谷 好通コラム

2025年06月05日(木曜日)

06.05. 時代の変化のスピードは、予想を遥かに上回るのが常のようだ。

昨年、2024年に日本国中で生まれた新生子は68万6,061人だったそうだ。

 

私が生まれたのは1952年3月。(だから、現在73才)

この年、日本で生まれたのは200百万5,162人であるとネットの記録にあった。

その前年は213百万7,689人。

だから、

73年間で、日本で生まれる赤ん坊は約1/3になってしまったことになる。

さらにテレビで言っていたのは、数年前までの予想では

ここまで出生数が減るのには、あと15年はかかると予想されていたそうだ。

時代の変化のスピードは、予想をはるかに上回るのが常のようだ。

 

 

それとは別にこんな記事も見つけた。

 

 

【ネットの記事より転載】

否定論を覆すEVの台頭

電気自動車(EV)はもはや珍しい存在ではない。街中で見かけない日はほとんどない。日本の登録台数はすでに15万台に達しており、これはタクシーの登録台数30万台の半数に相当する規模だ。

 

だが、EV否定論は依然として根強い。航続距離の短さ、冬季の性能低下、充電時間の長さなどを理由に、

 

「EVは普及しない」

「今後も内燃機関車、特にハイブリッド車(HV)が主流だ」

 

と結論づける意見が多い。

 

こうした否定論は本当に妥当なのか。答えは否である。むしろ淘汰されるのは内燃車の側だ。EVはハイブリッド車さえも駆逐する可能性を秘めている。

 

コストで圧倒するEV

 

第一に、コストの見通しからEV優位は明らかだ。購入費用と運航費用の両面で、EVは内燃車を上回る。では、今後の価格はどうなるか。下がる一方だ。車両価格を左右する電池コストは今後も下落する。容量効率や製造技術の進展、そして需給の変化を見ても、電池は確実に安くなる。

 

一方、内燃車はどうか。これ以上の値下がりは期待できない。エンジン設計や製造工程には、すでに価格低下の余地がない。さらに、環境規制は年々厳しさを増している。

 

運航費でも、EVが圧倒的に有利だ。1kmあたりの走行コストでは、内燃車を大きく引き離している。

 

加えて、EVは再生可能エネルギーでも駆動できる。再エネ発電に燃料費はかからず、結果として発電単価は最も安い水準にある。FIT終了後の太陽光パネルで自宅充電すれば、電気代は実質ゼロだ。

 

化石燃料による発電であっても、EVは依然として優位を保つ。石油1L分のエネルギーで、EVは内燃車の2倍以上の距離を走行できる。

 

具体的にはこうだ。石油1Lの熱量は約10.5kWh。これを発電所で電力に変換する際の効率は約55%。そこから送電効率95%、EVの充放電効率90%、モーター効率98%を踏まえると、最終的にモーター出力端で約5kWhとなる。日産リーフで換算すれば、およそ30kmの走行に相当する。

 

対して内燃車、主力であるガソリン車の場合はどうか。石油1Lから得られるのは、エンジン出力ベースでわずか3.2kWh程度。これはエンジン効率が平均30%前後にとどまるためだ。仮に最高効率が40%でも、走行条件や気温によって効率は大きく低下する。酷暑の影響も避けられない。結果、同等クラスの内燃車が走れる距離はせいぜい15km程度にとどまる。

 

HVを加味しても、形勢は変わらない。プリウスが好条件下で30km走れるのは、回生ブレーキによる電力回収を含めた数値だ。だがEVにも回生機構がある。この効果を加えれば、EVはHVすら上回る。

 

さらに、EVに使う発電燃料の選択肢は広い。現時点で主力となっている天然ガスは、石油の3分の1から7分の1という安値で手に入る。こうした要素がEVの優位性を一層強めている。

 

ガソリン供給体制の崩壊

第二に、化石燃料の供給を今後も維持できるかという問題がある。

 

人口減少にともない、内燃車を含む自動車全体の台数は減少する。新車販売台数も確実に減少局面に入る。この結果、燃料価格は上昇に向かう。現在の価格が比較的安価に保たれているのは、大量消費によるスケールメリットがあるからだ。輸入、精製、輸送といった供給コストは、大量取扱いによって分散されている。

 

しかし、車の数が減れば燃料消費量も落ちる。スケールメリットは失われ、供給単価は上がる。価格上昇は避けられない。

 

同じ理由でガソリンスタンドも減る。かつて1000台の車が走っていた地域で、台数が700台に減れば、経営は成り立たない。

 

この構造変化もEV購入を後押しする要因となる。ガソリン価格が1Lあたり300円、最寄りのスタンドまで10kmという状況では、もはや内燃車は選ばれない。

 

さらに、EVへの移行がこの流れを加速させる。新車販売のなかでEVの比率が高まれば、その分内燃車は一段と減少する。結果として、燃料供給の単価上昇やスタンドの減少が一層深刻化する。

 

この連鎖は、内燃車をさらに市場から後退させる。EVの普及は、内燃車にとって負のスパイラルをもたらす構造にある。

 

政府による抑圧

第三に、社会の要請という側面がある。

 

各国政府は今後も内燃車の販売を容認し続けるだろうか。答えは否である。地球温暖化対策の観点から、税制や許認可制度を通じて内燃車の普及を抑制する流れが強まっている。

 

すでに欧州や中国ではEV優遇政策を導入し、内燃車の制限を進めている。保守的とされる米国、ロシア、インドも例外ではない。時間の問題で同様の規制に転じるだろう。

 

なかでも、ガソリンエンジンは規制対象として真っ先に狙われる。製造コストは安いが、単位エネルギーあたりのCO2排出量が大きいためだ。

 

このまま進めば、ガソリンエンジンはほぼ全廃される可能性が高い。草刈機、発電機、乗用車、中型飛行機などは、電池、ディーゼル、タービンなどで代替が可能である。小型飛行機の置き換えには技術的な制約があるが、その分野もドローンで代替できる。用途ごとに禁止しても社会的影響は小さい。

 

ディーゼルエンジンについても、将来的には特殊用途かつ天然ガスとの組み合わせに限定される。すでに船舶はLNG化が進み、バスはCNG化が進行中だ。長距離トラックでも気化LNG車の試験運用が進められている。

 

このような流れは、「EV否定論」を否定する論拠ともなる。内燃車は単なる価格競争力を失うだけでなく、社会的コストの観点からも選ばれなくなる運命にある。

 

EVはHVを滅ぼす

 

EV否定論は、もはや成立しない。むしろ滅びるのは内燃車の側である。では、それはいつか。そのタイミングはふたつの要素で決まる。

 

第一の要素は、新車導入時の価格だ。EVの価格が、同性能の内燃車に迫れば、選ばれるのはEVだけになる。すでにライフサイクルコストではEVの優位が揺らがない。

 

第二の要素は、内燃車のシェアが一定水準まで縮小した時点だ。仮に台数が現在の6割程度に落ち込めば、燃料供給体制は一気に不安定になる。これは先述のとおり、スケールメリットの崩壊による。

 

このふたつの条件がそろったとき、内燃車の時代は終わる。乗用車市場はEVが主流となるだろう。各国政府も、特にガソリン車の新車販売を法的に禁止する流れを強めるはずだ。

 

時代の変化のスピードは、予想を遥かに上回るのが常のようだ。

 

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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