谷 好通コラム

2013年08月06日(火曜日)

8.6.歯医者のくどきに泣いた女一人「ひかり」

数日前、一か月をおかずにたて続けに孫たちが帰ってきて、
今日の午前中に帰っていった。
お盆に来られないので、早めに帰ってきたもので、
もうしばらくは帰ってこないだろう。

 

私も還暦を越して、歳取ったのだから当たり前だが、
一人前に孫がかわいいと思う普通のジジイになってきたようだ。
あいつらが帰ったあと、ぽかっと寂しいと思ったのだ。
クールな連れ合いに言わせれば、
「いつまでも引きづっていても仕方ない。」と
いかにも私を女々しいジジイのように言うのが、なんともにくたらしい。

 

夕方になって娘がメールを送ってきた。
無事に帰ったという知らせと、
面白い写真が一枚添付されている。

 

写真をお見せする前にその背景を説明すると、

 

①娘はこちらに来ている間に
“グミ”を食べながら運転していて、
虫歯の穴に込めてあった銀(銀ではないが)が取れてしまったそうだ。
それで、
本当は今日、ゆっくり出て行けばいいのに、
「なんとしても歯医者に行くのだ。」と、
割と早く富山に向かって出て行ってしまった。何とも寂しい。

 

②下の孫が、前歯の二本の乳歯がグラグラになっていたのだが、
引っ張って取ってやろうと何度言っても、「ヤダッ」と言って逃げる。
二本の前歯がほとんどぶら下がっている状態まで取れかけていたのに
とうとう帰る時まで、取らせず、
二本の歯がプラプラしたまま帰っていった。

 

③娘は富山まで順調に帰れたらしく、歯医者に直行した。
もちろん、虫歯の治療は簡単に済んだはずだ。

 

④下の孫は、いつもお母さんにべったりで、どこへでもくっついていく。
きっと、歯医者の診察室の中にまで着いていったのだろう。

 

⑤お母さんの治療をあっという間に終えた歯医者は、
お母さんにくっついているチビの、プラプラの前歯を見逃す訳がない、
なんだかんだと、うまく口説いて瞬間的に二本とも抜いてしまった。

 

たぶん、そんなシチュエーションではなかったかと想像する。
あれほど嫌がって逃げてたのに、
歯医者に口説かれて、二本抜かれて、
ちょっと涙目になっている「ひかり」がかわいい。

 

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2013年08月06日(火曜日)

8.6.「ぼろ金」は、「よぼフナ」「でかドジョウ」と一緒に、幸せ

二三ヶ月か前の事です。
出荷事務所の鷹見君が言いました。
倉庫に出入りしている半野良猫「ネネ」が、
口いっぱいに何か大きなものをくわえて倉庫に来たそうです。
それを鷹見君の目の前にポロンと出したら、丸々とした金魚でした。
「おくさ~~~ん、ネネが金魚捕まえてきましたよ~~」

 

近所の家の庭の池に飼っていた高そうな金魚を、
ネネが捕ってきたようなのです。
まだピンピン生きています。
ネネが金魚の体に歯を立てる前に口にポコンとはまったのか、
金魚の体には何の傷もありません。
ウロコ一枚取れていません。
ただ房になった長く薄い尾ビレがボロボロになっています。
いずれにしても急いでバケツに水を入れて、金魚をその中に入れて助けました。

 

なんだか高そうな金魚です。
インターネットで調べてみると、

 

どうも「キャリコ」という種類の金魚のようです。

 

 

どこから捕ってきたのか判りません。
泥棒猫「ネネ」の責任者である連れ合いは、
仕方なく家に持って帰って、
尾ビレがボロボロになっても元気な金魚を水槽に入れました。

 

60cmの標準的な水槽で、もう二十年以上も前からあるものです。

 

中には、先客が二匹います。
一匹は、
昔、何匹か飼った「フナ」の生き残りで、
年老いて背骨が曲がり、よぼよぼと泳いでいます。「略:よぼフナ」
もう一匹は、
やはり、昔、何匹か飼った「ドジョウ」の生き残りです。
他のドジョウは柳川鍋で食べるようなドジョウらしいドジョウだったのですが、
この生き残りは「お前、本当にドジョウか?」と聞きたくなるくらい
大きくなって、たくましく生きているでかいドジョウです。「略:でかドジョウ」

 

この「よぼフナ」と「でかドジョウ」は、
不思議なくらい仲良しで、
決して追ったり、突いたりせず、寄り添って元気よく生きていました。

 

その中へ、尾ビレがぼろぼろになった高級金魚(略:ぼろ金)を入れると、
その平和が崩れるのではないかと少しハラハラしたのですが、
そんな心配はまったく無用でした。

 

「ぼろ金」は、
「よぼフナ」「でかドジョウ」と
あっという間に、打ち解けて?
10年前から一緒にいるかのように、仲良くやっています。
決して突いたり追いかけたり、ちょっかいを出したりなんかしません。
三匹仲良く並んだり、それぞれに勝手なことをやったり、
見ていると、ほのぼのしてしまいます。

 

しかも赤虫のエサをやる時は、
先を争ってドタバタとエサを食べる三匹が大騒ぎになって
下品なイキイキした水槽になり、楽しいのです。

 

その中でもとりわけイキイキなのが「ぼろ金」です。
尾ビレがぼろぼろになる前は、
薄いレースのカーテンのようなふさふさした尾ビレが、
あくまでも優雅に、
フワーっとゆっくり揺れていたのでしょう。
優雅な尾ビレのおかげで、金魚全体が優雅な動きになり、
そのゆったりとした趣がこの金魚を、高級金魚にしていたに違いありません。

 

でも、ネネがくわえて
尾ビレの優雅なレースの部分をぼろぼろにしてしまったので、
尾ビレが軽くなってしまい、
パタパタとせわしく動かせるようになって、
金魚全体の動きがパタパタとせわしく優雅さがなくなり、
下品になってしまいました。
とても高級金魚とはいえない動きです。
年がら年中エサを探しているような動きの、
品のない金魚になってしまったのです。

 

しかし、
考えて見れば、
お上品で優雅なあのフサっとした尾ビレは、
人間が見て優雅な動きになるように、
人間が勝手に品種改良して作った形であり、
金魚が好き好んで、あの尾ビレになったわけでもなく、
ゆっくりと優雅に動いていたわけでもないのでしょう。
あくまでも人間の勝手です。
金魚にとっては、
尾ビレのフサフサがぼろぼろになって無くなったので、
パタパタと、せわしく動けるようになって、
身軽になって
本当は幸せなのかもしれません。
金魚の気持ちはわかりません。

 

「ぼろ金」は、
「よぼフナ」「でかドジョウ」と一緒に、
今日もせわしくパタパタと生きています。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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