谷 好通コラム

2022年07月15日(金曜日)

07.15.一世一代の男の晴れ姿を見に行ってきました。

一昨日は福岡市にいました。

私の大恩人であり尊敬する人が、

博多祇園山笠の一番山に乗るというので、みんなで見に行ったのです。

山笠のしかも一番山に乗るということは、

どんなにすごいことなのか、

ものすごい名誉なことで博多の男の最高の夢であることを、私は知らなかった。

地元出身の人に聞くと、とんでもなく名誉なことで

福岡市の市長とか、地元の電力会社の会長とか、

そういうレベルの人が常連で、県外の男が乗るのは稀だという。

よほどの地元に対し、皆が認めるような大きな貢献があってのことなのだろう。

 

いずれにしても、そんな姿は見ようと思って見られるものでもなく、

嬉々として博多まで皆で見に行ったのです。

 

博多祇園山笠は、もう10年以上も前、

出張のついでに見たことがあるが、

博多のメインロードをふんどし姿の男が、

何百人、何千人もケツを出して

「オッショイ、オッショイ‥」と群れになっているところを

列の最後に重そうな山笠(1t近くあるらしい)を必死になって走らせていて、

男のケツは決して美しくはないが、とにかく熱気がすごかった記憶があった。

 

地元の人に聞くと、あれは「追い山笠(やま)」と言って、

真剣にタイムを競う最後の真剣勝負の時だったらしく、

華やかさより、気迫と担ぎ手の必至な形相だけが印象に強いが、

一昨日、皆と一緒に見たのは「追い山笠馴らし」と言って、

真剣勝負前の練習の一環でもあり、

地元の有力者が山笠に乗りこんで担ぎ手に檄を飛ばす役を担う。

真剣勝負の時は山笠が軽くなければならないので乗り手はいないので、

「追い山山笠馴らし」の時が、ゆっくりと全部見られて

乗り手もいて、一番華やかで、観光客もこの時が一番多いらしい。

 

博多祇園山笠は、博多の祇園と言われる地域の町内が、

町内ごとに山笠を持っていて、「中州流れ」とか「千代流れ」とか

町内の名前を付けて、

一つの町内にこんなにいるのかと思うほどの男が、

老若の男だけでなく、手を引かれるほどの子供までが、

全員”ふんどし姿”、ケツを丸出しでまったく恥ずかしそうもせずに、

「オッショイ、オッショイ‥」と、掛け声をかけながらちょっとだけ速足で、

露払いの様に闊歩して、最後から20人ぐらいに担がれた山笠がやってくる。

 

最初にぞろぞろと速足で歩いてくるふんどし男たちは、

子供と、若くて中年、多くは初老、本格的な爺さんも混じり、

その数はびっくりするほどいるが

若者はいないのだなぁ、と思っていたら、

最後にやって来た「山笠」を担いでいるのは、バリバリの若者たちで、

みんな必死の形相で、山笠を担いで(がされて?)走っていた(ひきずっていた?)。

あれは大変です。本当に大変です。

 

それでも、博多のこの辺の男たちは「1年を山笠が楽しみで生きている。」

と聞いたが、一年に一度であろうと、

地元の人間が祭りに団結して一つの目標を持てるという事は本当にすごい。

 

私達の目的であった「一世一代の男の晴れ姿」は、立派であった。

超カッコ良かった。

 

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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