谷 好通コラム

2012年05月19日(土曜日)

最後を、どう締めくくるのか

先日、久しぶりに富士スピードウェーで走りました。
サーキットでレーシング走行をすること自体、7ヶ月ぶりです。
昨年までのゴルフGTIカップレースが、今年は無くなってしまったので、
これでもう自分が走ることは無いのかなと思っていました。

 

ゴルフGTIカップカーとは桁違いの本格的なレースカーです。
これを自分が本当に乗れるのか、
乗れたとしても、ちゃんとレーシング走行ができるのか、
全く分かりません。
しかし一度乗ってしまうと、
それがどんなに難しいと思っても、
何とか乗りこなせるようになりたいと強く思ってしまいます。

 

レース走行は人が思うほど体力がいるものではありませんから
トレーニングをすれば、体力はまだ少しは何とかなるだろうと思います。
しかし、体の反応スピードと動体視力は、
60歳を越して、確実に低下していると自覚する事はたびたびです。
身体全体が鈍くなっているのです。
頑張っても、
なんとか走れるようになるのが精一杯でしょう。
レースに出られるようなレベルになるかどうかは疑問です。

 

しかし、しかし、
やってみたいと感じている自分を、
“どうせダメだろう”で、
諦めさせることを、私は今までしたことがありません。
やって見なきゃ分からないのなら、
とりあえず、”やる”と、きまって選択してきました。

 

またやるのか、
まだ、やるのか、
恥ずかしくもなく、またモタモタと走って、
やっぱりダメだなぁと、深いため息を着くためにやるのか。

 

ゴルフGTIカップですら、
そろそろ限界かなと思い始めていたくせに、
もう一度走るなんてことは、ただの無謀か。
しかし、私はすでにもう限界を超えているのかも知れないが、
どちらにしても、走れなくなるのがもう間近であることは間違いないので、
最後に、悔いの残らない形で走ってスパッとやめることも有りかもしれない。

 

ゴルフカップのように、
レース自体そのものがなくなって、
仕方なくやめるのは、やはり悔いが残ります。

 

どうせここまでやってきて、
レースに出ることで自分の中にいっぱい元気をもらってきたのだから、
仕方なく、なんとなくやめるよりも、
自分の「限界」を突きつけられ、スパッとやめたいとも思います。

 

 

久しぶりにサーキットを、
初めての速く難しい車に乗ってみて、
今また、ほんの少しですが、久しぶりに心の中に火が着いています。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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