谷 好通コラム

2022年02月28日(月曜日)

02.28.死というものが自分の自由にはならないものなら

今日は朝早くから先生が病室に来てくれて、

違和感の塊であったカテーテルを

「さぁ、抜きましょう。」と言って抜いてくれた。

これであとは、あと一日の観察入院で

血尿が出なければ、とりあえず全快で、終わりである。

 

体にはもう何も付いていないので、

退院しても良さそうなのだが、

「帰りたい」などと我がままを言わずに、素直に観察入院に甘んじよう。

 

この4か月にわたって

「腎移植手術」「下肢のガス壊疽除去」「初期の膀胱がん切除」と、

全く関連性の無いバラバラの手術を3度も連続して受けて、

延べ約1ヶ月半の入院も本当に長かったが、明日ですべてが終わる。

おまけに辛かった4年間の透析生活も無くなっているのだから最高だ。

病気は年取ってきたのだから、

ある程度は仕方ないと思うが、

もうしばらくは何も無いことを期待したい。

 

しかし、いずれは人間、必ず死ぬのだから、

健康との闘いとは、必ず負ける闘いでしかない。

あくまでも全力で、全財産をかけ、全精力で生きることに執着しても、

どこかで必ず負けるのだから、

如何に死に抵抗しきっていくかという無駄な事より、

どう死を受け入れていくのかを、考えておくべきなのかもしれない。

 

私は今回の一連の手術で、生命に危機に関わっていたのは、

実は、意外と「ガス壊疽」であり、

ウィキペディアによれば

発見から処置のまでの時間が遅かったら確実に死んでいた病気らしい。

たまたま見つかったのは

事前に撮ったCT画面で、私の主治医の先生が

傷の近くにガスの空洞がある事を見つけて、(ガス壊疽の特長)

「これは、まずい」と、

一旦、帰るつもりであった私を強引に引き留めて入院させてくれた。

それが無かったら、

私は本当に死んでいたかもしれないのです。

とは言っても、先生も重大な事態だと分かっていたはずですから、

私をぶん殴ってでも引き留めてくれたとは思いますが、

いずれにしても命の恩人であることには違いありません。

 

人の命とは一生懸命、真面目に節制しないと、大切に出来ないものですが、

しかし、どんなに頑張っても、良い事をしても、

必ず、終わりは来て、誰もが死ぬ訳です

 

その終わりも、どんな終わり方をするかを自分で選ぶことは出来ない。

自分の望むような死に方が出来るとは限りない。

 

ならば、自分ではどうにも出来ないその運命の日が来て、

自分の命が最後になる日まで、

どう生きて、どんなことを何のために実現して、

どんな人に、どんな幸せを、どんな風に与えられるか。

 

必ず、自分が死ぬという事を前提にして、またその死が自由にならないならば、

死ぬまでに、どう生きて、どんなことを何のために実現して、

どんな人に、どんな幸せを、どんな風に与えられるか。

 

と、いうことになってしまう。

 

少なくとも、自分の権力欲、支配欲、自己実現欲を満たす為に、

人を犯し、人の生命を殺し、多くの人から憎まれ、多くの人を不幸にするような、

そんな人生にどんな意味があるのか、

死後に銅像が造られようと、

死後に歴史の教科書に乗ろうと、

生きている間にどんなに高価なものを莫大に持っていたにしても、

 

そんな人生にどんなポジティブな意味も魅力も何も感じられない。

 

 

自分の人生の終わり、死というものが自分の自由にはならないものなら、

少なくとも、自分の意志で決めることが出来る”生き方”は、

自分の納得のいくような、みんなから喜ばれるような”生き方”をしたい。

 

たまたま、ひょっとしたら自分が死んだかもしれない出来事があった上で

その逆に

何のためにか全く理解できないが、

ウクライナを犯し、理不尽に人を殺し続けるプーチンの画面を見て、

そんなことを思いました。

 

 

 

退院寸前の病室で

先ほど、看護師さんが部屋に来て

「退院後2週間はアルコール禁止ですから。」だそうです。

がっかりです。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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