっちりやるペースが身についている店では、
たとえば、
三人のスタッフの場面に、
1時間に10台の純水手洗い洗車のお客様が来店された場合、
9台のお客様に対してほぼ20分の作業時間の約束を果たし、
1台のお客様にも、作業開始まで20分の待ち時間をお願いした上で、
「ぜひ洗わせてください」と言うだろう。

 

 

暇な時に掃除をする店では、きれいな店はない。
来店が多く待合室に多くのお客様が待たれる時こそ、待合室の中は汚れがちだ。
そういう時こそ待合室のゴミ箱とか、
テーブルを拭くなどをしなければならないのに、
暇な時に掃除をする店では、そんな時は「暇ではないので」決して掃除はしない。
忙しくなるとどんどん店が汚くなっていくのは、
多くのお客様に「この店は汚い」と思われることになる。実際汚いのだから。

 

こんな一連の悪循環が、
「仕事がない時に、余分な人がいる」ことによって引き起こされることを、
今までの経験でたくさん見ています。

 

せっかくの仕事があるのに、人が少なすぎるのは機会損失であり
お客様に無用な待ち時間を強いてしまうので言語道断です。
そこにはCSもESもありません。

 

しかし、逆に仕事がないのに人が多すぎるのは、
店とスタッフの力を落とし、「店が腐っていく悪循環」に陥ることであり、
店舗は徐々に暇になって行き、採算も取れなくなります。
不採算の仕事場にES従業員満足は作りえず、
ES無きところにCS顧客満足も存在しえません。
これは静かに進行するので気が付かない場面が多く、非常に危険であるということです。

 

健康的なCSとESを実現するために必要なのは、
「せっかくの仕事があるのに、人が少なすぎる」と「仕事がないのに人が多すぎる」
この両方がないように、
同等に十分に気をつけないといけないと思うのです。

 

店が暇な時は、どんな努力をしてもあります。
そんな時は交代で仕事を休めばいい。
そんなことをきちんと実行しても、
きちんとした店作りをしている店舗では、
年間114日の休日ノルマはなかなか果たせないようですから、
暇な時期、暇な日には
もっと休んだらいいと思うのです。

 

これから年末にかけて、一番の繁忙期を迎えます。
店から溢れんばかりのお客様の「きれいにしたい」欲求をいただき、
それにそこまできちんとお応えできるか、
普段の店舗運営の姿勢が問われ、スタッフの仕事力が問われる時です。
しっかりとお客様の期待にお応え出来た店が、来年の店の繁盛を実現できるはずです。

 

 

みんな、がんばっています。
みんな、仕事力を十分にもった連中ばかりです。
もう12月13日、そろそろ本格的に年末らしいペースに上がってきました。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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