谷好通コラム

2012年08月18日(土曜日)

スタート時の順位など99.9%関係ないが。

気が重く、鈴鹿サーキットから帰る車の中。
今日はスーパーGTの第5戦「鈴鹿1000km」の予選がありました。
#35 KeePer Kraft SC430の調子は良かったが・・・

先々週、富士スピードウエェーで行われた公開テストでは、
われらが#35KeePer Kraft SC430(以降単にKeePer SC430)は、
テストに参加したGT500クラスの車の中でトップタイムを記録し、
今回の鈴鹿1000kmに期待を持たせたのでした。

昨日の夜はドライバー二人とレース関係者の人たちで食事。
しかしドライバーはレース前には絶対お酒は飲まない。
もちろん飲酒運転とは関係なく、
アルコールは時間が経っても
レース走行での鋭い反応にマイナスなので、飲まないのだそうです。
食事会は楽しかったが、それほど多くの酒を飲んだわけでもないのに、
私は随分、酔っ払ってしまいました。
少しくたびれているのかもしれません。

今日の予選。

今回のレースの予選はノックダウン方式といって、
一回目の予選走行(Q1)で15台中の上位タイムの11台が残って、
二回目の予選(Q2)に進出する。
Q2に進出できなかったチームは、この時点で12位から15位の順位が決定。
そして今度は
二回目の予選(Q2)11台中の上位タイム7台が残って、
三回目の予選(Q3)に進出する。
Q3に進出できなかったチームはこの時点で8位から11位の順位が決定する。
そして最終のQ3でのタイムで、
1位から7位までの順位が決定する。

何ともややこしい方法だが、
予選から身に来ている熱心な観客には、
予選走行が三回も見られて面白いはずだし、
走る側も一度目を多少失敗しても、
ノックダウンの順位まで下がっていなければ、
二度目、三度目と挽回するチャンスがあります。
でも、逆を言うと
本当なら上位のタイムを出せる実力があっても、
Q1あるいはQ2で、致命的な失敗をして、
ノックダウンされるような順位まで下がると、
本来の上位での争いからはじき出されてしまうことにもなります。

Q1、Q2、Q3と三回ともの予選走行をきっちり走りきることが必要です。
と同時に、三回の「運」も必要でしょう。
ノックダウン方式の予選は、面白くもあるが、難しく、幸運も必要なのです。

そして、
われらが#35 KeePer SC430の予選結果。

Q1は、
予選の途中で赤旗が出て、時間切れ寸前、
すべての車が、たった1周だけのタイムアタックしか出来ず、
不運な車も何台か出たが、
われらが#35 KeePer SC430は、何の不運も無く、
Q1を第二位!で通過。ドライバーは国本雄治

Q2
11台のQ2に進出した車がそれぞれ果敢にタイムアタック。
われらが#35 KeePer SC430は
予選時間最後のラップに、
アンドレア・カルダレッリが上位を狙いタイムアタックする。
セクター1、セクター2、セクター3まで順調にタイムを上げ、
そのすべてを自己ベストで走っている。
いける!これなら少なくともQ3への進出はできると思った。
しかし、
ストレートの前にあるシケインに進入する時、
前を行くベテランドライバーの車の挙動に惑わされ、
明らかにタイムロスをした。
その結果、最終のセクター4はあれっ?というタイムで、
その結果、なんと第9位・・・

Q3進出もならず、オシマイとなってしまった。
決勝のスタート順位は9番目と決定したのです。

カルダレッリには酷だけど、
フェイントを掛けられたくらいで大切なQ2を落とすようでは、
まだまだなのではないか。

しかし、
これは予選。
明日の約7時間走り続ける1000kmレースの予選。
スタート時の順位は99.9%関係ない。
ドンマイ、ドンマイと思っても、やっぱり悔しいものは、悔しい。

ため息をつきながら、渋滞の道、鈴鹿サーキットから帰ったのです。