谷 好通コラム

2015年11月07日(土曜日)

11.07.みんなが聞こえる声を出せるのに出さない人

会議の中で、発言者が、みんなが聞こえるような大きな声が出せず、
「聞こえないので、大きな声で話しなさい。」と注意されても、
最初だけは声に力を込めたような素振りをするが、
実際には、まったく声は大きくならず、
絞り出すような感じだけでボソボソと小声を出して、
”聞こえる”声を、まったく出そうとしない人がいます。
こういう人は、
大きな声を、出”せ”ないのか、出”さ”ないのか、
その人の声帯に肉体的な障害があるのでなければ、
出”せ”るはずなので、
やはり、出”さ”ないのでしょう。

 

なぜ出せるのに、出さないのか。

 

聞いている相手に聞こえるかどうかよりも、
何か優先することがあって出さないのでしょうか。
出さないと何かいい事があるのでしょうか。
私はいつも不思議で仕方がないので、
その人の気持ちになってみようとするのですが、やっぱり分りません。

 

不思議です。

 

これって何かに似ているような気がします。
読むべき本があって、
読めばいい事があるのに、読めるのに、読まない。
書けばいいのに、
書けばきっといい事があるのに、書かない。
なにがそうさせているのか。

 

あるいは、
よくニュースをにぎわしているイジメで、
イジメの現場を見ているのに、それを誰も止めようとしない同級生たちがいて、
止めようとすれば、止められるのに、止めようとしない不思議な現象は、
大きな声を出せば出せるのに、
なぜか出さない、この現象に似ているなと思いました。

 

何がそうさせているのでしょうか。
似ているようなことがいっぱいあります。

 

やればいいのに、やれば出来るのに、
なぜか、やらないことっていっぱいあります。
自分の中の何がそうさせているのでしょうか。

 

勇気がないからとか、
決断が出来ないからとか、
そんなオーバーなことではなくて、
ほんのちょっとしたことが、自分を、やらない人にしているのでしょう。
そのほんのちょっとしたことって何なのでしょうか。

 

ひょっとしたら、、
“やりたい”と思うか、思わないか、だけなのではないでしょうか。

 

みんなが聞こえる声を出せるのに、出さない人は、
出したくないから、出さないのではなく、
出したいと思わないから出さないだけなのでしょう。

 

その本を読みたい。とは思わないから読まないのでしょう。
書きたい。と思わないから書かない。
そのイジメを止めたい。と思わないから止めないのでしょうか。

 

私達の商売は、
お客様のお車をプロの技術で、素晴らしくキレイにすることです。
そのための技術を技術スクールでたくさんの人にお伝えし、
その為のケミカルなどの道具を提供します。
しかし技術を身に着けて、
プロの仕事が出来るようになって、
お客様のお車を素晴らしくキレイに出来るようになっても、
お客様の車をキレイにしたい。と思わなくては、お客様の車はキレイになりません。

 

キレイに出来ることと、キレイにすることとは別で、
お客様のお車をキレイにして、
お客様が喜ぶ事を嬉しいと思い、それを楽しみにして、
お客様を喜ばせたい。
だから、お客様のお車をキレイにしたい。と思えば、
お客様のお車はキレイになります。

 

でも、
大きな声が出せるのに、
出したいと思わないので、出さない人と同じで、
キレイにして、お客様が喜ぶ事に、自らの喜びを見い出せない人は、
お客様のお車をキレイにしたいとは思わないので、
お客様のお車はキレイになりません。
大きな声が出ないのと似ています。
ここは、価値観の問題かもしれません。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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