谷 好通コラム

2024年09月04日(水曜日)

09.04. 車の手入れは「WAX」だった。から「ポリシラザン」まで

今日もかなり濃密なスケジュールでしたが、

書くべき文章がちっとも進まないので、とりあえず文章を進めてみました。

 

昔、車の手入れと言えば「WAX」であった。

その昔、車の手入れをすると言えば「WAX」であった。自動車用のWAX、カーWAXとは常温で固形になる「蝋(ろう)」であり、洗車をした後、塗装表面に塗られて艶を出した。さらに汚れ落としの機能を持たせるために珪藻土の研磨剤を混ぜたり、練りを加えたり、自動車用品売り場にはWAXコーナーまである程であった。WAXは流動性を持ち、高温になると溶け揮発してツヤがなくなる。揮発すると珪藻土などが汚れと混じって残りしつこい汚れとして残った。これを「水垢」と呼びぶ。WAX掛けの美的効果は短く、月一回くらい必要だった。しかし車の手入れ=WAXがけの常識は車が生まれてから百年以上続いた。

 

長持ちするWAXとしてポリマーコーティングが生まれた。

短命なWAXに替わって、高分子重合体=ポリマーで作られたポリマーコーティングが約30年前から流行した。ポリマーコーティングはフッ素や各種のシリコーンからなっていて分子が重合反応で結合しており、熱が加わっても溶けたり揮発しないので、従来のWAXに比べて艶などの美的効果の寿命がかなり長い。またこの頃、ポリマーコーティングのより一層の高付加価値化の技術として超微粒子コンパウンドとポリツシャーを使用した「鏡面研磨」の研磨技術が発達した。

 

硬い「ガラスコーティング」がより高性能コーティングとして生まれる。

自動車用のガラスコーティングは「ポリシラザン」が使われる。「ポリシラザン」とは無機質で非常に硬く長寿命ではあるが、その構造上非常に薄い皮膜になるので、塗布される塗装面に少しでも凸凹があるとまったく艶が出ないので「研磨(磨き)」との共用が必須。磨き次第でコーティングの出来上がりが大きく変わる。このことで「コーティングは磨きの腕次第」という神話が生まれた。

ポリシラザンを利用したガラスコーティングは無機質であるので、その表面に無機質のミネラル分を含む状水道水などがかかってそのまま乾くと「ウォータースポット」と呼ばれるミネラルの析出物がこびりつき、大きな問題となっている。

 

次回から話

アルコキシオリゴマー(低分子)の硬くないガラスコーティング。

分厚い無機質被膜を実現。研磨が必須でなくなった。

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