谷好通コラム

2012年01月20日(金曜日)

2958.当たり前のことを高いレベルと高い精度で

(この話は昨日19日に書いたものです)

ただいま四国の高松に向かう列車の中。
名古屋からは新幹線で岡山駅まで行き、
乗り換えた「マリンライナー」で四国大橋を渡り、約1時間弱で高松駅に着く。
高松には「天雲石油・キーパーラボ高松西店」がある。
天雲石油さんとは
キーパーラボが快洗隊であったころ、
それももう10年位前からのお付き合いである。
SSをかなり大胆に改造し、
「洗車屋快洗隊・中森大橋店」という快洗隊FC店としてやってこられた。
それが一昨年、
地元銀行さんにATM設置のためにお貸ししていたSS脇の土地が、
たまたま契約が切れるのを機に、
おととしの8月、その場所に立派なブースを建設して
「キーパーラボ高松西店」として生まれ変わり、再スタートした。

「快洗隊・中森大橋店」も
昔からなかなかの実績を上げられていた店舗であったが、
立派なブースを新たに建てて「キーパーラボ高松西店」となってからは、
前年同月比150%以上を連発し激しく実績を上げられた。
店があれだけ立派になったのだから、さもあらんとも思ったが、
もちろんそれだけではない。
ブースが出来てからの二回目の年末である去年の12月、
つまり前年同月もすでにブースが建っていた去年の12月に、
なんと680万以上の実績を上げられ、
またもや、洗車・コーティング売上げ前年同月比を148%としたのだ。
この店舗、どこまで伸びていくのか、恐ろしいくらいの勢いなのです。

高松市は人口40万円の典型的なローカル都市。
その高松市のにぎやかな街並みからは外れた西に「高松西店」はある。
すぐ近くに通行量の多い産業道路があるが、
この道から100mほど入った生活道路に位置して、回りは田んぼと畑である。
キーパーラボの立地は産業道路やバイパスのような通貨車両が多い道よりも、
生活道路として地元に住んでいる人がよく通る道が合っているようです。

高松西店の昨年比を見ると
天候が良かったせいもあって来店客数が前年比115%と多くなっているが、
洗車の台数は107%とそれほど伸びず、
ピュアキーパー117%、
ダイヤモンドキーパー107%と若干伸びたに過ぎないが、
クリスタルキーパーだけが前年比150%と大きく伸び、
その結果、平均単価が前年比129%と伸びている。
クリスタルキーパーはリピート施工が多く、
口コミでのクリスタルキーパー新規施工も多かったそうです。

だから、クリスタルキーパーはやたらと多かった印象はあるが、
昨年に比べてそれほど大忙しで混乱するような場面もなく、
来店台数115%×平均単価129%=売上げ148%となってしまったようなのです。

・・・
・・・・・・
と、ここからは、高松から松山に行く列車の中で書き続けます。

高松でキーパーラボ高松西店を経営する天雲石油さんの天雲社長から
色々とお話をお聞きした。

売上げを約1.5倍にするということは
並大抵の努力では出来ないはずなのです。
しかしこの場合、ある意味、あっけなかったようだ。

前年比115%の来店数の要因の一つである新規来店の多くが、
洗車ではなくコーティングで来店され、
ピュア、ダイヤモンドキーパーも若干増えたが、
とりわけ、口コミなどでクリスタルキーパーを施工される方が多く、
高いリピート率も手伝って、
クリスタルキーパーの伸びは顕著となって平均単価を129%とした。
しかしこれらのお客様は、
そのほとんどが予約をされての施工だったので、
店が混乱する要因にはならなかった。

115%×129%=148%は、
店舗をほとんど忙しくせずして実現してしまうのですね。

もちろん、これを実現するには大切な要素がいくつかある。
平均単価129%はクリスタルキーパーの台数が150%になるだけで実現しない。
この12月は、接客・受注を
責任者クラスのスタッフが張り付きでしっかり行なったそうだ。
基本的に作業はしない。
店が混んできても決して焦らず、しっかりとお客様の要望を聞き取って、
クリスタルキーパーを中心に、
簡易研磨とか、ヘッドライトのクリーン&プロテクトとか、
ウィンドウの撥水とかのアラカルト商品が必ずと言っていいほど伴ったのだそうだ。
これも平均単価を押し上げた大きな要因の一つであろう。

加えて、この年末は「予約」が浸透して、
年末の終盤は「予約」の仕事を淡々とこなし、
作業も決して急がず、しっかり品質を維持しつつも、
無駄な車の移動もないので、まさに淡々と、淡々と、仕事をこなし、
十分な説明を伴ったお引渡しも出来たそうだ。

こうしてキチンとした品質のコーティング、
とりわけクリスタルキーパーを施工されたお客様は、
来年もまたリピートされるのでしょう。

天雲石油の天雲社長いわく
「“当たり前のこと”を、高いレベルで、高い精度で、いつもやり続ける。」
これは実に意味の深い言葉だと思ったのです。

当たり前のこと、その①とは、
「キチンとお客様の要望をお聞きすること。」

どんなにたくさんのお客様が来られて忙しくても、一人一人のお客様が、
それぞれのお車にキチンとご自分の要望をお持ちなのだから、キチンをお聞きする。
出来そうでなかなか出来ないことですが、
ここの部分を役割分担で、キチンとさせていただいたから、
それぞれが持っている高い要望を実現し、
技術を要する高い付加価値商品を提供し、
それが結果として高い効率に結びついて、淡々とした仕事と高実績に結びついた。

当たり前のこと、その②
「年間を通じて、いつもキチンとした施工で、キチンとした商品品質を提供すること」

どんなに暇な時でも決してだらけず、
どんなに忙しい時でも、決して急がず、
いつもまったく変わらずに、
キチンとした施工をして高い品質のコーティングを提供すること。
この高い品質がお客様の満足に結びついた。

これは非常に重要な部分で、
店が忙しいと、作業も急ぎたくなるものだ。
しかし、お客様にとっては、洗車でもコーティングでも、
店が忙しかろうと暇だろうと同じ金額を支払うわけであるし、
店が忙しいからといって、いつもよりも急いだ作業をされたのでは、
どうしても仕事が雑になるし、待った甲斐もなくなる。

床屋さんを思い出して欲しい。
床屋さんの店がたまたま忙しい時だからと言って、
普段は30分かかる調髪コースを、
ものすごく早く手とハサミを動かして15分で仕上げてしまったら、
そして、もしそのお客様があなただったら、おなたはどう思うだろうか。
「この店はもうやめよう。」と思うのでないだろうか。

もちろん、いつも洗車･コーティング作業は、
余計なことをせずキチンと正当に早くなければならない。
作業が遅いことを「丁寧にやっているから」という人がいるが、
遅い作業とは、それが丁寧なだから遅いわけではなく、
余計なことをダラダラやるから遅くなるだけ。(あえて断言する)
その商品品質は決して良くない。
こんな人こそ、
忙しいと、無用に急いで、やるべきことをやらないものです。
だから、余計に品質が下がってしまうものです。

店が忙しいと作業(接客受も)を急いでしまう店は、普段から品質が良くないのは、
本当にたくさんの店を見てきて思う共通点です。

当たり前のこと、その③
「お客様がお待ちいただくゲストルームはもちろん、店舗を常にきれいにする。」

これはとやかく言うことも無い。まさに当たり前のことだ。
車をきれいにする店が汚いようでは話にならない。誰も信用しない。

この当たり前を、
高いレベルで、
高い精度で、いつも実現する。

高いリピート率と、口コミによって紹介された新規のお客様になって、
前年比115%の来店増となり、
前年比150%のクリスタルキーパーの施工台数を実現し、
前年比129%の単価アップを実現して、
それが掛け合わさって、
前年比148%の売上げアップを実現した。

「何も奇抜なことはしていない。
毎日、毎日、当たり前のことを、高いレベルで、高い精度で実現してきただけ。」

高松西店のこの12月のすごい実績は、12月に作ったものではなく、
1年間の当たり前のことを、高いレベルと、高い精度で続けた、結果だったのです。

キーパーラボ高松西店の天雲社長と二宮課長。