2010年01月19日(火曜日)
2406.ビジネスとしたら大失敗
二ヶ月ほど前、私は掛かりつけの医者に言った。
「新型インフルエンザのワクチンは打ってもらえるんですか?」
医者が答えた。
「私は、300人分のワクチンが欲しいと申請したんだけど、
120人分しか出せないと言われたんですよ。
そうすると、全部の人に打てないから不公平じゃないですか。
谷さんから打って欲しいと言われたので打ったとしても、
私は黙っていればいいんですが、
谷さんが黙っているかどうか分からないじゃないですか。
そうするとやっぱり不公平になっちゃうので、
私の所では、新型インフルエンザのワクチンを打つのは全部やめることにしました。」
よく分かったような、分からないような話だが、
結局、私は新型インフルエンザのワクチンは打たなかった。
と言うより、ワクチンを打てなかった。
それで、今年1月にめでたく新型インフルエンザに感染した。
これは結構しんどいインフルエンザであった。
私は何十年ぶりかの高熱の中、
「不公平になるからワクチンはやめた。」と打ってくれなかった医者を、
「あの クソったれ医者が・・・」と思った。
それが今、
ワクチンはしっかりダブついていると言う。
お役所が優先順位をどうのこうのと供給方法でもたついているうちに、
全国の小・中学生の80%までが感染してしまい、
しっかりと自分の体で抗体を作ってしまったのでワクチンが余ってしまったのだ。
もちろんワクチンの接種回数が当初の二回ではなく一回で有効だと解ったことも要因だ。
いずれにしても、
需要に対して供給の絶対数が足らないと騒いでいたワクチンは、
ほんのわずかの間に、需要が勝手に減って、供給過剰に変わってしまった。
一時的なワクチン供給不足、需要過多の時、
いかなる理由があろうとも供給を渋った医者がいて、
つまり患者が希望したのに、全くワクチンを打たなかった医者がいた。
その時、ワクチン接種を断られた患者が、
たまたま新型インフルエンザに感染してしまい、
「あの時、打って(売って)くれていれば、苦しい目に会わなくて済んだのに」と思った。
そうこうしている内に、
全国的にワクチンが余ってきて、
その医者が「ワクチン打っておきますか?」と患者に聞いた。
「いえ、けっこうです。自家製のワクチンもう打ちましたから。」
この医者、ビジネスとしても大失敗をした。
例えは、間違っているかもしれないが。
みんなが洗車をして欲しい時に、
お客さまが集中して来られたら、
「すべての車を洗車することはできないから
不公平になるといけないから、全部、洗車をしません。」
これって変ですよね。
精一杯洗えるだけ洗って差し上げて、
洗えなかった人には「申し訳ない」と謝れば、誰も仕方がないと思うだろう。
洗車客が集中した時「不公平になるといけないから、全部、洗車をしません。」
と言って洗車を拒否されたら、断られたお客さまは二度とその店には行かないだろう。
ワクチンと洗車は同じにならない。
しかし、事はもっと深刻であって、
「不公平になるから、全部やらない。」で
済まそうとしたその医者に対して、
「なんと公平な素晴らしい医者だろう。」と思う人がいるだろうか。
「不公平になるから、全部やらない。」は、
実は、その医者の自己満足でしかないだろう。これは傲慢だ。
「この医者に掛かっていたら、命に関わることでも同じ事を言い出して、
自己満足のために見殺しにされるかもしれない。」
と私は思った。
もう、掛かりつけをやめようとも思っている。
タミフルもすっかり飲みきって、明日から仕事に復帰します。
もう体からウィルスは発散していないので、大丈夫です。
※今日まで自主軟禁状態だったので、写真は最近まったく有りませんでした。
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