谷 好通コラム

2013年01月29日(火曜日)

1.29.「早けりゃイイってもんじゃあない」

「時間品質」という造語が、LABOの中でよく使われていますが、
これは「お客様とのお約束時間をキチンと守る。」という意味です。

 

「商品の品質」をしっかり維持していくことは最も重要なことですが、
ダラダラと時間をかけて仕事をするのはいけません。
時間のかけすぎは、集中力を欠き、
余計な無駄な作業が入り込んで、
かえって商品品質をも落としてしまうことになります。
もちろん、そんなことよりも、
お客様にお約束した作業時間を守らないのは、
お客様に対する裏切りであり、お客様の信頼を失う行為でもあります。
「時間品質を守る。」とは
お客様とお約束した時間をしっかり守るという意味で使われています。

 

しかし今、LABOにおいて
ちょっとした勘違いが、ここに発生しています。

 

「時間品質を守る。」ということは、
「作業時間は、早ければ早いほど、時間品質が高い。」と捕らえ、
お客様とお約束した時間よりも“早く”「出来ました。」とお客様に伝えるほど、
時間品質が高いことであり、
時間品質を高く守ることだと思っている人がいるのです。
短く言えば「早けりゃ、早いほどイイ」と言うことでしょうか。
これは間違っています。

 

お客様の気持ちになって見ればすぐ判ります。
たとえば、
「クリスタルキーパーの施行に、1時間半、お時間を頂戴します。」と、
A君は、お客様に約束をして、
一生懸命、時間品質を上げようと、
大急ぎで作業をやり、
かつ、商品品質も精一杯高く心がけて施行し、
元々作業が上手いので仕事が早いA君は、
1時間ちょうどで仕上げてしまった。
お約束の時間よりも
30分も早く作業が終わったので、
つまり、時間品質を高く出来たので、
さぞ、喜んでくれるだろうと期待して、
A君は、お客様に「出来ました。」と作業の終わりをお伝えに行った。
ところが、
お客様は、
「えっ、もう終わったの?
1時間半かかるって言ってたけど、もう出来たの?
作業見てたら、ずいぶん急いでいたけど、
大丈夫? ちゃんとやってくれたの?」
と、不安そうに言われて、
あまり喜んでいただけなかった。

 

A君はがっかりです。
A君は本当に素晴らしい技術を持っているので、
完璧な高品質を維持しながら、大急ぎでやれば、
標準時間の2/3の時間で施行を終えることができます。
まさに「上手いは早い」を、絵に描いたようなスタッフなのです。

 

しかしお客様はそんなことはご存知ではないので、
「言ってた時間より随分早いけど、大丈夫っ?」となった訳です。

 

まず何が間違っていたのでしょう。
お客様に「ずいぶん急いでやっていたけど、ちゃんとやったの?」
と、言わせるような
「ドタバタ」と急いでいるような動作を行ったことが、
お客様に不安を感じさせてしまったようです。
淡々としてキチンと確実な動作が、
お客様に「さすがにプロだなぁ」と言わせるような動作なのでしょう。
ドタバタと急いではいけません。

 

KeePer PROSHOP研修会でお見せしたDVDに
キーパーLABO足立店・内藤一也君の
クリスタルキーパー施行作業がありました。
作業のコツをお伝えするために造ったDVDですが、
このビデオの中で内藤一也君は、
標準時間1時間半のクリスタルキーパーを
1時間20分で全作業を終えています。

 

標準時間より10分短い時間です。
しかし、この作業がまったくあわてずに、
むしろ、こんなにゆっくり?と思えるほどのペースで作業していることに、
みなさん驚かれます。

 

やるべきことを無駄なく、余計な手数を動かさずに、キチンと作業すると、
ものすごくゆっくりやっているように見えても、標準時間より短いのです。
ですから、彼が大急ぎでやれば、
本当に1時間でやってしまうことも出来ます。

 

でも急ぎません。
急いで仕事をしているような動作は、
お客様が不安になるので、急ぎません。

 

作業が確実になり、余分な手数が減って、仕事が確実に早くなって、
1時間20分で出来るならば、
お客様との時間のお約束を「1時間20分いただきます。」と、言うべきでしょう。
「標準の時間よりちょっと早いけど・・」と思われそうならば、
「お車の状態が大変いいので・・・」とか、
「今、集中して作業が出来ますので・・」とか、色々な言い方は出来るでしょう。
いずれにしても、約束を守ることです。

 

もちろん、まだ作業に2時間かかるようなら、
「確実に作業させていただきますので、2時間作業時間を頂戴します。」と
言うべきです。

 

いずれにしても、
時間品質と言う言葉がいけないのかもしれません。
品質ならば高ければ高いほどいいわけであり、
時間品質が高いと言えば、
若い子たちが「早いほうがイイ」と考えても無理はありません。

 

言葉をどうするのかは別に考えるとして、
「時間品質が高い」とは、
「お客様とのお約束の時間を守る。」ということを、
みんなと、よく確認をしておかなければなりません。

 

「早けりゃイイってもんじゃあない」のです。

 

 

今日は久しぶりに東京です。
富士山がばっちりでした。

 

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2013年01月29日(火曜日)

1.29.また考えてみました、「今すぐにでも出来ますよ」

車のコーティングは、
その現場で作り上げるものですから、
純然たるサービス業の範疇のビジネスです。
だから、店舗の技量によってその商品品質も決定されます。
お客様もそれを分かっていらっしゃるので、
技術が高く、実績のある、上手い店で施行したいと思っています。
また、丁寧に作業してくれることを望みます。

 

だから、前話では
「『今すぐにでも出来ますよ。』の言葉が、
『いい加減に雑な作業をされるような気がする。』と、
お客様に取られるならば、
もうクリスタルキーパー以上の商品の施行は、
「予約」でやると、決めたほうがいいのかもしれない。」としました。

 

しかし、この場合でも、
我々LABOのような専門店ならば、
たまたま、いかにも設備が空いていて、
スタッフの手も空いているようならば、
「今すぐにでも出来ますよ。」と言葉は、かえって自然であり、
何も「いい加減な作業をされるのでは?」とは誰も取らないでしょう。

 

だから、この言葉を一律に禁止すると、
「うちは”予約”でしか、仕事しないよ。」なんて高飛車な店舗になりかねません。
それはダメでしょう。
状況に合わせて使い分けることが必要なのでしょうか。

 

しかし、今までのように、
店舗がそれなりに混んでいても、
軽々しく「今すぐにでも出来ますよ。」を乱発すれば、
「売り上げを早く上げたくて、ガツガツしている。」ように聞こえ、
「いい加減な作業をしそうだ。」と思われても仕方ないでしょう。
今後は意識して、軽々しく使わないようにしていく必要がありそうです。

 

多くのガソリンスタンド等を運営しているKeePer PROSHOPさんの場合、
洗車・コーティングの他にも
いっぱいの種類の仕事が、常にあるわけなので、
「今すぐ出来ますよ。」は、「大丈夫なの?」と思え、
お客様に軽く聞こえてしまう可能性が高いような気がします。
キチンと「予約」で、施行をお受けしたほうが、
お客様が安心することは間違いなさそうです。

 

他に仕事を持っているKeePer PROSHOPさんは
「予約」での受注と、「予約」での施行が一番良さそうです。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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