谷 好通コラム

2012年04月06日(金曜日)

韓国料理と中華料理、日本料理

韓国料理はとてもおいしかった。
鶏を丸ごとスープで煮込んだサムゲタンが私は特に好きだ。
カルビの焼き肉もおいしいし、
牛肉のプルコギもおいしい。
いずれも野菜で肉を包み、野菜をたっぷり食べるのがいい。

 

しかし韓国料理は、
韓国で食べる韓国料理が一番おいしいと感じるのは、
日本にある韓国料理屋さんが、
その味や形を日本人の舌と好みに合わせてしまって
元々の韓国料理ではなくなっているからだろう。
韓国料理は、韓国で、元々の韓国料理のままの味で食べるのが、
私は一番おいしいと感じる。

 

しかし「郷にいれば郷に従え」という言葉があるとおり、
異国の地、日本に住んだ韓国の人が韓国料理屋さんをやった場合、
店に来るお客様はほぼすべて日本人なので、
お客様に喜んでもらおうと、
日本の人たちがおいしいと感じる味に韓国料理を変化させるのは、
当然のことなのだろう。
すでに韓国料理は、日本において別のものになっているから、
私達が韓国に行った時に地元で韓国料理を食べると、
それは別物であり、新鮮な驚きがある。
だからと言って、日本にある韓国料理屋さんが美味しくないという訳ではない。
違う美味しさであるということなのだろう。

 

もっと極端なのが中国料理だ。
日本には黄色い四角の建物で「台湾料理・・」と書いた中華屋さんがたくさんある。
すべて中国の人が経営していて、勤めている人もすべて中国の人だ。
どういう組織になっているのか知らないが、
どの店でも必ず「台湾ラーメン」があり、他のメニューも良く似ている。
味もみんな同じような味で、いわゆる日本流の中華の味。

 

何年か前、中国上海の頼さんが、
日本に研修に来ていた時、
刈谷の元アイ・タック本社の前にあった「台湾料理」の店で、
一緒にご飯を食べた。
そうしたら頼さんが怒り出したのだ。
「こんなのは台湾料理じゃない。だいいち君たちは台湾人じゃない。
なぜ台湾人じゃない中国人が、台湾料理でもないものを出して、
台湾料理の看板出しているのか。変だよ。こんなの。」
頼さんは、今は上海で生活しているが、台湾出身の台湾人なのである。
だからこんな風に怒ったのだ。

 

そういえば、
その店をやっていた中国人が自分は福建省の人だと言っていた。
これをインチキだと言ってしまえばそれまでだが、
本場中国で食べる中華料理は、それが台湾であっても、
普通の日本人には食べられない場合が多い。

 

中国で食べる純粋な中国料理は香辛料がたっぷり使われているので
「臭い」と言って食べられない人が多いのだ。

 

何年か前の社員がまだ少ない頃、社員旅行で上海に行ったことがあった。
それ以前に何十回と中国に行っていた私は、
せっかくみんなが上海に来たのだから、
日本からのツアー団体客が行く日本人に合わせたようなレストランではなく、
上海の地元の人たちが行く生粋の中国レストランに連れて行ったことがある。
そうしたら、みんなレストランに入ったとたんに
中国料理独特の香辛料の強いにおいを「臭い」と言い、
出てきた料理にもまったく手をつけない人がかなりいたのだ。
その数約3分の2。
私は本物の中国料理をみんなが喜んでくれると思ったのに、
大はずれで不評極まりなかった。

 

おいしいおいしいと喜んで食べてくれたのは、
H.オサムの家族とか、菅野君とか、鈴置君とか、
何かとタクマシイ人たちだけ。
というより鈍感な人?たちだけだった。
とすると、その中でも最も鈍感なのが私ということになる。

 

いずれにしても、
中国料理が日本に来て、日本流の中国料理に変化していることは間違いない。
「郷に入れば郷に従え」で、
横浜の中華街で食べても、あれは日本流の中華料理だと思うほどだ。
私は中国の各地に行き中国のそのままの中華料理をたくさん食べたので、
中国での中国料理が本当においしいと思っているので、
日本での中華料理は日本流中華料理、あるいは中華風日本料理だと思っている。
しかしそれぞれが違うだけで、それぞれがそれぞれのおいしさがあるだけなのだろう。

 

どうすべきなのだろうか。
たとえばであるが、韓国で洗車とかコーティングを展開する場合、
KeePerを、純粋にKeePerとして、KeePerのマニュアルで、
KeePerの商品ラインナップの位置づけで、KeePerの接客で、
KeePerを、韓国で、韓国のお客様に提供すべきなのか、
あるいは韓国の事情に合わせて、
すべてのことを韓国風にアレンジして提供すべきなのか。

 

私が中国料理は中国で作られる中国料理が一番好きで、
日本風になっている中国料理は中華ではないと思っているのは、
中国人から見れば正しいのだろうが、日本ではあまり売れないかもしれない。
あるいはグローバルな世界になっている現代では、
もう日本風の中国料理よりも、本場そのものの中国料理の方が
新しく店を出すなら、差別化が図られてうまく行くのかもしれない。

 

韓国で洗車やコーティングを新しく展開するならば、
純日本流に実践したほうが、差別化が図られていいのかもしれない。

 

どちらなのだろうか。

 

私は、韓国料理は韓国で食べた方がおいしいと思い、
中国料理は中国で食べた方がおいしいとは思うが、
私は日本で生まれ育ったので、
やっぱり、日本料理が一番好きである。
韓国料理と中国料理のそれとは別次元で、日本料理が一番おいしいと思う。

 

毎日食べても飽きないのは断然日本料理である。

 

だとするならば、洗車もコーティングも繰り返すものなので、
韓国では韓国流にアレンジすべきなのかもしれない。
悩ましいところである。

 

 

本場韓国ソウルのプルコギ

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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