2021年09月03日(金曜日)
9.03三十年前に買った土地の値が下がってしまった。
この会社が創業されたのは1986年。
わたしと連れ合いの二人で
共同石油高津波給油所という名のガソリンスタンドとして起業しました。
この店では紆余曲折はありましたが、
順調に売り上げを伸ばしました。
しかし、血気盛んな私はすぐに2軒目の店舗が欲しくなって
借り物件を一生懸命探したのですが、
独立して間もない会社に借地を得ることは出来ずに
1号店から数km南に下った同じ通り沿いの土地が売りに出ていて、
結局それを買うことにしました。
その土地は132坪で、坪単価50万円。
つまり6,600万円で買ったのです。もちろん全て銀行からの借金です。
ガソリンスタンドの用地として132坪は小さい方で、
決して通行量の多い場所でもなく、今だったら絶対買ったりしません。
借地でも借りなかったでしょう。
それでも、私は販売については自信があったので、
創業わずか3年目で大きな借金を背負ってまでして、買ってしまったのです。
しかし、その頃あった特石法という総量規制の法律で、
新しいガソリンスタンドを一軒開くには、
日本のどこかのガソリンスタンドを一軒閉めなくてはならず、
しかし、元売りさんがどこかの売れない店舗をどこか閉めてくれるだろうと
販売力に自信のあった私は、
たかをくくって大借金をして買ってしまったのです。
買っただけではなく、ガソリンスタンドを新設してしまったのです。
勿論すべて借金で建てたのですから、借金は1億円を越してしまいました。
それでも、「ここまでして建ててしまえば、
さすがに、元売りさんは新店枠をどこかで作ってくれるだろう」
と舐めた考えで、無謀にも新店を造ってしまいました。
ところが、元売りさんはそんな私にお灸をすえる意味もあったのでしょうか、
そんな新店枠をあてがってはくれず、
約1年後特石法が廃止されるまで、
ガソリンスタンドの設備を備えた店なのに、
ガソリン無しで洗車などだけでの営業をせざるを得ず
しかし、普通の洗車だけでは食いつなぐだけの収益を得ることは出来ないので
その頃はやり始めたコーティングを習って、
そのコーティングと洗車だけで1年を食いつなぐ事になってしまったのです。
その時のコーティングが、その後、自分で色々考えて開発して、
独自にKeePerというコーティングのケミカルと技術を造り上げ
特許を取ったり、山ほどの色々なことを経て、今に至っているのです。
だからクリーンベースは、キーパーの原点とも言えるのです。
その132坪の土地を、今回、売りに出しています。
KeePer LABOをする場所としては
前面の道路が今は閑散としてしまっていて不適であり、使い道が無くなって
元々あった設備も壊して更地として売りに出したのです。
ところが、住宅地としても、商業地として中途半端でなかなか売れず、
とうとう買った時の値段より下回った値段で売ることになり、
大変寂しい思いをしているのです。
よくあんな所に店を造ったものだと昔の自分の無謀さに呆れると同時に、
あんな無謀なことをやってしまったからこそ、
今のKeePerがあるとも言え、あの頃の自分を思い出そうとしますが、
もう、すっかり忘れてしまっているようです。
37年前、創業の頃の谷 好通32才
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