谷 好通コラム

2010年05月09日(日曜日)

2495.きっとシンプルな回答がある

いっぱいのことを抱えて考えていると、
物事がどんどん複雑になってきて、
何が基準であり、何が本当なのか分からなくなってくる。

 

もっとシンプルに考えるべきなのだろう。

 

アインシュタインが唱えた「相対性理論」とは、
光のスピード(光速)が絶対的な基準であり、
時間、空間、物質の、
そのすべての要素は絶対的な光速に対して、
相対的な存在でしかないということを数学的に説明したもの。
私の稚拙な知識ではそう理解している。

 

アインシュタインのすごい所は数学的な能力もさることながら、
光のスピードが、
光源に“向かって進む”観測者から見ても、
光源か“離れて行く”観測者から見ても、
まったく同じスピードであるという観測の事実から、
光速が絶対的な基準だとすると、
人間の感覚では絶対的な存在としか思えない「時間」とか「空間」の方が、
絶対的な存在ではなく、
相対的に変化するものと考えるべきところに、気が付いたところなのだろう。

 

光速がいかなる存在から観測しても絶対的な存在であることが観測されてもなお。
「時間」も「空間」も「質量」も絶対的な存在であることを前提に
光速の絶対性を理論付けようとしても複雑になるばかりであり、
どう複雑に理論を組み立てても難しかった。
というよりも無理だった。

 

だから、光速が絶対的な存在であるという観測結果だけを事実として認め、
自分の感覚では絶対の存在としか思えないところの
「空間」「時間」の方が相対的なのだと考えれば、
むしろ理論的に、つまり数学的にも正しい回答が得られた。
「E=MC二乗」という恐ろしくシンプルな式で表される回答だった。

 

この過程で最もすごいと思うのは、
「光速が絶対的であった」という事実の前に、
自分だけではなく、何億人、何十億人のすべての人が、
絶対的な存在と考える「時間」と「空間」の、
その絶対性を、あっさりと否定してしまい、
「時間と空間」の方が相対的なのだとした、そのすさまじいまでの「否定力」だ。
自分の固定概念と思い込みにこだわらない、すさまじいまでの「否定力」

 

人間、生きていく中で、
「絶対に欲しいもの」「絶対にしたいこと」
「絶対に譲れないこと」「絶対に許せないこと」「絶対に出来ないこと」などなど
そんな「絶対に」と思い込んでいる要素があまりにも多い。
その絶対性をすべて絶対的なものとして成立させることは、
あまりにも複雑になって難しい。というよりも無理だ。

 

それぞれが持っているたくさんの「絶対に・・」は、
実は、自分の思い込みだけであって、
あるいは人間全体の、民族の、国の、組織の、身内の勝手な思い込みだけであって、
複数の「絶対に」のつじつま合わせと、
あるいは逆に、ぶつかり合っているだけなのではないか。

 

実は「絶対的な存在は“光速”である」のように、
何が本当に、不変であり、
いつでも、どこでも、どんな立場でも、
あらゆる存在から絶対的なものであるのかを見極めると、
驚くほどシンプルな回答が見えてくるに違いない。

 

今日は、そんなことを考えた。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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